
豪・NZ準備銀行の金融政策の状況次第も、保合が続きそう?
※本記事は2024年12月末時点に作成しております。文中の内容は作成時点の情報に基づくものとなっております。
【2024年の豪ドル/NZドル相場】
2024年の豪ドル/NZドル相場は、豪準備銀行とNZ準備銀行の金融政策を睨みながら、昨年11月に4.35%まで引き上げた政策金利を豪州準備銀行が据え置き続けたことで、比較的豪ドルが堅調な推移となりました。
豪ドル/NZドル相場は、年初1.0832からスタートもNZ準備銀行が、2023年に5.50%まで引き上げた政策金利を据え置いたことで、1.0571まで下落しました。
ただ、NZ第4四半期が2期連続でマイナス成長となったこと、原油高の追い風もあって豪ドル/NZドル相場は1.1035まで反発。その後は豪州の第1四半期GDPが前期比で0.1%に留まり、CPIも1%台まで低下したことから、1.0732まで下落しました。
この位置からは、豪州の第2四半期GDPが持ち直したことなどから1.1153まで反発、ただ、原油価格が軟調な展開となり1.0793まで調整しましたが、NZ準備銀行が遂に8月の会合で利下げを決定、10月に0.50%、11月にも0.50%と連続大幅利下げを実施。さらにNZのGDPが、第2・第3四半期ともマイナス成長となったことで景気後退入りそました。その一方で7年ぶりに豪中対話が再開、豪中貿易の活性化の期待感に加えて、豪労働参加率や就業率が過去最高を記録、金価格の最高値更新も加わり、1.1181まで強い上昇となりました。
ただ、接戦が伝えられた米大統領選ではトランプ氏が勝利、早々中加墨に対して関税を引き上げると表明、再び米中貿易摩擦の懸念が持ち上がり、豪ドル・NZドル相場は、1.0943まで調整も、底堅い位置で取引を終了しました。

【2025年の主な材料】
以下が現在、判明している2025年のイベントや材料です。注目度の高いものは太字で表示しています。ただ、あくまで予定で、変更されることがあります。

