FXとは何?初心者に向けて仕組みや魅力・リスクをわかりやすく解説

FXを始めたいけれど、仕組みがよくわからないため迷っている人はいませんか?

FXは少ない資金で大きな取引ができる他、平日はほぼ24時間取引ができるため、自分のライフスタイルにあった時間帯を選んで取引を始められるといったメリットがあります。しかし、一方でリスクもあります。この記事では、FXで利益が狙える仕組みや、FXのメリット・危険性について解説しています。これからFXを始めたいとお考えの人はぜひ最後までお読みください。

FX(外国為替証拠金取引)とは

FXとはForeign Exchangeの頭文字をとったもので、外国為替証拠金取引のことを指します。FXは外貨に投資をする金融商品で、株式や投資信託よりも投資対象が少ないため商品が選びやすく、24時間取引ができることから、投資初心者におすすめです。

FXの基本的な仕組み

FXは2つの通貨を交換することで利益を狙う仕組みです。例えば1ドル100円のときに100円で1ドルを購入、1ドル101円になったタイミングで1ドルを円に交換すれば1円の利益になります。逆に1ドル99円になったタイミングで1ドルを円に交換すると1円の損失となってしまいます。こうした取引を繰り返して利益を狙うのが、FXの基本的な仕組みです。

関連記事:【図解あり】FXの仕組みを詳しく解説|利益の出し方やレバレッジ取引

FXで得られる利益の種類

FXで得られる利益には「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」の2種類があります。FXにおけるキャピタルゲインとインカムゲインとはどのようなものか紹介します。

キャピタルゲイン(為替差益)

キャピタルゲインとは資産を売買することで生じる利益のことです。

例えば株価3,000円のときに購入した株式の株価が、4,000円に上昇したタイミングで売却した場合、「1,000円のキャピタルゲインが得られた」と言います。

FXの場合であれば、1ドル100円のときにドルを買い、101円になったときにドルを売却した場合、「1円のキャピタルゲインが得られた」ことになります。これがFXにおけるキャピタルゲインにあたります。

キャピタルゲインは選んだ商品によっては、短期間で大きなリターンを狙える可能性がありますが、資産価格が想定とは異なる方向に動くと損失になる可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

インカムゲイン

インカムゲインとは資産を保有することで生まれる利益のことです。

例えば株式投資では株主となっている企業が利益を出した場合、その利益の一部を「配当金」として現金で分配する場合があります。配当金は必ず支払われるとは限りません。株式という資産を保有している限り、定期的に受け取れる可能性があることからインカムゲインに分類されます。

FXではスワップポイントがインカムゲインにあたります。スワップポイントとは金利差調整分のことで、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ることで毎日のように得られる利益のことです。

インカムゲインは定期的に収益を得られる点や、資産価格の変動をさほど頻繁にチェックしなくても収入が得られるメリットがあります。

しかし短期的に大きなリターンは期待できないうえ、定期的に必ず収入が得られるとは限らない点はデメリットです。

FXの魅力

FXはレバレッジを利用することで、少ない資金で大きな取引ができる他、平日であればほぼ24時間取引ができます。こうしたFXの魅力について、以下詳しく紹介していきます。

レバレッジ取引で資金以上の取引ができる

レバレッジとは日本語で「てこの原理」という意味があり、FXでは少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みのことを指します。例えば自己資金が10万円の場合でも、レバレッジを10倍とすれば100万円の取引が可能です。

なお日本国内の金融商品取引業者は、レバレッジが最大25倍に制限されています。

具体的には、1ドル140円で米ドル1,000通貨を購入しようとすると、本来14万円の資金が必要ですが、レバレッジを25倍にすれば5,600円の資金で米ドル1,000通貨を購入できます。

レバレッジについてより詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
FXのレバレッジ取引とは?現物取引との違いや特徴をわかりやすく解説

24時間いつでも取引ができる

FXは土日や、海外の祝日を除いた平日であればほぼ24時間取引ができます。これは東京市場が閉まっている時間はロンドン市場やニューヨーク市場が取引を行っているなど、世界のどこかの外国為替市場で、ほぼ絶えず為替取引が行われているためです。

FXは平日であればほぼ24時間取引ができるため、日中は仕事や家事で忙しくてトレードできない人でも、夜に落ち着いて取引ができます。自身のライフスタイルに合わせて、取引できる時間帯が選べる点はFXのメリットと言えるでしょう。

