
こんにちは!インヴァスト証券の山口です。
イギリスの国民投票を今晩に控えて、特に明日の為替相場がどのように動くのかとても心配です。
以下がそれぞれのケースによる主要通貨の強弱のイメージです。
○シナリオ1「残留」
英ポンド > ユーロ > 米ドル > 日本円
※世界的に株は買われやすい地合いに
したがって、残留となる場合は、
米ドル/円、ユーロ/米ドル
は上昇しやすくなると考えられます。
なぜなら、昨年から今日まで英国の離脱問題で英ポンドは売られてきました。
英国のEU離脱は英国経済に悪影響だからです。また、これまで英ポンドと同様、英国のEU離脱はユーロ圏経済にもマイナスとなるため、英ポンドほどではないにしろ、ユーロにも売り圧力が生じていました。
それが、「残留」決定となれば、市場に安心感が広がることで、今まで売り圧力にさらされていた「英ポンド」や「ユーロ」は買い戻されやすくなります。
また、市場に安心感が広がることでリスク資産への投資意欲が高まります。所謂「リスクオフ」から「リスクオン」になるということです。
「リスクオフ」のときに買われやすい通貨の代表は「日本円」ですので、「リスクオン」になれば逆に売られやすくなります。
○シナリオ2「離脱」
日本円 > 米ドル > ユーロ > 英ポンド
※世界的に株は売られやすい地合いに
したがって、離脱となる場合は、米ドル/円、ユーロ/米ドルは下落しやすくなると考えられます。
これは、シナリオ1と逆の考え方になります。
これまで英ポンドは売られてきましたが、それでも『英国EU離脱の相場への織り込み度合いは30%から35%程度』というニュース等もあります。
英国がEUを離脱するとなれば、まだ、相場に織り込まれていなかった売り圧力が英ポンドにかかってくるということです。
更に英国経済や欧州経済の後退懸念から欧州、英国株も売られやすくなると考えられます。
昨年のチャイナショック同様、世界的な株式の下落も懸念されるため、為替市場においては、「リスクオフ」で円が買われやすくなるということです。
24日の結果がわかるまで「離脱」「残留」を予想してポジションを持つのは、英ポンドはともかく、ユーロ/米ドルや米ドル/円でさえ、やめた方がいいと思っています。
また、仕掛けを稼働されていらっしゃる方は、国民投票の結果がはっきりするまで「仕掛けを停止すべき」だと思っています。
なぜなら、英国のこれまでの世論調査は下記のとおり直前まで「残留」「離脱」ともに拮抗している状態で、どちらのシナリオも50:50(フィフティー、フィフティー)で、結果が出る前の段階でポジションを持つのは博打的だと考えているからです。個人的には結果が出てからポジションを持っても遅くはないという考え方です。
また、特に24日の国民投票の開票から結果がはっきりわかる日本時間の8時半から15時ぐらいまでの間は、英ポンドがらみの通貨はもちろん、他の通貨でも「スプレッドが大幅に広がる」「レートが飛ぶ」「レートが提示されない」ということが想定されます。
トライオートの「仕掛け」は利食い幅やカウンター値が小さめに設定される方が多いので、レートが飛んだり、スプレッドが大きく広がったりする局面では上手く機能しない可能性があります。
そのため、「仕掛けは一度停止」をして、英国の国民投票の結果がはっきりしレートが安定したのを確認してから、再稼働させるべきだと思います。