FXローソク足の見方と考え方|基本から組み合わせパターンまでわかりやすく解説

FXで失敗しないために、FXトレードでチャート分析を取り入れてみましょう。多くのチャート分析方法がありますが、最もよく知られているのはローソク足チャートを使った方法です。ただ、一言でローソク足チャートと言っても数多くの手法があります。この記事では、ローソク足を使ったチャート分析について徹底解説します。トレードの勝率を上げたい方、チャート分析を取り入れてFXトレードをしたい方は参考にしてください。

FXの成功には理解が必須!ローソク足とは

過去の為替の値動きをグラフ化したものをチャートと言いますが、ローソク足はFXで使用されるチャートの中でもよく知られているチャートの1つです。ローソク足は、1本で一定期間の始値(はじめね)、終値(おわりね)、高値(たかね)、安値(やすね)が一目で確認できる便利なチャートです。形がローソクに似ていることから、ローソク足と言われており、広く活用されています。

ローソク足は、ローソク足1本の時間の長さによって呼び方や使い方が異なります。

  • 分足

分単位の為替の値動きを示します。5分足、15分足などがあり、デイトレードで購入チャンスを見つけるときなどに利用されます

  • 時間足

時間単位の為替の値動きを示します。1時間足、4時間足、8時間足などがあります。デイトレードやスイングトレードに利用します

  • 日足

日単位の為替の値動きを示します

  • 週足

週単位の為替の値動きを示します

  • 月足

月単位の為替の値動きを示します

【基礎知識】ローソク足の見方

ローソク足チャートを構成するローソクの見方について解説します。

四本値

ローソク足は四本値と言われる、始値、終値、高値、安値の4つの数値で構成されています。

  • 始値

一定期間内で始めに付いた価格

  • 終値

一定期間内で最後についた価格

  • 高値

一定期間内で最も高かった価格

  • 安値

一定期間内で最も安い価格

陽線と陰線

始値より終値の方が上にあるローソクを陽線、始値よりも終値が下にあるローソク足を陰線と言います。ここでは陽線を赤、陰線を青で表していますが、FX会社のチャートによっては、陽線や陰線の色は異なります。

実体(胴体)とヒゲ

ローソク足は始値と終値に囲まれた実体と、上下のヒゲで構成されています。実体の上うえに伸びているヒゲを上ヒゲ、実体の下にあるヒゲを下ヒゲと言います。

ローソク足の基本パターンの見方

ローソク足の形を見るだけで、トレンド転換の予兆や、トレンドの強さなどが分かります。ここでは、代表的なローソクの形を紹介します。

大陽線・大陰線

ローソク足の実体部分が大きい陽線を、大陽線と言います。大陽線は一定の時間帯で始値か終値にかけて一方的に買われたことを表し、今後も上昇トレンドが続く可能性を表しています。

一方、ローソク足の実体部分が大きい陰線を、大陰線と言います。大陰線は一定の時間帯で始値から終値にかけて、一方的に売られたことを表し、今後も下落トレンドが続く可能性を表しています。

なお、高値圏で大陽線が現れた場合や、安値圏で大陰線が現れた場合は反転の兆しと捉えられることがあるので、どこで大陽線、大陰線が出たかもチェックが必要です。

小陽線・小陰線

大陽線に比べると実体部分やヒゲが小さい陽線を小陽線、大陰線よりも実体やヒゲが小さい陰線を小陰線と言います。いずれも相場様子見を表しています。

陽線坊主・陰線坊主

上ヒゲも下ヒゲもない陽線を陽線坊主、陰線を陰線坊主と言います。陽線坊主は強い上昇トレンド、陰線坊主は強い下落トレンドを表しています。

ただし大陽線・大陰線と同様、高値圏で陽線坊主が現れた場合や、安値圏で陰線坊主が現れた場合は反転の兆しと捉えられることがあるので、注意しましょう。

上影陽線・上影陰線

長い上ヒゲがあり、実体がローソクの下方にある陽線を上影陽線、陰線を上影陰線と言います。

【上影陽線】

高値圏で上影陽線が現れると下落に転換するサインを意味しており、上昇圧力が優勢ながらも、下落圧力も強いかったことを表しています。

一方、安値圏で上影陽線が現れると、上昇に転じるサインを意味しており、下落圧力がありながらも、上昇圧力のほうが強かったことを表しています。

【上影陰線】

高値圏で上影陰線が現れると下落に転じるサインを意味しており、下落圧力が強いことを表しています。

下影陽線・下影陰線

長い下ヒゲがあり、実体がローソクの上部にある陽線を下影陽線、陰線を下影陰線と言います。

【下陰陽線】

安値圏で下陰陽線が現れると上昇に転じるサインを表しています。

【下影陰線】

高値圏で下影陰線が現れると、下落に転換するサインを意味しています。上昇圧力もあったものの、最終的に下落の方が優勢だったことを表します。

一方、安値圏で下影陰線が現れると、上昇に転換するサインを意味しています。下落圧力はあったものの、上昇圧力の方が強かったことを表します。

十字線

十字線は始値と終値が同じなので実体がなく、売りと買いの圧力が拮抗していることを表しています。高値圏で十字線が現れると下落トレンドに、安値圏で現れると上昇トレンドに向かう可能性があります。

