トライオートFXの自動売買セレクトは、プログラムの一覧から、好きなプログラムを「選ぶだけ」で、面倒な設定をせずとも、かんたんな設定で自動売買を稼働させることができる便利な機能です。
「過去の一定期間、そのプログラムを稼働させると、どのような運用成績になったのか」という、期間収益率のバックテストを検証することもできます。
ただ、「何はともあれ、期間収益率の良いプログラムを選べばよい」という訳ではなく、「そのプログラムの想定する相場環境」などを認識することがトライオートFXを使いこなす第一歩に繋がります。
今回は、自動売買セレクトからプログラムを選ぶ際に確認すべきポイントをご解説します。
1.自動売買の特徴を抑える
自動売買プログラムを選択する上で、自動売買の特徴を知ることは最も重要です。
加えて、自動売買プログラム独自の考え方である、「想定レンジ」と、「想定レンジを相場がブレイクする」ということがどのようなことを指すのかを知る必要があります。
コアレンジャーとハーフのプログラムを例に確認していきましょう。
1-1.「想定レンジ」とは
上の図は、自動売買セレクトのプログラム、「コアレンジャー」の注文ロジックのイメージ図になります。
コアレンジャーの想定レンジとは、「サブレンジ帯」と「コアレンジ帯」を合わせた価格帯のことを指します。
・コアレンジャーの説明はコチラ
上の図はハーフの注文イメージ図になります。
ハーフの想定レンジは、売りと買いの「レンジ帯」を合わせた価格帯のことを指します。
・ハーフの説明はコチラ
コアレンジャー・ハーフ共に、想定レンジの中に売りと買いの注文を網のように張り、その網の中で細かく売買して確定利益を積み上げることを目指すプログラムです。
また、コアレンジャー・ハーフを含め、自動売買セレクトの既成プログラムは原則として「損切り」が設定されていない為、想定レンジを超えて相場が推移した場合は未決済ポジションの含み損が膨らむ可能性があります。損切り設定はプログラム稼働後に任意で設定することができます。
以上を踏まえて、自動売買セレクトのプログラムは相場が想定レンジの中で推移することを前提としていることを認識しましょう。
※トライオートFXの自動売買プログラムでは、売り注文と買い注文の両建てになる可能性があります。また、両建てはスプレッドが二重にかかることやスワップポイントで支払いが生じる等デメリットがある点をご理解の上ご利用ください。
1-2.「相場が想定レンジをブレイクする」とは?
想定レンジは運用開始時に固定されるため、上のイメージ図のように、相場が想定レンジをブレイクしてしまう、つまり想定レンジ外の価格帯で相場が推移する状況下だと、新たな自動売買注文が発注されず、既存のポジションの含み損を抱えてしまいます。
こうなると投資家は以下の判断を下す必要があります。
相場が想定レンジをブレイクした場合に判断すること
- 損切りor利益確定して自動売買をクローズする。
- 追加入金で相場が想定レンジに戻るのを待つ。
- リスクヘッジ戦略をとる。
※相場が想定レンジをブレイクした時の対策はコチラの記事をご参考ください。
相場が想定レンジをブレイクした後の対応は大切ですが、自動売買プログラムを稼働させる前から、想定レンジと相場の状況を把握することが、トライオートFXを使いこなす為の第一歩となります。
次項からは、プログラム稼働前に確認すべき点を解説していきます。
2.自動売買を稼働させる前の確認点
自動売買セレクトで自動売買を稼働させる前に、以下を確認しましょう。
自動売買を稼働する前に確認すること
- ①想定レンジを確認する
- ②大きなトレンドの有無の確認
順に解説します。
2-1.①想定レンジを確認する
まず、自動売買セレクトのプログラム一覧から好きなプログラムを選び、「詳しく見る」をクリックします。
その後に推移するシミュレーション画面の下部、「注文設定」部分をご覧ください。
これらが、自動売買プログラムにより発注される注文の設定値になります。
「コアレンジャー_スイスフラン/円」の2020年5月4日時点の設定値をまとめてみましょう。
※自動売買セレクトのプログラム設定値は、適宜見直しがなされます
コアレンジャーの設定値からわかる、プログラムの特徴は以下です。
コアレンジャーの設定値の特徴
- ①コアレンジ帯に売り買いの注文を多く張り巡らせ、利確幅は狭い設定値を設ける。
- ②サブレンジ帯では注文数量を抑えて、逆張りを狙いつつ。利確幅は大きくする。
シミュレーション画面の下部の設定値から、その戦略をプログラム稼働前に把握することができます。
実際のスイスフラン/円のチャート上に自動売買の設定値を反映させてみましょう。
上の図を確認すると、2020年5月4日時点のスイスフラン/円の相場水準は、想定レンジ内の中央部分で推移している事が確認できます。
想定レンジの中央部で相場が推移しているということは、そのプログラムの想定する相場状況の中でプログラムを稼働することができるということです。相場が変動しても、想定レンジをブレイクするまで余裕があるとも考えることができます。
その為、プログラム稼働時点で、想定レンジ帯の中央部付近で相場が推移しているようなプログラムを選択することが大切です。
プログラムの稼働後は、上の画像の赤枠部分のように、チャート右側、三角形のアイコンで自動売買の注文される想定レンジのエリアを確認することができます。
これを参考に、相場が想定レンジに収まっているかどうかを日々確認しましょう。
2-2.②大きなトレンドの有無の確認
トライオートFXの自動売買プログラムは、大きなトレンドが発生すると含み損が膨らむ特徴があります。
その為、大きなトレンドが発生している通貨ペアではなく、レンジ相場を形成しやすい通貨ペアを選ぶことが大切です。
上の図は、豪ドル/円の月足チャートです。
2018年ごろから右肩下がりの長期的な円高トレンドが発生していることがわかります。
このようなチャートを形成する通貨ペアの場合、相場が自動売買プログラムの想定レンジをブレイクする可能性があり、コアレンジャー・ハーフのような自動売買運用に向く通貨ペアではないと考えられます。
自動売買セレクトのコアレンジャー・ハーフのようなプログラムを選択する時のポイントは、大きなトレンドが発生しておらず、レンジ相場を形成している通貨ペアを選択することだと考えられます。
上の図はスイスフラン/円の月足チャートです。
2016年の後半から、2020年の5月初頭まで、一定のレンジ内で相場が推移していることがわかります。
コアレンジャーやハーフのような自動売買プログラムは、このチャートのように一定レンジ内で相場が推移するような場合に力を発揮します。
自動売買プログラムを稼働させる前に、過去の通貨ペアチャートを確認し、その通貨ペアがレンジ相場を形成していることを確認しましょう。
※特定通貨ペアの取引を推奨するものではありません。
3.まとめ
トライオートFXで自動売買運用をする上でのポイントを再度まとめます。
①想定レンジを確認する
プログラムが稼働する想定レンジの水準を確認しましょう。
稼働当初、なるべく相場がレンジ帯の中央部で推移していると良いでしょう。
日々のチェック時には相場が想定レンジ内に収まっているかどうかを確認しましょう。
②大きなトレンドの有無の確認
コアレンジャー・ハーフのような自動売買プログラムはレンジ相場でこそ有効です。週足・月足のチャートを確認し、右肩上がり・右肩下がりというような大きなトレンドが発生していないかを確認しましょう。
なるべく長い期間、レンジ相場を形成している通貨ペアを選択すると良いでしょう。
これからトライオートFXの自動売買を始める方や、現在すでにプログラムを稼働させているものの、別のプログラムの稼働を検討している方は、プログラムを選ぶ際のご参考にして頂けますと幸いです。