FXの取引時間帯について、より詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
FXの取引時間帯の特徴|初心者におすすめするタイミングや注意点を説明

FXの危険性

FXは元本割れするリスクがある金融商品です。失敗して大きく資産を減らすリスクを抑えるために、FXの危険性についても知っておきましょう。FXの主なリスクとして以下の4つが挙げられます。

  • 相場の急変動
  • レバレッジによる大きな損失
  • ロスカット
  • スリッページ

各リスクについて詳しく解説します。

相場が急変動して大きな損失が出る可能性がある

FXは相場が急変動する場合があります。プラスに作用して大きな利益が出る場合もありますが、逆に大きな損失が出る可能性もあるため注意が必要です。相場の主な急変要因として、以下のようなものがあります。

  • 重要な経済指標の発表(特にアメリカのCPIや雇用統計)
  • 要人発言(各国首脳の発言など)
  • 各国中央銀行の政策金利の発表
  • 戦乱や天災といった地政学リスク

上記のうち地政学リスクは予測できませんが、それ以外はほとんどの場合、発表される日程があらかじめ決まっています。不安な人は、こうした急変要因の日程をチェックしておき、近づいてきたらポジションを持たない、あるいは減らすことも検討しましょう。

レバレッジ取引で大きな損失が出る可能性がある

レバレッジをかけると少ない資金で大きな利益が狙えますが、逆の値動きをした場合の損失も大きくなる可能性があります。過度なレバレッジで損失が拡大しないように、初心者のうちはレバレッジ1~3倍、慣れても10倍程度にとどめてトレードをしましょう。

ロスカットで証拠金を失う可能性がある

ロスカットとはFXの損失が一定水準に達し、FX会社ごとに定められた証拠金維持率を下回った場合に保有しているポジションがすべて強制決済される仕組みのことです。証拠金維持率は、有効証拠金額÷必要証拠金額×100で計算します。

また所定の証拠金維持率を下回ると、ロスカットになる前に追加証拠金の差し入れを求めるFX会社もあります。この場合、期限までに追加証拠金を差し入れるか、ポジションの全部、あるいは一部を決済するなどの方法で解消できないとロスカットとなります。

ロスカットになると多くの証拠金を失う可能性があるため、為替変動リスクが大きくなる高レバレッジの取引や、高金利通貨でのトレードは特に注意しましょう。また証拠金維持率は自身で計算しなくても、一般的にトレード画面で確認できるため、定期的にチェックしておくことが大切です。

スリッページの発生で利益が減る可能性がある

注文時に指定したレートと、実際に約定したときのレートがズレてしまうことをスリッページと言います。スリッページが起こるのは、為替レートの値動きのスピードが早く、注文時の情報がFX会社のサーバーに届くころには為替レートが変わってしまう場合があることが主な原因です。

スリッページが利益になるケースもありますが、自身で指定した価格で取引できない点はリスクと言えるでしょう。

スリッページは、値段を指定せずにそのときの為替レートで注文する「成行注文」で起こります。スリッページを避けたい人は、価格を指定して注文する「指値注文」や「逆指値注文」を活用しましょう。

またFX会社によっては、許容できるスリッページの指定が可能で、それを超えるスリッページが生じたときは取引を不成立にできる「許容スリッページ」を設定できるFX会社もあります。

関連記事:FXに潜む危険性5つ|対策やFX取引で失敗しないコツ

FXで1日5,000円を稼ぐ方法

FXで1日5,000円を稼ぐのは難しいことですが、不可能ではありません。ここでは1日5,000円稼ぐ方法を、トレード手法別に紹介します。

関連記事:FX初心者が1日5,000円の利益を狙える?手順やコツ・注意点

スキャルピング

スキャルピングとは、発注してから数秒~数分単位で決済するトレード手法です。短時間で何度も売買をして利益を積み重ねていくトレード手法のため、常にFXのチャートを見て取引ができて、売買や決済のタイミングを素早く判断できる人に向いています。

仮に1,000通貨で10pips※1値動きしたときの利益は100円のため、5,000円を稼ぐためには50回同様のトレードを繰り返す必要があります。一方、1万通貨で取引をした場合、同じトレードでも5回取引をすれば5,000円になります。そのため資金が少ない人は、トレード頻度を多くして利益を積み上げる必要があります。しかし大きな資金がある人は少ないトレードでも1日5,000円は狙えます。

