2018年のユーロ円はどうなる?年間相場見通しと戦略

120円を割れない年となるか?

1.ユーロ円の注目点

2018年のユーロ円相場の注目点としては、以下の通り。
・ ECBの出口戦略
・ 株価面?
・ 日銀の政策転換(?)
・ 地政学リスク
・ ドル円とユーロドルのモメンタム

■ ECBの出口戦略

 ECBは、2017年テーパリングの縮小を決定。2018年から資産購入額を月々600億ユーロから300億ユーロに減額。良好な景気回復から2018年の焦点は、資産購入を9月まで続けるとしても、現在適用しているマイナス金利の修正を決定するかとなる。この点は直ぐにとは思われないが、以下の独10年物国債利回りから見ると、オシレーターが上昇を示唆しており、2018年独長期金利は上昇傾向を維持しそう。レジスタンスを超えると独10年物国債利回りは、1%から2%がターゲットとなるが、その場合米10年物国債利回りの上げ渋りと合わせて、米独金利差の縮小が、ユーロ相場を支えるか注目したい。

■ 株価面?

 株価面では、2018年も堅調が維持できるかは大きな焦点となるが、以下の日経平均株価の月足チャートを見ると現状の高値が既に上昇チャンネルの上限に近く、また過去4000円範囲で、一定の揉み合いが続いていることからは、早々と大きく2万5千円や3万円を目指すと見るのも難しい。直近では、株価とドル円相場の動きが乖離しているが、少なくとも日経平均がこの2万円から2万4千円のレンジで動くなら、大きく円売りが拡大するとは見づらい。相場の一定の下支え要因であり、引き続きリスク・オフの動きが見えた場合に、ユーロ円相場の買い場を探すことが安全となりそうだ。

■ 日銀の政策転換(?)

 12月の日銀金融政策決定会合後の記者会見で、黒田総裁は、引き続き低金利政策を維持すると表明しているが、2018年黒田総裁が任期を迎える。もし、交代があれば、その人事次第であり、思惑で相場が揺れる可能性はあるが、恐らく黒田総裁が再任されることは間違いないと考える。その場合一定の安心感が広がるだろうが、注意は、3月19日に任期を迎える両副総裁の人事で、中曽宏日銀副総裁は、恐らく日銀内部人事なので、持ち回りで変わる可能性が高いが、問題は岩田副総裁の去就。
 同氏は、2013年の就任時から「2年で2%のインフレ目標」を掲げた張本人であり、ある意味黒田総裁の現在の政策を裏で支える人間。もし、副総裁が変わった場合、同様にリフレ派が採用されるなら問題は大きくないが、直近では一部の元政策委員が、現状の緩和政策の維持に疑問を呈しており、副総裁次第では、「黒田日銀の政策」にも変化が出る可能性もありそう。既に同氏が、「リバーサル・レート」に言及しており、FOMCやECBが出口戦略を目指す流れの中で、日本の景気も好調を維持しており、今年、ETFの買入減額や「イールド・カーブ・コントロール」政策を見直す可能性もありそうだ。その場合、サプライズ的な円高もあるかもしれない。時期的には、ETFの買入では、これを決めた2017年7月の会合から一年で見ると今年も7月の会合で見直しの可能性があるかもしれない。またない場合も、9月以降の金融政策決定会合には注意しておいた方が良いだろう。 

■ 地政学リスク

 2018年も地政学リスクは、大きな相場の懸念として残りそうだ。少なくとも北朝鮮は、核を搭載できるICBMの開発を終わらないと米国との会話のテーブルには付かない。今後も粛々とミサイル発射や核実験を継続すると見られ、随時リスク回避の展開が見えるだろう。一時的なリスクの動きが出れば、最悪の事態に陥らない限り、株やクロス円は押し目買いのチャンスが続くとみられる。

■ ドル円とユーロドルのモメンタム

 ドル円とユーロドルのモメンタムから見ると以下の月足チャートをご参考にして頂きたい。下段に示しているのはスロー・ストキャスティクスだが、長期のオシレーターは比較的トレンドとの整合性が高く、ドル円とユーロドルの月足のモメンタムが、はっきりと上昇傾向を示しており、これが2018年のユーロ円相場を支える見通しとなる。

2.ファンダメンタルズ面

 ファンダメンタルズ面からは、直近良好な回復が指摘されている。
 以下、ユーロ圏の経済を見る上で、代表的なPMI・速報の直近の推移を見ておきたい。
このPMIは、現在、景気の分水嶺となる「50」を上回り、総じて「50-55」ゾーンから堅調に上抜けが見えており、良好な状況が続きそう。こういった面が2018年のECBの金融政策を早期に、引き締めに向かわせる可能性があり、その場合ユーロ相場の押し上げ要因となると見たい。

 また、金利差の面では、以下のチャートが示すように、ユーロ円相場は、欧州金利と日本の金利差に連動し易く、今後もECBの引き締め姿勢と日銀の低金利維持が当面続くかの可能性がユーロ円相場を支える見通し。

3.テクニカル面

 テクニカル面からユーロ円相場は、下値を109.57で支えて、じりじりと反発している。オシレーターは現状も上昇を維持しており、既に127.55-129.40が維持されると強い。割れて125.80、更に121.25-122.20ゾーンが視野となるが、この位置には月足の雲の下限が控えており、サポートからも将来的に支えられる位置となる。リスクは120円を割れるケースで、その場合114.85-90までポイントが薄くなる。
 一方上値は、現状135円のサイコロジカルの上抜けが焦点となるが、超えて月足の雲の上限が135.75-80、戻り高値から136.95-138.00、141.05-10が視野となるが、ただ、この位置には169.97と149.79の高値から結んだレジスタンスが控えており、当面のグッド・ターゲットとなる。また若干超えても144.75-145.35などは売りが出易い位置となる。

4.予想レンジと戦略

 それでは、総合的に2018年のユーロ円相場の展開と戦略を検討してみたい。
 まず、ポイントとしては、クロス円なので、ドル円相場とユーロドル相場の展開に注意しなければならないが、前述の通りECBの引き締め姿勢と日銀の低金利政策の継続、加えて、オシレーターのドル円とユーロドルの買いサインからは、ユーロ円の投資戦略は押し目買いとなる。
 想定レンジは、125円から141円とするが、ドル円同様1-3月は、本邦の決算末に向けてレパトリが出易いことは留意しなければならないが、夏場までは少なくとも堅調が想定される。リスクは、年後半に日銀が低金利政策からのある程度の脱皮を決断するケースとなる。その場合の調整局面では、買いはあまり得策ではないかもしれない。
 従って、具体的には、決して上値を追いかけて買う必要はないと見るが、現状は既に130円が支えており、この状況が続くならこういった位置から125円まで買い下がりの余裕を持って対応するかたち。利食いは135円をクリアに超えないと厳しいが、超えるなら140円前後はグッド・ターゲットで、年央までのこういったタイミングではしっかりと利食っておきたい。また140円から150円ゾーンは、年後半の円高傾向を睨んで、慎重に売り場も探してみたい。ただ、その場合も120円は守られる位置と見ている。

5.ユーロ円相場の主なマーケットカレンダー

2018年のユーロ円相場に影響を与えると見られる主な重要材料は以下の通り。
また、発表予定やイベントは、現在把握できるものに限っていますが、変更や追加になることもあるので、その点は留意して対応して下さい。