FX初心者によくある失敗事例7選|失敗の回避方法や注意点をわかりやすく説明

FX取引で失敗をして悩んでいませんか?FXは、初心者ならではの失敗例がたくさんあります。この記事では、FX初心者によくある失敗事例を7つ紹介し、その回避方法や注意点について解説しています。記事を読めば、失敗を克服してトレードの勝率が上がっていくでしょう。FX取引で失敗して悩んでいる、あるいはこれからFX始めたいけれど失敗したくないという人は、ぜひ最後までお読みください。

FXの失敗率|損失を出してしまったトレーダー割合は?

一般社団法人金融先物取引業協会の調査によると、FXにおける年間の利益がゼロ、またはマイナスだった人の割合は全体の39.7%になっています。つまり、FXの失敗率は約4割ということになります。

出典:外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査~調査結果報告書~2018年4月

FX初心者によくある失敗事例

FX初心者にありがちな失敗事例について、考えていきましょう、まず、一般社団法人金融先物取引業協会が調査した、FXで損失を出した理由、及びその割合は以下の通りです。

  • 損切りができなかったから(56.5%)
  • 根拠の薄い(またはない)取引をしてしまったから(37.7%)
  • 損切りのタイミングが早すぎたから(28.5%)
  • 自分に合った証拠金倍率を超えた倍率での取引をしてしまったから(15.0%)
  • 値段(外国為替レート)の確認(チェック)ができない環境にあった(または、確認できる環境だったが、確認していなかった)(11.0%)
  • その他(4.0%)

出典:外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査~調査結果報告書~2018年4月

上記の資料を参考に、FX初心者にありがちな失敗事例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 勘に頼って取引する
  • 常にポジションを持ちたがる
  • 高いレバレッジで取引する
  • スワップポイントを意識しすぎて為替差損が膨らんでしまう
  • 多くの通貨ペアに手を出す
  • 取引を行う時間を決めていない

以下、初心者にありがちな失敗事例とその対策について詳しく解説します。

勘に頼って取引する

勘に頼って取引をすると、損切りや利益確定の遅れにつながります。損切りが遅れれば損失が拡大し、利益確定が遅れればせっかくの利益が減少するどころか、損失に転じてしまう可能性があります。勘に頼った取引を避けるためには、取引ルールを決めることと、チャートパターンを覚えることが有効です。

対策:取引ルールを決める

取引ルールを決めておかないと、損失が発生しても「また戻るかも知れない」、利益が出ても「もっと利益が出るかも知れない」といった根拠のない期待で損失を拡大させたり、利益を逃したりしてしまいがちです。こうした失敗を避けるためには、あらかじめ取引ルールを決めて、なるべく自分の感情を排除したトレードに徹することが大切です。

【取引ルールの具体例】

  • 50pips利益が出たら利益確定する
  • 50pips損失が出たら損切りする
  • 1日1万円損失が出たら、その日はトレードしない など

対策:チャートパターンを覚える

ローソク足やテクニカル指標といったチャートを分析していると、過去と同じような値動きを示すことがあります。こうしたチャートパターンを覚えることで、ある程度将来の値動きを予測できるようになります。売買シグナルは、チャートパターンの中から見つける癖をつけ、勘に頼った取引はやめましょう。

<チャートパターン例>

  • 支持線・抵抗線
  • トレンドライン
  • ペナント
  • ウェッジ
  • トライアングル(三角保ち合い)
  • フラッグ
  • ダブルトップ、ダブルボトム
  • トリプルトップ、トリプルボトム
  • ヘッドアンドショルダー・トップ、ヘッドアンドショルダー・ボトム
  • ソーサートップ、ソーサーボトム
  • ボックス
  • スパイク
  • カップウィズハンドル

損切りができない

含み損が発生すると、FX初心者は損失を受け入れられず、いつか値段が戻ることを期待する傾向があります。しかし、損切りの遅れは、多くの場合、損失を拡大させる結果を招きます。

対策:逆指値注文を活用する

損切りができない人は、逆指値注文を活用しましょう。価格を指定する注文方法を指値注文といいますが、逆指値注文は、今よりも不利なレートを指定して売買する注文方法です。例えば、1ドル100円のときに買いの新規注文と同時に、95円の売りの逆指値注文を入れておきます。この場合、仮に急激な円高になったとしても95円で決済されることから、それ以上の損失を回避できます。

対策:OCO注文を活用する

損切りができない人は、OCO注文の活用も有効です。OCO注文をすると、2つの注文を同時に出し、一方が成立するともう一方の注文は自動的にキャンセルされます。売買の発注と同時に、利益確定の指値と、損切りの逆指値注文を入れておけば、損切りと、利益確定どちらにも対応ができます。