リポートの作成時点では、情報量が少ないのは残念ですが、やはり年初から大注目となるのは、1月20日からスタートするトランプ次期政権です。トランプ氏は、既に追加関税など多くの発言をしていますが、就任当日から多くの「大統領令」に署名する見通しです。その内容次第では、市場を大きく混乱させることは間違いなさそうです。トランプ氏の政策に関しては後述しますが、2025年の相場を考える上で、特に注意を払っておく必要があるでしょう。
また、2024年は「選挙の年」でしたが、2025年にはあまり大きな選挙はありません。ただ、ショルツ独首相の連立政権が崩れたことで、2月には独連邦議会選挙が、前倒しで実施されます。2024年、世界各国で与党勢力がことごとく選挙で敗退しています。この潮流は止まりそうもありません。保守派与党のキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)が大敗するようなら、大きな混乱を招きそうです。その場合ユーロ相場の圧迫要因となることは留意しておきましょう。
一方日本では、7月に参議院選挙と東京都議会選挙が行われます。都議会選挙の影響は直接的にはありませんが、昨年の解散衆議院選挙では、裏金問題などから自民・公明両党が過半数を割れたことで、日本の政局も混乱しています。一部では衆参同時選挙の可能性も指摘されていて状況次第では、再び自公連立が過半数を維持できない可能性もありそうです。その場合石破総理の総理存続も難しくなりそうです。金融面では政局不安が、株価に悪影響を与えるでしょう。為替に対する影響は不透明としても、通常なら株価の下落がリスク・オフの円買いにつながる可能性を考慮しなければなりません。ただ、もしこれが株安、債券安、円安と「トリプル安の日本売り」に繋がるなら大惨事となりそうです。2025年は日本の政局にも注意を払っておきたいと思います。
その他では、1月から再び米国の債務上限の期限を迎えます。この問題は、12月13日現在あまり話題となっていませんが、恐らく年内に延長され直ぐには問題にならないでしょう。ただ2025年初頭には再び大きくクローズ・アップされる可能性があり、問題が長引けば米国債の格下げのリスクとなります。毎年のことで若干食傷気味の話題ですが、特に2025年はイーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」がスタートします。「小さい政府」を目指す共和党が、本当に米国の財政問題を解決できるのか、それとも混乱につながるのか注視しておきましょう。
また、欧州関連では、7月からブルガリアが、通貨ユーロを導入する予定を表明しています。現在の情報ではまだ確定しているわけではありませんが、もし今後決定するようなことがあれば、ユーロを取引する場合には注意が必要です。EUの参加国が、新たにユーロを導入する場合、導入日に一気に通貨が変更されます。ブルガリアの場合、元来2025年から予定されていましたが、7月1日に一旦延期されたようです(過去の通例では1月1日に導入するのが基本)。その場合6月末のコンバージョン・ファクター(交換率)によって、一気にブルガリア内の資産・負債が、ブルガリア・シフからユーロに代わります。つまり、ブルガリアの企業や個人などは、この変更によって大きな為替リスクを負うことになります。当然それを避けるために、事前にヘッジしようとうする行為が自然に行われると思います。つまり、ユーロ・シフ相場では、7月に近づくにつれてユーロ買いが増加しユーロを押し上げる形になります。
近年では、エストニア(2011年)、ラトビア(2014年)、リトアニア(2015年)、クロアチア(2023年)の導入時に、国の規模により影響度は限られますが、このような傾向がユーロ相場の動きに見えています。まだ2026年からの導入となる可能性がありますが、どちらにしても、もし決定された場合のユーロの動きにも注目しておきましょう。
加えて、近年では年初から大きく世界を変えるような事件や事象が起きています。2020年にはパンデミック、2022年はロシアのウクライナ侵攻、2024年は元旦から能登半島地震、年央からはイスラエルのガザ侵攻など金融市場に大きな影響を与える「リスク」が発生しています。2025年もそのような「ブラック・スワン」が起きるかは誰にもわかりません。起きて欲しくはないですが、奇しくも2025年はアストロ的に、太陽の黒点数がピークに達します。以下のチャートをご参考頂きたいのですが、太陽の黒点の数は、約11年周期で増加・減少を繰り返しています。そして増加のピークと減少のピーク時(半期)には、ぴったりではありませんが、過去ドル暴落、ブラック・マンデーやリーマン・ショックなど多くの金融ショックの発生と重なっています。これが2025-26年にピークをつけて、2031年まで減少過程に入ります。

