FX初心者は何から勉強する?4ステップに分けてわかりやすく解説

FXを始めたいけれど、何から勉強していいかわからないと悩んでいませんか?

FXは勉強をして経験を積み重ねていけば、勝率を上げることが可能です。この記事ではFX初心者や、これからFXを始めたい人のために、勉強する手順や勉強しておくべき内容について解説しています。FX取引で勝率を上げたいと考えている人は、ぜひ最後までお読みください。

FXは勉強すれば勝てる?

FXを勉強していても、100%勝てるわけではありません。しかし、勉強をしてチャート分析やリスクについて理解をすることで、勝率を上げることは可能です。FXで勝率を上げるための勉強方法や、勉強するべき内容について紹介していきます。

FXを勉強する順番

FXを勉強するにあたり、おすすめの順番は以下の通りです。

  1. 基礎知識を習得する
  2. トレード手法について学ぶ
  3. 相場の分析方法について学ぶ
  4. 高度な注文方法について学ぶ

以下、順番に解説していきます。

①基礎知識を習得する

FXで利益を狙うためには、まず基礎知識の習得が必要です。利益を狙うために必要な基礎知識として、FXで利益を出す仕組みや専門用語、基本的な注文方法について解説します。
なお基礎知識の習得方法としては、書籍や動画、セミナー参加、FX会社の公式サイトを活用する方法があります。

FXで利益を出す仕組み

FXの利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2つがあります。

  • インカムゲイン
    資産を保有することで得られる利益のことで、FXでは2国間の金利差によって得られるスワップポイントによる利益がインカムゲインにあたります。スワップポイントは通貨ペアのうち、金利が高いほうの通貨を買い、低いほうの通貨を売ることで発生します。
  • キャピタルゲイン
    資産の売却によって得られる利益のことです。例えば、米ドル円の通貨ペアで1ドル100円のときにドルを買い、101円になったタイミングで決済をすると1円の利益が得られます。この決済時に発生した利益がキャピタルゲインにあたります。

FXの専門用語

次にFXで利益を狙うために知っておきたいFXの専門用語を紹介します。

  • レバレッジ
    「てこの原理」という意味があり、少ない自己資金で大きな金額の取引ができる仕組みのことです。例えば10万円の自己資金に10倍のレバレッジをかけると100万円分の取引ができます。ただし、その分、値動きしたときの損益は大きくなります。
  • 空売り
    売りから始める取引のことです。FXでは売りから始めることで、下落局面でも利益を出すことができます。例えば米ドル円の通貨ペアのときに1ドル100円でドルを売り、円高で99円になったときに決済をすると利益になります。
  • スワップポイント
    2国間の金利差から生まれる利益のことです。通貨ペアのうち、高い金利の通貨を買い、低い金利の通貨を売ることで、ポジションを保有している日数分の利益が得られます。米ドル円の通貨ペアの場合、買いポジションを保有することでスワップポイントが受け取れます。
  • スプレッド
    売値と買値の価格差のことを言います。例えば米ドル円の通貨ペアで、買値110.125、売値110.120の場合、差額のスプレッドは0.5銭がスプレッドです。スプレッドはFXの実質的なコストにあたり、スプレッドが広いほどコストが高い、狭いほどコストが安いと考えます。
  • ポジション
    新規注文して、未だ決済していない資産のことを呼びます。新規で買い注文をしたときは、買いポジションまたはロングポジションと言い、新規で売り注文をしたときは、売りポジションまたはショートポジションと言います。
  • 必要証拠金
    ポジションを保有するにあたり必要となる証拠金のことで「通貨単位✕現在のレート✕レバレッジ」で計算します。証拠金とはFX口座に預けておく資金のことで、取引をする際の担保としての役割があります。

FX基本的な注文方法

FXはさまざまな注文方法があります。まず基本的な3つの注文方法を紹介します。

  • 成行注文
    値段を指定せず、現在の価格で即座に注文する方法です。今すぐに買い注文を出したい、あるいは売り注文を出したいときに利用します。売買チャンスで即座に対応できますが、いくらで注文が成立するかわからないデメリットがあります。
  • 指値注文
    現在よりも有利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。価格を指定しておけば、FXチャートを見ていないときでも指定した価格に到達すれば注文が成立します。主に新規注文や利益確定で使用します。
  • ストップ注文
    逆指値注文とも言われ、現在よりも不利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。指値注文と同様、指定した価格に到達すれば自動的に注文が成立します。主に新規注文や損切りをするときに使います。

