FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴を説明

FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴を説明

FXのデイトレードをやってみたいけれど、よくわからないので迷っている人はいませんか?デイトレードは数時間または、その日のうちに取引を終了して、翌日にポジションを持ち越さない取引手法です。

この記事では、FXのデイトレードの概要やメリット、デメリットを解説しています。自分がデイトレードに向いているのかどうか知りたい人も参考になります。これからFXのデイトレードを始めたい人は参考にしてください。

FXのデイトレードとは

FXのデイトレードとは

FXのデイトレードとは数時間から1日までの期間で取引を完了させ、ポジションを翌日に持ち越さない取引手法です。デイトレードに似ている取引手法として、スキャルピングやスイングトレードがありますが、取引頻度やリスクの面で少し異なります。

スキャルピングとの違い

スキャルピングとの違い

スキャルピングとは、数秒から数分といった極めて短い時間に何度も売買を繰り返す取引スタイルです。デイトレードよりも1日あたりの取引頻度は、さらに多くなります。

【スキャルピングのメリット】

●最も大きなリターンが得られる可能性があるトレード方法
スキャルピングは取引時間が短いので1回あたりのトレードで得られる利益は少ないものの、何度も取引を繰り返すことで利益を積み重ねるため、結果的に短期間で大きなリターンを狙える場合があります。

●初期投資が少なくても始められる
FXでは仮に5万円の資金で通貨を買い付けた場合、この5万円は通貨を売却しない限り自由に使ったり、再投資をしたりすることはできません。その点、スキャルピングは同じ資金を使って何度も売買を繰り返すため、少ない初期投資でもスタートすることができます。

【スキャルピングのデメリット】

●リスクが高い
スキャルピングは1トレードあたりのリスクは小さいものの、小さな損失を繰り返すと大きな損失につながります。スキャルピングは、FXのなかではリスクが高い取引手法です。

●コストが高くつく
FXはスプレッドという形で取引のたびにFX会社にコストを支払います。スキャルピングは取引頻度が多いため、何度も売買をすることになることからコスト負担が大きくなります。

●常にパソコンやスマホ画面に張り付いていることが必要
スキャルピングは、為替レートのほんのわずかな値動きから収益をあげる方法です。常に売買チャンスを伺う必要があるだけではなく、目を離していると急激に為替レートが変動し、小さく積み上げてきた利益が吹き飛んでしまうかもしれません。スキャルピングをひとたび始めると、その間はパソコンやスマホの画面から目が離せないので心労にも繋がりやすくなる可能性があります。

スイングトレードとの違い

スイングトレードとの違い

スイングトレードとは、数日から数週間のスパンでポジションを保有し、ある程度大きな値幅を狙うトレードスタイルです。デイトレードよりも取引頻度は少なくなります。

【スイングトレードのメリット】

●パソコンやスマホ画面に張り付いている必要がない
スイングトレードは取引頻度が少なく、数日から数週間ポジションを保持し続けることを前提としたトレード手法なので、スキャルピングやデイトレードのように、パソコンやスマホから目が離せなくなるということはありません。

●スワップポイントがたまる
FXは通貨ペアと売買の方向次第で、ポジションを翌日に持ち越すと金利差調整分としてスワップポイントが受け取れることがあります。ポジション保有期間次第では、大きなスワップポイントも狙える可能性があります。

【スイングトレードのデメリット】

●急な相場変動を見落としてしまう可能性がある
スイングトレードは頻繁に取引をするわけではないことが多いので、ポジション保有期間中にイベントや経済指標の発表などによる急なトレンド転換を見落とし、大きな損失につながることがあります。パソコンやスマホ画面に張り付いている必要はなくても、適度に為替レートをチェックしておくことが大切です。また、重要な経済指標の発表は、FXの会社のサイトや、FXの会社の提供しているアプリなどで確認できるのでチェックしておきましょう。

FXでデイトレードをおこなうメリット

FXでデイトレードをおこなうメリット

FXでデイトレードをおこなうメリットは以下の通りです。

  • 当日中に損益が確定する
  • 取引時間外のニュースの影響を受けない
  • マイナススワップによる影響を受けない

それぞれのメリットを詳しく解説します。

当日中に損益が確定する

デイトレードは原則ポジションを翌日に持ち越すことはなく、利益が出ていても損失が発生していても損益は当日中に確定します。FXにおいて取引ルールを決めておくことは極めて重要です。取引ルールを曖昧にして、利益が出ているのでもっと上がるかもしれないと欲張ってポジションを翌日にしたり、損失が出ているのでプラスに戻るまでポジションを塩漬けしにしたりすると、FXでは大きな損失につながる可能性があります。

デイトレードで「損益は当日中に確定する」というルールを自分なりに決めておけば、ポジションを塩漬けにして大きな損失が発生することは避けられます。

取引時間外のニュースの影響を受けない

デイトレードはポジションを持ち越さないので、夜寝るときはその前に決済をすることになります。欧米の重要指標は夜中に発表されることも多いので、ポジションを放置して寝てしまうと、その間に大きく為替レートが上下していることがあります。また、取引時間外に為替レートに大きな影響を与えるような重大ニュースが発表されることもあるでしょう。夜、寝ている間に重要指標の発表があっても、あるいは、取引時間外に重大ニュースが流れても、ポジションさえ持っていなければ心配することはありません。

ちなみに、株式投資もデイトレードはありますが、株式投資は原則、東京証券取引所や名古屋証券取引所などが開いている時間帯に限られるので、比較的対策は立てやすいでしょう。