特に黒点のピーク時は、太陽内で水爆の100万個分相当の爆発が発生し、太陽フレアによる電磁波が地球にも大きな影響を与えるとされています。それが地球を回る衛星を破壊・損失させたりすれば、GPSや通信、インターネット回線や携帯端末に過大な影響を与えるかもしれません。それが世界的に発生した場合、どういった混乱となるか恐ろしい気がしますが、特に金融関連で考えるとインターネットやコンピューターを取引の基盤としている「仮想通貨取引」に大きな影響を与えるかもしれません。それでなくても異常な高値となっていて危険ゾーンにあるような気がしますが、2024年、10万ドルを超えたビットコイン相場が暴落でもすれば、その影響は世界的な資産クラッシュの動きにつながりそうです。
またこれは蛇足ですが、日本の干支をベースとした相場格言に、「辰巳天井」という言葉があります。これは辰年と巳年の間に株価が大きなピークをつけて、下落相場に転換するというものです。日本の格言が米国や海外株式市場でも適応されるかは疑問も多いですが、辰年の2024年のNYダウやナスダック指数、日経平均株価の歴史的な高値更新やこの黒点のピークと合わせて考えると2025年、大きな金融ショックが起きる可能性も捨てきれません。悲観的過ぎるかもしれませんが、少なくとも近年は、温暖化の影響もあってか、自然災害、加えてウクライナや中東紛争などの世界的な軍事紛争が続き、自然・地政学リスクが市場の混乱につながっています。2024年7月13日に起きたトランプ氏の暗殺未遂と共に考え合わすと、トランプ氏が神がかり的に生還し、更に大統領選で勝利するという運命の不思議が、2025年以降の世界の分かれ目となるのかもしれません。
あくまで個人的な妄想ですから、信じて頂く必要はありません。ただ、それでなくとも、自然災害や紛争、金融リスクは突発的に起こることで、準備することはできませんが、常にこういったリスクも念頭に入れて、相場に臨む姿勢を維持しておいた方が得策かもしれません。
【2025年の注目点】
2024年の相場環境を踏まえて、2025年の豪ドル/NZドル相場の注目点をまとめてみました。
- 豪準備銀行の今後の金融政策
- NZ準備銀行の今後の金融政策
- 豪とNZの景況感
- 金利差との連動性
〇 豪準備銀行の今後の金融政策
豪準備銀行は、2023年に政策金利を4.35%まで引き上げた後は、2024年を通して、据え置きを継続しました。
2024年12月の会合での声明では、「基調的なインフレ率は約3.5%で、インフレ目標の中間値2.5%からはまだ遠い」、「インフレ率が目標の中間値に持続的に回復するのは2026年まで見込まれていない」、「理事会はインフレ圧力が最近の予測に沿って低下していることにある程度自信を深めているがリスクは残っている」と示されています。
また、ブロックRBA総裁は、「インフレ上昇リスクは緩和しているが、消え去ったわけではない」、「金利引き下げも引き上げも議論せず」、「2月に金利を引き下げるかどうかは分からない」と発言しています。
豪州準備銀行は、インフレ・ターゲットを「2-3%」としています。第3四半期の消費者物価指数の総合は、前期比で0.2%となっています。豪州準備銀行の声明は、基調インフレは、3.5%として、2026年まで中間値に戻らないとしていますが、どうも警戒感が強いようです。後述する豪州のGDPでは、弱い状況が見えています。2025年は、利下げモードに入る可能性が高いと見ています。
この点は、今後もデータ次第ですが、毎回の会合、声明や議事録(会合2週間後)の内容をチェックしながら、豪ドル/NZドル相場の展開を見て行く形となりそうです。
以下が2025年の豪州準備銀行の政策金利公表予定です。(議事録の公表日)
02月18日(03月04日)
04月01日(04月15日)
05月20日(06月06日)
07月08日(07月22日)
08月12日(08月26日)
09月30日(10月14日)
11月04日(11月18日)
12月09日(12月23日)
〇NZ準備銀行の今後の金融政策
NZ準備銀行は、2023年5月に政策金利を5.50%まで引き上げていましたが、2024年に入って、8月に0.25%の利下げ、10月と11月に連続0.50%引き下げ、現在は政策金利を4.75%としています。
11月最後の会合の声明では、「経済状況が予測どおりに推移し続ければ、2025年初めにOCRをさらに引き下げることができると予想」、「2025年末時点の政策金利見通しは3.6%」、「2026年末時点の政策金利見通しは3.2%」としています。
また、オアNZ準備銀行総裁は、「フォワード予測は2月の0.50%利下げと整合性がとれている」、「軌道は8月よりも急激な金利低下を示唆」、「政策金利は、2025年末までに中立水準近辺に達する見通し」とコメントしています。
2025年末の金利見通しが3.2%ということは、2025年更に1.55%程度の利下げが実施される計算となります。
2025年も毎回の会合、声明や総裁発言をチェックしながら、豪ドル/NZドル相場の展開を見て行く形となりそうです。
(2025年のNZ準備銀行政策金利公表予定)
02月19日+オア総裁会見
04月09日
05月28日+オア総裁会見
07月09日
08月20日+オア総裁会見
10月08日
11月26日+オア総裁会見
〇 豪州とNZの景況感
豪州とNZの景況感は、両国ともあまり良い状況ではありません。
以下の豪州とNZの四半期GDPや物価指数の比較チャートをご覧ください。

両国とも2022-23年にインフレの高まりから政策金利を大きく引き上げましたが、その影響もあって、家計や企業の負担が増大、消費や投資の減少につながっています。
また貿易取引で関係の深い、中国の景気減速も悪い影響を与えています。