FXのチャートの見方

FX取引をするうえで、最も基本的なローソク足チャートの見方を身に着けましょう。ローソク足とは一定期間の高値・安値・始値・終値をローソク状の棒で表したもので、ローソク足を時系列で並べたものをローソク足チャートと言います。ローソク足チャートを見ることで、相場の状態や流れが一目でわかります。

  • 始値:一定期間中で始めについた価格
  • 終値:一定期間中で最後についた価格
  • 高値:一定期間中で最も高かった価格
  • 安値:一定期間中で最も安かった価格

ローソク足についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:FXローソク足の見方と考え方|基本から組み合わせパターンまでわかりやすく解説

②トレード手法について学ぶ

FXは自身に合ったトレード手法を身につけることが大切です。どのトレード手法が自身に合っているかを見つけるために、各トレード手法の概要やメリット・デメリットについて学びましょう。

スキャルピング

数秒・数分という短い時間で何度も売買を繰り返して、利益を積み重ねていくトレード手法です。短期間で大きな利益が狙えますが、トレード回数が多い分、損失が発生する可能性があるため、リスクが高いトレード手法と言えます。

スキャルピングは短期的な値動きを狙うトレードのため、ファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析に関する知識が重視されます。スキャルピングで勉強しておきたいテクニカル指標としては、ボリンジャーバンド、MACD、RSI、サポートライン、レジスタンスライン、移動平均線などがあります。

また短い時間で何度も売買を繰り返すため、注文方法にも慣れておく必要があります。FX初心者は、デモトレードで素早く注文を出す練習もしておいたほうが良いでしょう。

関連記事:FXのスキャルピングとは?メリットやデメリット・成功するやり方

デイトレード

数時間から1日という頻度で売買をして、利益を狙うトレード手法です。デイトレードも比較的ポジションの保有期間が短く、場合によっては1日に何度も取引をするため、大きな利益が狙える可能性があります。しかしスキャルピング同様、損失がでる可能性もあるため、リスクが高いトレード手法です。

デイトレードはファンダメンタルズ分析をして日々の方向性を判断してから、テクニカル分析をして売買ポイントを探していきます。特に勉強しておきたいテクニカル分析としては、移動平均線やMACD、ボリンジャーバンドがあります。

関連記事:FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴

スイングトレード

数日から数週間というスパンでポジションを保有し、長期的に大きな利益を狙うトレード手法です。長期間保有することでスワップポイントも狙える場合があります。一方で、運用期間中に経済指標の発表や要人発言といったファンダメンタルズ分析でトレンド転換してしまうリスクがあります。

スイングトレードは基本的にFXチャートを頻繁に注視するトレード手法ではありません。そのため、通貨ペアに関連する情報や経済指標など、ファンダメンタルズ分析を重視した勉強を心がけましょう。

システムトレード

あらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・継続的に自動で売買を繰り返すシステムトレードを利用する手法です。1からトレードルールを設定することもできますが、あらかじめ用意されたトレードルールのなかから選んで運用を始めることも可能です。

ただし相場の急変動には対応しきれない場合がある点や、取引手数料とスプレッドの両方かかる可能性がある点には注意が必要です。

システムトレードは基本的にトレードルールを選んでおけば自動的に売買されるため、FXのチャート画面を頻繁に注視する必要はありません。しかし大きなトレンドには対応できない場合があるため、ファンダメンタルズ分析をして大きなトレンド変化をキャッチして、定期的にトレードルールの見直しができるようにしましょう。

長期投資

数週間を超える期間、ポジションを保有して長い期間をかけて大きな利益を狙うトレード手法です。長期間保有するためスイングトレード同様、スワップポイントも期待できます。ただし、長期投資も要人発言や経済指標といったファンダメンタルズ要因でトレンドが変わるリスクがあるため、定期的にトレード方針の見直しができるよう、ファンダメンタルズ分析の勉強に重点を置くと良いでしょう。

③相場の分析方法について学ぶ

相場の分析方法には、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2通りがあります。各分析方法の特徴やメリット・デメリットを紹介します。