マイナススワップによる影響を受けない

FXは通貨ペアと売買の方向次第で、ポジションを翌日に持ち越すとスワップポイントが受け取れることもありますが、スワップポイントを支払うときもあります。このようにスワップポイントの支払いが必要になることを、マイナススワップと言います。

デイトレードではない一般的な取引では、売買益では利益が出ていても、マイナススワップを抱えている状態で決済をすると最終的な利益がマイナスになることがあります。しかし、デイトレードをしている限り、スワップポイントは発生しないのでマイナススワップの影響は受けません。

FXでデイトレードをおこなうデメリット

FXでデイトレードをおこなうデメリット

FXでデイトレードをおこなうデメリットも紹介します。

  • 手数料が高くなりやすい
  • 心身共に大きな負担がかかる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

手数料が高くなりやすい

デイトレードはスキャルピングほどではありませんが、頻繁に取引をするので、FX取引にかかる実質的なコストであるスプレッドを何回も負担することになります。そのため、取引コストの負担は一般的なトレードスタイルよりも高くなりがちです。

デイトレードに慣れないうちは、トレード前にテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析を慎重に行い、取引頻度は少し落としてでも、1回あたりの取引の精度を高めていきましょう。

心身共に大きな負担がかかる

デイトレードも取引頻度が比較的多く、利益を積み重ねて、大きな利益を狙える手法です。しかし、目を離している間に、経済指標の発表や、自然災害や、戦乱といった発表で為替レートが大きく値動きすると、多大な損失が生じる可能性のあるリスクの高い取引です。

デイトレードも、トレード時間中はパソコン画面やスマホ画面を常に見続けて神経を尖らせておく必要があるため、心身共に大きな負担がかかるトレード手法です。そのため、兼業でデイトレードに取組むのは難しく、トレードに集中できる環境を確保しておく必要があるでしょう。

FXのデイトレードが向いている人の特徴

FXのデイトレードが向いている人の特徴

FXのデイトレードが向いているのは次のような人です。

  • 損切など基礎の徹底ができている
  • 損失でも割り切って考えられる
  • 判断力がある

デイトレードは数時間から1日までの間に取引を終えて、翌日にポジションを持ち越さないトレード手法です。損益の状況にかかわらず、当日中にポジションを手仕舞いできるか、買い付けをして予想に反する方向に為替レートが動いたら損切ができるか、損失に対する割り切った考え方が求められます。

また、必要であればすぐに取引に取り掛かる判断力がある人も、デイトレードには向いています。

FXのデイトレードが向いていない人の特徴

FXのデイトレードが向いていない人の特徴

一方、次のような人はやり方や考え方を見直さない限り、デイトレードは避けるべきでしょう。

  • 本業が忙しい人
  • 勉強嫌いの人
  • 極端に損失を嫌う人

デイトレード時間中は、値動きや経済ニュース、チャートを見ながら、値動きに目を光らせていることが必要です。そのため、兼業でできるものではありません。また、デイトレードはギャンブルではありません。チャートの値動きや、経済指標の発表内容の見方などを勉強すれば、トレードの勝率は高まって行くでしょう。そのため勉強嫌いの人は、デイトレードは向いていません。

さらに、自分の想定外の値動きが生じたら、明確な根拠がない限り、持っているポジションは早めに解消することが大切です。このようにある程度、損失に対して割り切った考え方が求められることから、損失を極端に嫌う人も、デイトレード向いていないでしょう。

デイトレードがしやすいFX会社を選ぶコツ

デイトレードがしやすいFX会社を選ぶコツ
図:取引画面はイメージです

FXでデイトレードをするなら、以下の3つを備えたFX会社を選びましょう。

  • スプレッドが狭いものを選ぶ
  • 約定率が高いものを選ぶ
  • 取引ツールが使いやすいものを選ぶ

各要件について具体的に紹介していきます。

スプレッドが狭いものを選ぶ

スプレッドが狭いものを選ぶ

スプレッドとは売値と買値の差額のことで、FX取引にかかる実質的な取引コストにあたります。デイトレードは取引の頻度が多く、取引コストの負担が高くなりがちなので、なるべくスプレッドが狭いFX会社がおすすめです。

約定率が高いものを選ぶ

約定率が高いものを選ぶ

約定率とは、投資家が希望通りの価格で注文できる確率のことです。自分の指定した金額で取引が成立しなかった、あるいは、自分が指定した金額よりも高い値段で買い付けてしまうようなことがあれば、FXの損益に直結してくるでしょう。

FXでデイトレードをするなら、FX会社の約定率の高さも重要なポイントです。

取引ツールが使いやすいものを選ぶ

デイトレードは、購入に適したタイミングを見計らって注文をします。しかし、利用しているFX会社の取引ツールが使いにくいと、購入のタイミングを逃してしまったり、購入する数量を誤ったりするかもしれません。

取引ツールの使いやすさも、デイトレードの損益にかかわる重要な問題なので、自分の使いやすい取引ツールを用意しているFX会社を選びましょう。

まとめ

FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴を説明

FXのデイトレードは、数時間から1日までの期間で取引をする取引スタイルで、ポジションを翌日に持ち越さない取引手法です。デイトレードは、スキャルピングやスイングトレードと似ていますが、取引頻度やリスクの面で違いがあります。

FXのデイトレードは取引頻度が多いので、小さなミスが大きな損失につながりかねません。FXでデイトレードを検討している人は、スプレッド、約定率、取引ツールの使いやすさを基準にFX会社を選びましょう。