両国のGDPや物価指数は下落傾向を鮮明にしています。この状況下では、豪州は2025年利下げをスタート、NZは2025年も2024年同様利下げスタンスを継続するでしょう。特にNZでは、以前の過熱した不動産投資ブームから、不良債権の増加が懸念されているようです。その場合、やはり豪州よりNZの利下げペースが速くなりそうです。豪ドル/NZドル相場の下支えとなるか注目しましょう。
〇金利差との連動性
以下、豪州準備銀行とNZ準備銀行の政策金利差と豪ドル/NZドル相場を比較したチャートです。

過去、比較的連動してきましたが、2015年中盤からは、豪金利高が拡大しているにも関わらず、豪ドル/NZドル相場は安値圏で放置されています。
この要因に関しては、豪州経済に大きな影響を与えていた「鉱業ブーム」の終焉が指摘されています。当時のトランプ大統領が、関税強化などで対中政策を強化したこともありますが、中国に多く輸出していた鉄鉱石や石炭の価格が大幅に下落したことで、鉱業セクターの投資が減少。豪州経済成長に悪い影響を与えたことで、豪ドル/NZドル相場を圧迫したようです。現在は若干ですがこの連動性が戻ってきています。2025年は前述の通り豪準備銀行、NZ準備銀行ともに利下げスタンスとなると思われますが、NZ準備銀行の見通しから見ると、豪州とNZの金利差は拡大しそうです。この点も着目して見ても良いかもしれません。
【テクニカル面】
≪豪ドル・ドル≫
まず、豪ドル/NZドル相場を形成する、豪ドル/ドル相場の月足からチェックしておきましょう。

豪ドル/ドル相場を大きく見ると0.4775の史上最安値から上昇が、1.1083で史上最高値をつけた後は、0.5510で下ヒゲを描いて、0.8008で反発を抑えられて再調整気味です。
特に上値は、0.8136-と0.8008がダブル・トップ気味となっており、この位置はフィボナッチ・リトレースメント(0.4775-1.1083と0.5510-1.1083)のほぼ半値の位置と合致しています。直近のレジスタンスからは、0.6942が押さえると下段のスロー・ストキャスティクスも反転下落を示していて、弱い状況が続きそうです。0.7158、0.7284、0.7662と順次戻り高値を超えて、再度この0.8136-と0.8008が視野となりますが、総じて1.083の高値のネック・ライン的な位置で上抜けは難しそうです。ただ、超えると強気となり、0.8542から8.6661、0.9505を越えて、パリティが再視野となる形です。
一方下値は、0.6171-0.6270の戻り安値圏割れるとマイナスで、サイコロジカルな0.60前後、更には長期サポートとなる0.57前後までのターゲットとなりますが、維持できれば良いですが、リスクは0.5510の安値を割れるケースとなります。
従って、2025年の豪ドル/ドル相場は、狭めにしましたが、想定レンジを0.6000から0.7000とします。
≪NZドル・ドル≫
次に豪ドル/NZドル円相場を形成する、NZドルの対ドル相場を月足からチェックしておきましょう。

最安値の0.3898からの上昇を、0.8842と0.8838でダブル・トップをつけて、その後の下落が0.3898と0.4895の安値から結んだ長期のサポートを割り込み0.5469の安値まで一時下落もこれを維持して反転が、0.7465で抑えられる形となっています。
上値は0.8838から0.7465で形成されたレジスタンス圏が押さえると、下段のスロー・ストキャスティクスが下降気味であり、弱い状況となりそうです。この位置は0.6380から0.6538の戻り高値圏で合致すると見られます。超えて0.70のサイコロジカル、0.7035、0.7219、0.7316の戻り高値が視野となりますが、水色のゾーンは、ダブル・トップのネック的な位置となっており、0.7465や0.7560を越えるまでは、上昇期待は厳しいでしょう。
一方下値は0.5608の戻り安値や0.5512が維持されると、どうにかサポートの維持が出来そうですが、0.5469の下ヒゲを割れるとサイコロジカルな0.5000、0.4895の戻り安値まで割れると0.4483や2000年10年の最安値となる0.3838までターゲットとなります。
従って、NZDドル/ドル相場の2025年の想定レンジを、0.5500から0.6500とします。
≪マトリックス・チャート≫
以下は豪ドル/ドル相場とNZドル/ドル相場の想定レンジから、マトリックス・チャートです。