ファンダメンタルズ分析

要人発言や、経済指標、経済ニュースといった情報をもとに、現在の相場分析や将来の相場の予測を立てる分析方法です。

ファンダメンタルズは大きな流れを掴むと一方的にトレンドを形成する可能性が高く、早めにトレンドをキャッチできれば大きな利益が狙える可能性があります。しかしFXのトレンドはさまざまな要素があるため、ファンダメンタルズ分析ではどの要素が決定的な要因だったのか特定しにくいという特徴があります。

また多くのプロ投資家も同じようなファンダメンタルズ分析をしているため、初心者が兆候に気づいたときには、多くの場合、既に相場に反映されている、いわゆる「織り込み済み」になっている可能性が高いでしょう。

テクニカル分析

ローソク足チャートや、テクニカル指標といった相場分析ツールを使用して、過去の値動きを分析し、将来の相場を予想する方法です。テクニカル指標には、いつ売買をすれば良いのかといった売買ポイントを見つける「トレンド系」と、相場の買われすぎ・売られすぎといった相場の過熱感を判断する「オシレーター系」の2つに分けられます。

テクニカル分析のメリットは、時間軸を設定できるため短期から長期まで幅広い時間軸で分析ができる点や、具体的な注文や決済ポイントがわかるといった点があります。しかし一方で、一般的なテクニカル指標のセオリー通りに値動きしない、いわゆる「騙し」に遭うことがあり、100%確実なテクニカル分析はありません。

④高度な注文方法について学ぶ

FXの高度な注文も活用できると非常に便利です。できれば早い段階で身につけておくと良いでしょう。

  • IFD注文
    「If Done(イフダン)」注文と呼ばれ、新規で注文が成立したら、同時に決済注文が有効になる注文方法です。例えば1ドル100円のときに新規で指値の買い注文を出し、注文が成立したら110円の売り注文が有効になるという注文方法です。新規注文のみ選択できます。
  • OCO注文
    「One Cancels the Other」注文の略で、同時に2つの注文を出し、一方が成立するともう一方はキャンセルになる注文方法です。1ドル110円で利益確定の指値注文と、105円で損切りのストップ注文を同時に出し、110円で利益確定したらもう一方は自動的にキャンセルされます。
  • IFO注文
    「IFOOCO注文」の略で、IFDとOCOを組み合わせた注文方法です。新規注文が成立したと同時に、利益確定の指値注文と、損切りストップ注文のOCO注文が有効になります。新規注文のみ選択可能な注文方法です。

FXの練習にはデモトレードがおすすめ

FXを勉強したけれど、すぐに実践トレードを始めるのは不安な人は、デモトレードを活用してみましょう。デモトレードとは、仮想の資金が与えられ、その資金の範囲内で本番と同様のトレードができる仕組みのことです。FX会社によってはデモトレードを用意している場合があります。

自身の分析方法が本番で実際に通用するか確認をしたり、スムーズに注文できるように練習したりしたいときにデモトレードはおすすめです。

FXのトレード結果の振り返りも勉強になる

実際に行ったトレードの振り返りも勉強になります。トレードをしたときは成功、失敗にかかわらず振り返るようにしましょう。「なぜ成功したのか」「なぜ失敗したのか」は、どちらも大切な情報です。

後で振り返りができるように、トレードごとの損益や、注文や決済したときの為替レート、なぜその為替レートで注文・決済をしたのか理由などを書いておくことをおすすめします。

こうした振り返りは、将来、同じような局面が訪れたとき心強い情報源になるでしょう。

まとめ

FXの勉強をすれば100%勝てるというわけではありませんが、勝率を上げることは可能です。まず基礎知識を習得して、FXのチャート分析やリスクについて理解をしたうえで、自身に合ったトレード手法を見つけることが大切です。勉強をしてすぐにトレードをするのが不安な人は、デモトレードで実際にトレードの練習を積んでから、実際のトレードを始めてみましょう。

どうしても自身の判断でトレードをするのが不安な人は、システムトレードを利用してみましょう。インヴァスト証券の「トライオートFX」は、あらかじめ設定したトレードルールから選ぶだけでもシステム運用を始められます。またAIを活用した「マイメイト」というシステムトレードもあります。マイメイトはエージェントというキャラクターが過去のトレードを学習し、今後のトレードに反映させる仕組みです。マイメイトも既に稼働しているエージェントのなかから選ぶだけでスタートできます。自身に合ったシステムトレードを活用してください。