トンカチ

下ヒゲがなく、実体に長い上ヒゲがある陽線を陽トンカチ、陰線を陰トンカチと言います。高値まで上昇したものの、下落圧力が強く、最終的に下落して終わった形です。高値圏でトンカチが現れると、下落トレンドに転換する可能性が高いことを表しています。

カラカサ

上ヒゲがなく、実体に長い下ヒゲがある陽線を陽カラカサ、陰線を陰カラカサと言います。安値まで下落したものの、上昇圧力が優勢で、最終的に上昇して終わった形です。安値圏でカラカサが現れると、上昇トレンドに転換する可能性が高いことを表しています。

トンボ

アルファベットの「T」のような形を示すローソクをトンボと言い、始値から一旦下落したものの、上昇に転じて最終的に価格が始値の価格に戻った形です。トンボが安値圏で現れると、上昇の可能性があります。

トウバ

アルファベットの「T」を逆にした形を示すローソクをトウバと言います。トウバは始値から価格が上昇したものの、下落に転じ、最終的に始値の価格に戻った状態です。トウバが高値圏で現れると、下落に転じる可能性があります。

四値同時線

十字線やトンボ、トウバのヒゲをとった「-」の形が四値同時線です。様子見、薄商いのときに現れることがありますが、トレンド転換を表していることもあります。

過信は禁物!ローソク足の「だまし」に注意

ローソク足を使ったチャート分析は取引のヒントの1つに過ぎません。まれに「ダマシ」というセオリーと異なる値動きをすることもあるため、その他のチャートと組み合わせて、取引の精度を上げて行くことが必要です。

またトレード経験を重ねて行くと、自分の得意なパターンも生まれてくるでしょう。

ローソク足の組み合わせパターンの見方

複数のローソク足の組み合わせを見ると、1本だけでは気が付かなかったトレンドが見えてくることがあります。1本のローソク足の形を見る方法と組み合わせれば、さらにトレードの精度は上昇するでしょう。

ここでは、主なローソク足の組み合わせパターンを紹介します。

包み足

2本のローソク足を比較して、新しいローソク足が、古いローソク足の高値と安値を包み込んでいる状態を包み足と言います。新しい陽線のローソクが古い陰線のローソクを包み込んでいるのを陽線の包み足。新しい陰線のローソクが、古い陽線のローソクを包み込んでいるのを陰線の包み足と言います。

下落相場で陽線の包み足が現れたときは上昇、上層相場で陰線の包み足が現れたときは、下落トレンドに向かうサインと考えられます。

はらみ足

2本のローソク足のうち、古いローソク足が、中に新しいローソク足の高値と安値を包み込んでいるローソクの並びをはらみといい、陰線と陽線の組み合わせによって、傾向が異なります。

上昇局面で陽の陰はらみ、陽の陽はらみが現れると、反転(下落)の兆候を表しています。一方、下落相場で陰の陽はらみ、陰の陰はらみが現れると、反転(上昇)の兆候を表しています。

三山

ここからは、酒田五法と言われるチャート分析方法を紹介します。

三山(さんざん)は高値を3回試したが、高値を突破できなければ、もう高値を超えることはないと言う考え方です。トレンドの天井を見極める際に役立ちます。

三川

三川(さんせん)は三山の逆で、3回安値を超えられなければ、もう安値を超えることはないだろうという考え方です。底値を見極める際に役立ちます。

三法

三法(さんぽう)は為替レートがあまり動かないレンジ相場では取引をせず、相場が動いたときに取引を始める方法です。レンジ相場を大きく上抜け(上昇)したときは買いでエントリーすることを「上げ三法」、大きく下抜けしたときに売りでエントリーをすることを「下げ三法」と言います。

三兵

連続した3本の陽線、または陰線のことを三兵(さんぺい)と言います。安値圏で3本連続した陽線が出ることを「赤三兵」と言います。赤三兵は、上昇局面に入っていることを表すサインです。

一方、高値圏で3本の連続した陰線が出ることを「黒三兵」と言います。黒三兵は、下落局面に入っていることを表すサインです。

三空

急激な上昇・下降トレンドが起こると、連続したローソク足の間に空白ができることがあります。この空白のことを「窓」と言いますが、窓が3回開くと、相場は行き過ぎで、トレンド転換が訪れるという考え方です。4本の陽線に3つの窓が連続することを「三空踏み上げ」、4本の陰線に3つの窓が連続することを「三空叩き込み」と言います。

まとめ

ローソク足はFXで使用されているチャートの中で、最もよく知られているチャートです。ローソク足は、1本のローソク足の形でトレンドやトレンドの強さを見抜く方法や、複数のローソク足の組み合わせのパターンから、今後の値動きを予想する方法などさまざまな分析方法があります。すぐにすべてを使いこなすのは難しいので、まずはデモトレードで練習してから、本番のトレードに活用することをおすすめします。

ただ、多くの分析手法があって、やはりFXは難しいと思う方もいるかも知れません。FX初心者なのでローソク足の分析は難しいという方は、インヴァスト証券の「トライオートFX」の活用を検討してみましょう。トライオートFXは、自動的に売買を繰り返すシステムです。また、AIに売買を任せられる「マイメイト」は、自動的に学習を継続する他社にない、FX自動売買システムです。

まずはこうした自動売買のトレード手法をお手本にして、トレードに活かしていきましょう。