雇用統計の結果

非農業部門雇用者数

8月4日(金)に発表された7月の非農業部門雇用者数は予想20万人に対し結果18.7万人でした。

(出典:労働省)

内訳的にはヘルスケア(+6.3万人)、社会福祉(+2.4万人)、金融(+1.9万人)などが積極的に採用活動を行いました。その一方で鉱業、石油・天然ガス、製造業、小売、運輸、情報、政府部門の雇用は増えませんでした。

失業率

7月の失業率は予想3.6%に対し結果3.5%でした。

(出典:労働省)

失業率は過去最低水準に迫っており米国の景気が強いことを物語っています。

平均時給

7月の平均時給は+14¢(+0.4%)の$33.74でした。

(出典:労働省)

過去12か月で平均時給は+4.4%上昇した計算になります。賃金インフレは全然収まる兆候を見せていないのです。

米国連邦準備制度理事会(FRB)は賃金インフレをとりわけ警戒しています。賃金インフレはクセになるからです。このことからFRBは利下げに対して慎重な態度を取ると思われます。

投資戦略

今回の一連のデータを見た感じでは9月20日の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げは見送られるものの、11月1日のFOMCではもう一度0.25%の利上げが敢行される可能性が大と思われます。そのシナリオでは利下げは少なくとも2024年の7月頃までお預けになると覚悟する必要があります。

言い直せば、投資家が待ち望んでいる利下げはまだ1年近くも先であり、落胆した投資家が株式に対して弱気になるリスクがあります。