
友人や家族に「FXを始めたい」と話したら、「やめとけ」と言われた経験はありませんか。FXに対しては、「大損する」、「多くの人がすぐにやめる」などネガティブな印象を持つ人が多いようです。
そこで、この記事ではFXがなぜ「やめとけ」と言われるのか、理由を5つ紹介します。また、どのような人がFXに向いているのか、あるいは、やめたほうがいいのかについても解説しています。FXをやるべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
「FXはやめとけ」と言われるのはなぜ?
FXはなぜやめとけと言われるのでしょうか?主な理由を5つ挙げてみました。
- 投資=ネガティブなイメージが強いから
- 大きな損失が発生する可能性があるから
- チャートの確認をストレスに感じるから
- 利益を上げるには勉強する必要があるから
投資=ネガティブなイメージが強いから
FXに限った話ではありませんが、FXを含めた投資自体にネガティブなイメージがまだまだ持たれていることも理由のひとつです。
FXをよく知らずに、怪しい儲け話と勘違いしてしまった人が吹聴することでネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
収益が得られるとは限らないから
FXは確実に収益を得られる投資ではありません。
FXに関する知識を身につければ、勝率を上げることはできるでしょう。ただし、経済指標の発表内容や、急な要人発言の内容で、急激に想定外の値動きをすることもあり、常に収益を得られるとは限りません。
そのため、FX投資はネガティブにとらえられることがあるのです。
大きな損失が発生する可能性があるから
FXはレバレッジをかけられるため、大きな損失が発生する可能性があります。
レバレッジとは、少ない証拠金で大きな金額を取引できる仕組みのことで、日本のFX会社ではレバレッジをかけると、証拠金の最大25倍の金額を取引できます。
レバレッジを25倍に設定すると、仮に証拠金が100万円必要なトレードの場合でも、100万円÷25=40,000円でトレードが可能です。
このように、レバレッジをかければ少ない証拠金で大きな利益を得られますが、損失が発生した場合の金額も大きくなる可能性があると言えるでしょう。
チャートの確認をストレスに感じるから
FXは、24時間チャートを注視していなければいけないというイメージを持っている人もいます。
しかし、FXの取引手法の中には、スキャルピングなどを除けば24時間チャートを注視しなくてもよい取引手法もあります。
収益を得るためには勉強する必要があるから
FXで収益を上げるためには勉強が必要です。なぜなら、各通貨は各国の中央銀行の政策金利や景気の影響を受けたり、石油や食料資源、石炭などの資源価格の影響を受けたりなど、それぞれ特徴があるからです。
勉強したからと言って、100%予想が当たるわけではありません。しかし、こうした通貨の特徴さえ知らず、やみくもにトレードをしていては、勝率は上がらず損失が積み上がってしまうでしょう。
当然ですが、収益を得るために勉強が必要になるのは世の中の何にでも言えることです。FXに限った話ではありません。
関連記事:FX初心者によくある失敗事例7選|失敗の回避方法や注意点
FXをやめる前に知っておくべき3つのメリット
「周囲からFXはやめとけと言われた」、「FXで損失を出した」などの理由で、FXをやめようと考える人もいるかもしれません。しかし、本当にFXをやめてしまう前に、FX投資には多くのメリットがあることも覚えておきましょう。
FX投資のメリットとしては、下記の点が挙げられます。
- 数千円程度の少額から取引できる
- 原則平日は24時間取引できる
- 下落相場でも利益を狙える
数千円程度の少額から取引できる
FX会社の中には1,000通貨単位など、少ない金額で取引ができる会社もあります。1米ドル145円とすると、14万5,000円の証拠金が必要ですが、レバレッジを25倍に設定すれば、5,800円あればトレードが可能です。
中には1通貨単位から取引できる会社もあり、その場合は1米ドル145円であれば、145円の証拠金でトレードが始められます。
一方、株式投資の場合、国内株式の売買単位は100株です。プライム市場の平均株価が約2,460円、スタンダード市場の平均株価が約1,360円であることから、株式投資を始めるには、おおよそ10~20万円くらいの資金が必要になります。
このようにFXは、株式投資よりも少ない自己資金でスタートすることが可能です。
原則平日は24時間取引できる

為替市場は東京、ロンドン、ニューヨーク、シドニーなど世界のどこかで取引が行われているため、土日以外はほぼ24時間トレードが可能です。
国内株式は、平日9:00~11:30と12:30~15:00に限られるので、FXのほうが自分のライフスタイルにあわせたトレードがしやすいと言えるでしょう。
土日以外で例外的にFX取引ができない日は、クリスマスと元旦です。また、年末年始は著しく流動性が下がる傾向があります。
下落相場でも利益を狙える
株式投資の場合は、株式を購入して株価が値上がりしているときに売却すれば利益になるので、株価が上昇しそうな銘柄を選んで購入します。
しかし、FXは上昇局面だけではなく、下落局面でも売りから取引をスタートすることで利益を狙えます。
FXをやめたほうがいい人の特徴
以下に紹介する要件に当てはまる人には、FXをおすすめできないかもしれません。
- 損切りができない(自分の取引ルールを守れない)
- 余剰資金がない
