どうする?FX自動売買で相場が想定レンジから外れたときの対処法

2月中旬から3月初旬にかけて、ドル円レートが約112円から約101円まで一気に円高へ進むという「コロナショックによる相場の混乱」が発生しました。
コロナショックにおいて自動売買プログラムの「想定レンジ」を相場がブレイクし、損失が発生してしまったお客様もおられると思います。
今後、再び急激な相場変動により自動売買の「想定レンジ」をブレイクする局面が再来する可能性もあります。その時どのように対処をしたらよいか、この記事を一つの参考として頂ければ幸いです。

【相場が想定レンジから外れたときの対処法】

相場がFX自動売買で形成した想定レンジ(※)から外れてしまうと収益チャンスを逃すほかに、ロスカットの危険性も増してきます。また、相場が想定レンジに戻ってくるまでに長期間を要する可能性があり、抱えるポジションがマイナススワップの場合、ジリジリと資産が削られてしまう可能性もあります。

※想定レンジ…この場合の想定レンジとは、過去の高値と安値の差を参考にして算出されたレンジ幅を指します。

自動売買セレクトでは損切り設定がないため(一部を除き)、相場が想定レンジから外れてしまった局面では、自分自身の判断で取引を行っていいただくことになります。

そのためには、想定レンジから外れた時点の総合損益(※)が「利益が発生しているのか、損失が発生しているのか」を見分ける必要があります。

この2つを見分けて、それぞれで対応を行っていきます。
※総合損益…評価損益+実現損益

【想定レンジから外れた時に、利益が発生している場合】

想定レンジから外れた時に、利益が発生している場合とは、EUR/AUDを例にすると、1.67159を超えたあたりで、相場が想定レンジ(上図の囲い)から外れた時、その時点での総合損益がプラスであることを指します。

では、実際に想定レンジから外れた時に、利益が発生している場合はどうすればいいのでしょうか。
まずは、その自動売買を停止し、ポジションを全決済することで、利益を確定させることが検討出来ます。
その後は、自動売買セレクトで新しいプログラムの注文を検討します。新しいプログラムの想定レンジを確認して、現在の相場が想定レンジにおさまっているかどうかを確認しましょう。想定レンジに収まっている場合、そのプログラムを稼働させることで想定レンジを新しく設定しなおすことができます。

ただ、想定レンジから外れるような局面では、その通貨ペアで大きなトレンド、もしくは相場の混乱が起きている可能性もある為、停止したプログラムとは別の通貨ペアのプログラムを選ぶことも検討しましょう

このように総合損益で利益がでている状態であれば、相場が戻るのを待つのではなく、新しいレンジ帯を設定する、もしくは別のプログラムを稼働し、収益チャンスを狙う戦略が検討できると思われます。


【想定レンジから外れた時に、損失が発生している場合】

想定レンジから外れた時に、損失が発生している場合とは、相場が想定レンジから外れた時点(上図の赤丸)で総合損益がマイナス状態になっていることを差します。
以下、総合損益がマイナスの状態は含み損の場合としての説明となります。

すでに含み損を抱えているので、まずはこれ以上の損失拡大やロスカットを防ぐことを検討します。資金に余裕がある方は、追加入金をすることも検討できると思います。
また、損切りするということも選択肢の一つです。

更なる手段としては、含み損を抱えているポジションと同量の反対ポジションを持つことで損失拡大を防ぐヘッジ戦略(※1)もあります。
上のEURAUDのチャートの赤丸部分をご覧ください。コアレンジャーのようなプログラムの場合、想定レンジをブレイクする局面では、含み損を抱えた売りポジションを保有していると考えられ、相場が更に上方向に推移すると、含み損が膨らむ可能性があります。
それを避ける為に、売りポジションと同量の買いポジションを注文することで、一時的な含み損の拡大をヘッジする事が期待されます。(※2)
そして相場が想定レンジに戻ってきた場合は、ヘッジの為に建てた買いポジションを決済することを検討しましょう。


コロナショックのように相場が混乱している局面では、一時的に大きな相場変動が起こり、混乱の終息とともに相場も戻る傾向があると考えられるため、「ひとまず、今の混乱期だけを乗り越える」ための手段として、保有ポジションと同量の逆ポジションを建てて、ヘッジするという事が検討出来ます。ヘッジをすることで、スプレッドが拡大する場合を除き、評価損益が変動しなくなります。
ただ、新たに建てるヘッジポジションがマイナススワップである場合は、ジリジリと資産が削られてしまう点は認識しておきましょう。

相場が大きく動いている時こそ、「稼ぎどころだ!」と考えるのをグッと耐えることも大事です。
まずは、自身の含み損が拡大してロスカットにならないよう行動することをおすすめします。


※1 本戦略は両建て取引となりますが、両建て取引を推奨するものではありません。両建てはスプレッド・金利が二重にかかること等デメリットがある点をご理解の上ご利用ください。
※2 トライオートFXでは、証拠金において「両建てMAX方式」を採用しております。その為、売りポジションと同量の買いポジションを建てる時に追加の証拠金は必要ありません。
※上記はロスカットを完全に防ぐものではありません。

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【まとめ】

相場変動により相場が想定レンジから外れた場合は「現在利益がでているのか、損失を抱えているのか」を見分けましょう。そのうえで、対応をしていくことが長期的な運用をするためのポイントとなります。
コロナ相場に対しては再発リスクの懸念やアフターコロナによる景気動向なども含めて第二幕の相場変動に備えた運用を心掛けましょう。