雇用統計の結果

非農業部門雇用者数

7月7日(金)に発表された6月の非農業部門雇用者数は予想22.5万人に対し結果20.9万人でした。

(出典:労働省労働統計局)

失業率

失業率は予想3.6%に一致する3.6%でした。

(出典:労働省労働統計局)

平均時給

今回の雇用統計で最も意外だったのは賃金の伸びです。ぜんぜん衰えていません。
6月の平均時給は+12¢でした。

(出典:労働省労働統計局)

4月と5月の数字もそれぞれ上方修正されている点にも注意する必要があります。

言い換えれば賃金上昇プレッシャーはここへきて再び強まっているのです。

連邦準備制度理事会の考え方

連邦準備制度理事会(FRB)は賃金インフレを最も警戒します。その理由は賃金インフレはクセになりやすく抑え込むのがとても困難だからです。

その賃金がいま騰勢を増しているということはFRBが利下げに転じるのはとうぶんお預けになることを示唆しています。

トレーダーのリアクション

今回の雇用統計が発表された後、債券のトレーダーは「年内の利下げはもうないし、来年の利下げも5月くらいまではお預けになる」ということを織り込みました。つまり利下げ開始はまるまる半年も後ズレするわけです。これは株式にとって悪い材料です。

今回の雇用統計の発表後、円が買われた理由ですが、もし世界的にインフレがしつこく高止まりするなら、インフレ退治に対する取り組みが一番遅れている国は日本であり、日銀はこれまでの金利政策の修正を余儀なくされると考えた市場参加者が多かったからです。

円高が進めば日経平均は下がります。

つまり今年勝ってきた投資ストラテジー(=それは円安に賭けるということです)が一気に逆流するリスクが感じ始められたということです。