- FXをギャンブルと考えている
損切りができない(自分の取引ルールを守れない)
損切りができない人は、FXで大きな損失を出しやすいのでFXはやめたほうがいいでしょう。
損切りとは、含み損が今以上拡大しないように、決済をして損失を確定させることです。含み損は決済をしなければ実際の損失とならないため、損失が拡大しないうちにどこまで含み損が発生したら決済するかという「損切りルール」を決めておくことが大切です。
しかし、損切りができない人は、取引当初は損切りルールを決めていたにも関わらず、実際に含み損が発生すると「もしかしたらまた上昇して含み損がなくなるかも」と根拠のない判断をしてしまいがちです。こうしたケースでは、さらに下落して含み損が拡大すると、ますます決済するタイミングを失ってしまいます。
最悪の場合、ロスカットとなりポジションがすべて強制決済され、大きな損失につながりかねません。
余剰資金がない

FX投資は余剰資金の範囲内で行いましょう。余剰資金は以下の式を使って計算します。
余剰資金=手取り収入-(日常生活で使う資金※1 +将来のイベントに蓄える資金※2) ※1 食費や家賃、光熱費、急な医療費など ※2 車の購入や教育費など |
仮に日常生活で使う資金を使ってFXをすると、食費や家賃を賄うために借金をしなければならなくなる可能性もあります。
FXをギャンブルと考えている
FXはギャンブルではありません。トレードの勝率を上げて利益を出すためには、知識を増やしていくことが大切です。
FXをギャンブルと同じと考え、一か八かで売買をしていると、いつまでもトレード経験が蓄積されず、収益につながりにくいでしょう。
FXに向いている人の特徴
FXに向いている人の特徴もみていきましょう。
- 勉強家であること
- 自分の取引ルールを守れる
- 長期的な視点で投資ができる
勉強家の人や、自分の取引ルールを守れる人はFX投資に向いています。この2つについては、後の章で詳しく解説します。
また、FXは短期で稼ぐものというイメージを持たれがちです。しかし、実際は1つあたりのトレードで大きな損失を出さず、小さな利益を積み重ねたほうが利益につながりやすい傾向があります。小さな利益を長期に渡って出し続ける、つまり、長期的視点で投資できる人がFXに向いていると言えるでしょう。
「FXはやめとけ」と言われたらどうする?
FXをやってみたいと話をすると、友人や家族から「やめとけ」と言われることもあるでしょう。
友人の場合は、充分な知識を身につけたうえで、リスクへの備えがあることを上手く説明できれば、納得してもらえるかもしれません。
ただ、家計を共にしている家族には、それだけでは通用しない可能性があります。FXは少額から投資が可能なので、家族の同意を得るためには最初はこづかいの範囲内など少額からスタートして、小さくても利益を積み重ねていくことが大切です。
初心者必見!FXで失敗しないための準備
FXで失敗しないためには、始める前の準備が重要です。
特に初心者が準備しておくべきことは、以下の通りです。
- FXの基本知識を身につける
- 自分で取引ルールを決めて「厳守」する
- デモトレードで練習する
FXの基本知識を身につける
FXの基本知識を身に着けておくと、トレードで利益を出しやすくなります。身につけておきたい主な基本知識は、以下のようなものです。
- FXの基本用語
- 各通貨ペアの値動きの特徴
- 重要な経済指標(発表日、経済指標の意味)
- 各国中央銀行の金融政策
- チャートの見方
- テクニカル指標の使い方
いずれの知識も、FX会社の公式サイトを見たり、書籍を読んだりすることで身につけられます。FXの知識については、トレードを始めたら終わりではなく、その後も継続的に取り入れていきましょう。
自分で取引ルールを決めて「厳守」する
含み損が発生すると「いつか戻るかもしれない」、「もっと利益が出るかもしれない」と考えてしまいがちです。しかし、どちらのケースにおいても、あらかじめ取引ルールを決めておかないと決済のタイミングが決められず、大きな損失につながる傾向があります。
その他、「あまり知識もないのに高金利通貨に手を出してしまい、大きな値動きに翻弄されてしまった」、「たまたま利益の出るトレードが続いたのでレバレッジを上げたら、急に値下がりして大きな損失が発生した」など、根拠のないトレードも損失につながりやすいパターンです。
FXで成功するためには、利益確定や損切りラインを決める、慣れない通貨ペアには飛びつかない、資金に余裕がない限りはレバレッジを維持するなど、自分の取引ルールを決めて厳守することが重要です。
デモトレードで練習する
FX会社の中には、仮想の資金が与えられ、本番同様のトレードが体験できるデモトレードを用意している会社もあります。
デモトレードは、トレードの練習やトレード画面の操作法が身につくほか、初めて扱う通貨ペアの値動きを見たいときや、新しい取引手法を試したいときなど、さまざまなケースで活用できます。
実際のトレードはデモトレードで十分練習してからスタートすると良いでしょう。
関連記事:FX初心者が覚えるべき基礎知識は?まずやることや取引方法について
まとめ
FXはあまり続いている人がいない、大きな損失が発生するなどのイメージがあり、いざ始めようとすると「やめとけ」と言われる可能性があります。しかし、FXは基本知識を身につける、取引ルールを遵守する、デモトレードで練習するなどを心がけることで失敗する可能性は下げられます。
「FXはやめとけ」と言われたら、まずは自分が本当にFXに向いていないのかを確認をしてみましょう。