また、リスクはありますが、自己資金が少ない場合はレバレッジをかける方法もあります。

※1 pips…FX取引で使用される各通貨の共通単位のことです。対円通貨は1pips=0.01円(1銭)、対外貨通貨ペアは1pips=0.0001外貨となります。

関連記事:FXのスキャルピングとは?メリットやデメリット・成功するやり方

デイトレード

デイトレードとは発注してから数時間程度で決済し、ポジションを翌営業日に持ち越さないトレード手法です。

スキャルピングよりも取引回数は少なくなりますが、例えば5,000通貨でトレードした場合は100pips、1万通貨でトレードをした場合は50pips値動きすれば1回のトレードで1日5,000円を狙うことは可能です。

デイトレードはスキャルピングほど1日あたりの取引頻度は多くありません。しかし当日中にポジションを解消する必要があるため、利益が出ていても損失が出ていても、ポジションを解消できる決断力のある人がデイトレードに向いています。

デイトレードで1日5,000円を稼ぐためには、取引頻度が少ないため1トレードあたりの利益額をスキャルピングよりも増やすことが必要です。したがってスキャルピングよりも多くの資金を準備するか、レバレッジを上げる必要があるかもしれません。

関連記事:FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴

スイングトレード

スイングトレードとは数日から数週間の期間を目安にポジションを保有し、大きな利益を狙うトレード手法です。そのため1日5,000円を稼ぐためには、スワップポイントで利益を狙う必要があります。

例えば米ドル円で1万通貨あたりのスワップポイントが1日190円だったとすると、約27万通貨保有していればスワップポイントで1日おおよそ5,000円を稼ぐことは可能です。

ただし27万通貨を購入するためには、1ドル140円の場合3,780万円の資金が必要です。レバレッジ25倍にしたとしても約151万円が必要な計算になるため、初心者にとってはあまり現実的ではないかもしれません。

スイングトレードは日々のスワップポイントも獲得しながら、ゆっくり利益を狙いたい人に向いています。

長期トレード

長期トレードは、スイングトレードよりも長期間ポジションを保有して大きな利益を狙うトレード手法です。基本的な考え方はスイングトレードと同様で、1日で5,000円を稼ぐためにはスワップポイントで利益を狙う必要があります。そのため長期トレードの活用も大きな資金が必要で、初心者にとっては現実的ではないかもしれません。

長期トレードも日々のスワップポイントも獲得しながら、スイングトレードよりもさらにゆっくり時間をかけて、大きな利益を狙いたい人に向いています。

初心者によくあるFXの失敗例

初心者によくあるFXの失敗例をまとめてみました。

  • 損切りができない
  • 勘に頼って取引をする
  • 高レバレッジで取引する
  • 常にポジションを持ちたがる
  • 多くの通貨ペアを持ちたがる

最も多いのは、含み損が発生したときに「いつか上がるだろう」という思い込みから、さらに損失を拡大させてしまう失敗例です。初心者はまず取引をする前に、仮に予想と反対の方向に為替レートが動いたら、どこまで損失が出たら損切りをするかという「損切ライン」を明確に決めて、確実に実施することを心がけましょう。

その他、初心者によくあるFXの失敗例についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事が参考になります。
FX初心者によくある失敗事例7選|失敗の回避方法や注意点をわかりやすく説明

まとめ

FXで利益を狙うためには、為替差益とスワップポイントという2つの方法があります。またFXはレバレッジによって少ない資金でも大きな取引ができる、24時間取引ができるというメリットがありますが、相場の急変動やロスカットによって損失が出るなどの危険性もあります。FXを始める際は、メリットと危険性を十分理解して自身に合ったトレード手法を選ぶことが大切です。

自身に合ったトレード手法がなかなか見つからないという人は、FX自動売買の活用を検討してみましょう。インヴァスト証券のトライオートFXはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・継続的に売買が繰り返されます。すでに用意されているトレードルールを選ぶだけで、すぐに自動売買を始めることもできます。

またAIを活用したFX自動売買システム「マイメイト」は過去のトレードをエージェントというキャラクターに学習させ、学習内容をトレードに反映させる仕組みです。マイメイトもあらかじめ実績や、勝率などを確認して選ぶことで自動売買が始められるため、初心者でもすぐに運用ができます。