常にポジションを持ちたがる

初心者は、常にポジションを持ち続けたがる、「ポジポジ病」に陥りがちです。ポジポジ病は、損切りができない、短期間で大きく稼ぎたい、取引ルールが決まっていないといった人が陥る傾向があります。ポジションを1つ持っているときと、2つ持っているときを比べると、損失が発生したときのリスクは単純に2倍になります。ポジポジ病は、為替リスクを高めることになるので、直すことをおすすめします。

対策:トレードを記録・検証する

複数のポジションを保有するよりも、1つ1つのトレードの精度を上げていくことを心がけましょう。

手順としては、まず、新規注文をして成果が出なければ損切り、利益が出れば利益確定をして、トレードを一度完結させます。トレードを完結させた後は、トレードを記録し、売買タイミングを検証します。そして、検証した結果を次のトレードに生かすというサイクルを繰り返せば、トレードの精度は上がり、余計なポジションを保有することもありません。

高いレバレッジで取引する

レバレッジとは、「てこの原理」のことです。FXはレバレッジを利用することで、少ない資金で大きな金額の取引ができます。

例えば、1ドル100円の米ドル円の通貨ペアで、1万通貨分のドルを購入するとしましょう。レバレッジ1倍なら100万円の資金が必要ですが、レバレッジ25倍なら、25分の1の4万円で購入することができます。

しかし、レバレッジを高くすると、リスクも大きくなることを覚えておきましょう。仮に、1円円高になった場合、レバレッジ1倍の場合は100万円に対して1万円の損失が発生するため、1%の損失で済みますが、レバレッジ25倍の場合は4万円の資金に対して1万円の損失となり、25%の損失が出ることになります。

対策:低いレバレッジから始める

FX初心者はトレードの成功率が低い可能性があるため、高いレバレッジの取引をすると、多くの手元資金を失いかねません。勝率が上がるまでは、低いレバレッジでの取引を心がけましょう。

スワップポイントを意識しすぎて為替差損が膨らんでしまう

スワップポイントは、「金利差調整分」という意味があります。通貨ペアのうち、金利の低い国の通貨を売って金利の高い国の通貨を買うと、ほぼ毎日スワップポイントが受け取れます。しかし、逆に金利の低い国の通貨を買って、金利の高い国の通貨を売るとマイナススワップとなり、スワップポイントを支払わなければなりません。

南アランド円やトルコリラ円など、高金利通貨と円の通貨ペアで運用すると、ほぼ毎日大きなスワップポイントが受け取れます。しかし、高金利通貨は為替レートの値動きが大きいため、為替差損が発生する可能性があるため注意しましょう。

対策:買いタイミングを分散させる

100万円や200万円など、まとまった金額で一度に通貨を購入するのではなく、毎月2万円分ずつ通貨を購入するなど、購入タイミングを分散させると、平均購入単価が下がり、為替差損の危険を軽減できます。

多くの通貨ペアに手を出す

複数の通貨ペアを分散して保有するのは、リスクヘッジとしては有効です。しかし、ユーロ円やポンド円など、値動きの特徴が似ている通貨ペアを分散して保有しても、リスクヘッジの効果はほぼありません。やみくもに多くの通貨ペアに手を出している状態は、前述の「ポジポジ病」と同じです。多くの通貨ペアを保有してリスクヘッジをするために、各通貨の特徴を理解しましょう。

また、マイナー通貨は取引量が少なく、注文が通らなかったり、為替レートが大きく変動したりする可能性があります。

対策:初心者におすすめの通貨ペアから始める

メジャー通貨といわれる、取引量が多く流動性が高い通貨は、価格が安定しているうえ、取引コストにあたるスプレッドも狭い傾向があります。FX初心者は、メジャー通貨同士の通貨ペアから始めましょう。

おすすめ通貨ペアFX初心者におすすめの理由
米ドル円・日本とアメリカに関する情報は入手しやすい ・欧州時間やニューヨーク時間が重なる最も活発に取引される時間帯は、仕事で忙しい人でも参加しやすい
ユーロ円・日本とEUに関する情報は入手しやすい ・変則的な動きがなく、トレンドに素直に動く傾向がある
英ポンド円・日本と英国に関する情報は入手しやすい ・メジャー通貨の中でも価格変動が大きい通貨で、根強い人気がある

取引を行う時間を決めていない

FXは、平日や祝日ならほぼ24時間取引可能ですが、取引する時間帯ごとに特徴があります。

例えば、ニューヨーク時間が終わってから東京時間が始まる頃の時間帯は、市場参加者が少なく、流動性が低いことからスプレッドが拡大しやすい、注文が成立しないというデメリットがあります。