豪ドル/ドルの想定レンジを0.6000~0.7000、NZドル/ドルの想定レンジを0.5500~0.6500としましたので、これから算出された豪ドル/NZドル相場の最大想定レンジは、1.0000から1.2909となりますが、広すぎることから1.0556から1.1780を適正レンジとして想定します。
≪豪ドル・NZドル≫
次に豪ドル/NZドル相場ですが、2020年の3月の0.9994の安値は、コロナウィルスのリスク回避で、世界的に株価が急落した時の動きですので、オーバー・シュートと見なすと、総じて1.1680と1.1490の高値と、1.0020から1.0203での保合相場が続いています。

このレンジの中、下段のスロー・ストキャスティクスが現状反転しており、下値は、上昇サポートとして、1.0791やこの保合レンジのほぼ中心となる1.0742などが維持できると強い形が想定されます。ただ維持出来ない場合、1.0687や1.0620の戻り安値から1.0560を割れるとサイコロジカルな1.0500、1.0471を割れると1.0316-55、1.0203を割れると、1.0020の下ヒゲ、パリティが再度視野となりますが、維持されると見通しです。リスクは歴史的な0.9994の安値を割れるケースとなります。
一方上値は、1.1181の戻り高値を超えて、1.14前後のレジスタンス、1.1490の上ヒゲや1.1680を越えて、強気となり、1.1834や1.20がターゲットなります。
【予想レンジと戦略】
それでは以上を踏まえて、豪ドル/NZドル円相場の2025年の見通しと戦略についてお話します。
2025年の豪ドル/NZドル円相場の想定レンジを1.0500から1.1500とします。
≪戦略の前提としては≫
・基本は2025年も保合が続くことが前提となります
・スロー・ストキャスティクスの展開やサポートの形成からは、押し目買いが基本と見ます
・NZ準備銀行と豪準備銀行の政策金利に関しては、大きく開く可能性は低そうですが、NZ準備銀行の利下げペースが早かったことで、豪州準備銀行が金利を下げ始めた場合は、買い戦略は若干注意が必要となりそうです
・オセアニア圏は、地政学リスクで資金の流入が続いていますが、自然災害のリスクには注意です。豪州では、過去山火事や干ばつ、洪水などの自然災害が多発しています。一方NZは、やはり近年高まっている火山噴火や地震のリスクです、そういった場合に、総じて資金が流出する可能性があることは注意してください
・オセアニア通貨は、7月の新財政年度のスタート期に、流れが変わることがあるので、その点も注意してください
・尚、豪ドル/NZドル相場は、2014年から10年近くレンジ的な保合相場を続けています。この保合をブレイクした場合、何かドラスティクな変化が発生している可能性もありますので、その場合相場に逆らわない方が良いでしょう
≪具体的な戦略≫
基本的な中期スウィング・トレードの戦略としては、保合気味ながら買い狙いから入ります。まずは1.0800前後のサポートを睨んで買い場を探します。ただ、サポートも割れるケースもあるかもしれません。買った場合、1.0560割れで止めるか、1.0471割れをストップとして買い下がる形も想定しましょう。恐らく保合の継続なら、利食いは可能かと思います。またストップをつけても、1.0203割れをストップ、またはパリティ方向への下落も買い直しを検討しましょう。この場合のストップは0.9994割れとなります。
一方上値は、1.0800前後の買いがワークした場合も、更に買い下がっても、1.1181が押さえてしまうと利食いですが、超えるなら1.1490を睨んだ対応です。超えても1.16980までは利食いを優先しましょう。
またこの1.1490-1.1680ゾーンでは売り狙いも検討しますが、超えるなら止めておきましょう。売った場合のターゲットは、前述のサポートが維持されるなら利食いを優先しましょう。
以上、テクニカルやファンダメンタルズ面からシナリオをたてましたが、ひとつの例として考えてください。この通りとなるほど、相場は簡単ではありません。あくまで私個人の35年来の経験則から想定したイメージ的なものですので、ご理解頂ければ幸いです。