こうした取引時間ごとの違いを理解しておかないと、FXで利益を積み上げにくい間帯に貴重な時間を費やすことになってしまいます。

対策:時間ごとの特徴を理解する

効率的にFXで利益を積み上げるために、取引時間帯ごとの特徴を理解しておきましょう。初心者におすすめの取引時間帯は、以下の通りです。

  • 東京市場が取引開始となる9:00~10:00頃
  • ロンドン市場が始まる17:00頃
  • ロンドン市場とニューヨーク市場がどちらも取引を行なっている21:00~2:00頃

FXで失敗してしまう人の特徴

ここまで、FX初心者によくある失敗事例7つを紹介してきました。これらを踏まえると、FXで失敗する人の特徴は、以下の3つにまとめられます。

  • 短期間で大きく稼ぎたいと思っている
  • 損切りができない
  • 勘に頼ったトレードをしている

FX初心者のうちから、レバレッジを高くして短期で大きく利益を狙おうと考えている人は、FXで失敗する可能性が高いです。初心者のうちは、少額取引で地道に取引の勝率を上げていくことが大切です。

また、FX初心者は、小さな利益を積み重ねておきながら、たった1度の取引で損切りが遅れて大きな損失を出してしまいがちです。下落局面で「ここまで下がったからいつか上がるかもしれない」、上昇局面で「もっと上がるかもしれない」など、根拠のない勘に頼ったトレードはせず、取引ルールを決めてから取引することを心がけましょう。

FX初心者が守るべき3つのポイント

FX初心者が取引をするうえで守るべきポイントは3つです。

  • 余剰資金で行う
  • レバレッジ倍率を1桁(1倍〜9倍)までに抑える
  • 王道通貨ペア(米ドル/円やユーロ/円など)で取引する

各ポイントを詳しく解説します。また、最後のFX初心者におすすめのFX取引手法を紹介します。

余剰資金で行う

FXはリスクがある投資手法のため、生活費などをFXの投資資金に充てることは避けましょう。生活費を投資資金に充てると、仮に損失が出た場合に挽回しなければいけないという気持ちが生まれ、冷静な判断ができなくなる可能性があります。

FXは余剰資金で行うことが大切です。余剰資金は、以下の計算式で計算できます。

余剰資金={手取り収入-(食費・住宅費・光熱費・医療費といった「日々の生活に必要な資金」+車の購入、教育費など「近いうちに使い道が決まっている資金」)}

レバレッジ倍率を1桁(1倍〜9倍)までに抑える

高いレバレッジの取引は、強制ロスカットされやすくなるほか、冷静な判断がしづらくなるなどのデメリットがあります。初心者のうちは1~9倍のレバレッジで取引を行い、徐々に取引に慣れて勝率が上がってきたら、レバレッジの倍率も高くしていきましょう。

王道通貨ペア(米ドル/円やユーロ/円など)で取引する

流通量が少ないマイナー通貨は、値動きが大きく、国や通貨に関する情報が少ない傾向があります。そのため、値動きに関わる情報を収集しづらく、結果として損切りや利益確定の判断もしづらくなります。

FX取引に慣れていないうちは、価格変動が比較的小さく、テレビやニュースからの情報が多い、米ドルやユーロ、円などのメジャー通貨同士の通貨ペアがおすすめです。

自動売買ツールの活用もおすすめ

FXの自動売買ツールとは、あらかじめプログラミングされた設定に基づき、要件を満たすと自動的に売買を繰り返すツールです。自動売買ツールは、要件を満たせば自動的に売買してくれるため、子育てや仕事が忙しくてFXに時間を割くことができない人でも取引ができるというメリットがあります。また、人の感情が介在しないため、損切りや利益確定が遅れることもありません。

設定が難しいと感じるかもしれませんが、すでに設定済みの自動売買ツールも用意されているため、FXの取引経験がない初心者でも自動売買ツールは利用できます。

関連記事:FXの自動売買とは?メリットやデメリット・初心者向けのコツ

まとめ

FX初心者は特有の失敗をしてしまいがちですが、多くの失敗は、対策を立てれば回避可能なことばかりです。今回紹介した失敗事例に当てはまった人は、対策を今一度読み返して、改善に役立ててください。また、FX初心者は、長くトレードを続けるために、余剰資金で取引をする、レバレッジを抑えて取引をする、メジャー通貨で取引をするという3つのポイントを心がけて取り組みましょう。

FX初心者は、FX自動売買ツールを利用した取引もおすすめです。インヴァスト証券のトライオートFXは、あらかじめ用意された設定から自分にあったものを選ぶだけ。オリジナルの自動売買を作成することも可能です。取引コストにあたるスプレッドも業界最狭水準で、スマホアプリで簡単に操作ができます。