FXの始め方・やり方を初心者にわかりやすく解説!口座開設の手順や取引方法も

FX初心者の場合、自身にどのような取引手法が合っているかわからない人というもいるのではないでしょうか?この記事では初心者向けに、FXを始める際に知っておくべき知識や、FXの取引手法の種類とメリット・デメリットについて解説しています。これからFXを始めたいと考えている人、まだ自身の取引手法がわからない人はぜひ最後までお読みください。

FXの始め方・やり方

細かい手順はFX会社で異なりますが、FXを始めるときは、次の手順で進めていきます。

  1. FX会社を選ぶ
  2. 口座開設を行う
  3. 口座に証拠金を入金する
  4. 通貨ペアを選ぶ
  5. 新規注文を発注する

各手順について詳しく解説します。

①FX会社を選ぶ

まずは取引したいFX会社を選びます。FX初心者は自身の余裕資金内で始められるFX会社を選びましょう。余裕資金の範囲で取引ができないFX会社で無理に取引をすると、損失がでた場合、保険料や光熱費など日常生活を送るうえで不可欠な費用が支払えなくなるおそれがあります。

その他、FX会社を選ぶ際は以下の内容を比較すると良いでしょう。

  • 最低取引単位が小さいものから選ぶ
  • スプレッドの狭いものから選ぶ
  • 取引ツールの使いやすさから選ぶ
  • 約定力の高いものから選ぶ

FX会社の選び方については、以下の記事でより詳しく紹介しているため参考にしてください。
FXを少額で始めるメリット・デメリット|少額取引に適したFX会社の選び方も紹介

②口座開設を行う

取引したいFX会社が決まったら、公式サイトから口座開設の申し込みをしましょう。所定の入力フォームに入力後、重要事項を確認し、必要書類を送付します。

口座開設の必要書類

FXの口座開設に必要な書類は、マイナンバー確認書類本人確認書類の2つです。

【マイナンバー確認書類】

  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • マイナンバー付き住民票の写し

【本人確認書類】

  1. マイナンバーカード
  2. 運転免許証
  3. パスポート
  4. 在留カード
  5. 外国人登録証明書
  6. 住民基本台帳カード
  7. 各種健康保険証
  8. 住民票
  9. 年金手帳
  10. 印鑑登録証明書

本人確認書類のうち、1~6は1点、7~9は2点必要です。マイナンバーカードはマイナンバー確認書類と本人確認書類、両方の役割もあります。そのためマイナンバーカードがあれば、必要書類は1点のみです。

口座開設の手順

FX口座を開設する手順は、FX会社によって若干違いがあるものの、大まかな流れは以下の通りです。

  1. 申し込みフォームに必要情報を入力
  2. 必要書類等を提出
  3. 審査
  4. ログインID、パスワードの受け取り
  5. ログイン

まずFX会社の公式サイト上に表示されている「口座開設」のボタンを押し、申し込みフォームに住所、氏名など必要な情報を入力後、必要書類をアップロードします。申込内容と提出された書類をもとにFX会社が審査を行い、問題なければ口座開設となります。口座が開設されると、手元にログインIDやパスワードがメールや郵送で送られてくるため、それらを入力して早速FXを始めてみましょう。

③口座に証拠金を入金する

証拠金とは自身のFX口座に預け入れておく資金のことで、取引をするうえでの担保の役割を果たします。

FXはレバレッジをかけることで、自己資金よりも多くの取引ができます。そのため万が一損失が発生しても決済ができるように、口座に一定の金額を預けておく必要があるのです。

FX口座に証拠金を入金する方法は各社さまざまですが、「振込手数料無料」「スピーディに入金できる」など自身に合ったものを選びましょう。

【証拠金の入金方法(一例)】

  • FX取引ツールの入金機能を利用する
  • インターネットバンキング
  • 銀行窓口
  • コンビニATM

④通貨ペアを選ぶ

口座を開設したら、通貨ペアを選びましょう。流通量が少ない通貨は価格変動が大きくリスクが高い傾向があります。そのため初心者は「メジャー通貨」と言われる流通量の多い通貨のペアで始めるのがおすすめです。

【メジャー通貨の通貨ペア】

  • ユーロ/米ドル(EUR/USD)
  • 米ドル/円(USD/JPY)
  • 米ドル/ポンド(USD/GBP)
  • 米ドル/豪ドル(USD/AUD)
  • 米ドル/カナダドル(USD/CAD)

またFX初心者は、レンジ相場を形成しやすい通貨ペアを選ぶのもおすすめです。レンジ相場とは一定の価格帯を、何度も行ったり来たりする相場のことを指します。近隣にあって、両国の経済関係が密接な国同士の通貨はレンジ相場を形成しやすいと言われています。レンジ相場を形成しやすい通貨ペアは以下の通りです。

  • 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
  • ユーロ/ポンド(EUR/GBP)
  • 米ドル/カナダドル(USD/CAD)

通貨ペアの選び方についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
FX初心者におすすめの通貨ペア5選|選び方や取引成功のコツも説明

⑤新規注文を発注する

取引したい通貨ペアが決まったら、新規注文を発注します。発注方法はいくつかありますが、ここでは基本的な発注方法として、「成行注文」「指値注文」「ストップ注文」を紹介します。

  • 成行注文
    値段を指定せず、現在の価格で即座に注文する方法です。買いの成行注文を出した場合、すぐにエントリーできるため、利益が狙えそうなチャンスがきたときに即時に注文が出せます。
  • 指値注文
    現在よりも有利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。指値注文を出しておけばFXのチャートを見ていなくても自動的に注文が成立します。主に利益確定や新規注文で使用されます。
  • ストップ注文
    逆指値注文とも言われ、現在よりも不利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。ストップ注文を出しておけばFXのチャートを見ている必要がありません。主に新規注文や損切り注文で使用されます。

⑥ポジションを決済する

ポジションとは新規注文をして、まだ決済していない契約の残高のことです。また保有しているポジションは、新規注文と反対の売買をすることで決済をします。つまり保有している買いポジションは売り注文、保有している売りポジションは買い注文を出すことで決済となります。

FXを始める際に知っておくべき知識

FXで利益を狙うためには、利益が発生する仕組みとリスクについても知っておく必要があります。FXはどのような利益があるのかということや、リスクの種類についても紹介します。

FXとは|初心者にわかりやすく解説

FXとはForeign Exchangeの頭文字をとったもので、日本では「外国為替証拠金取引」と言います。FXは、二国間の通貨を交換したときに発生する差額や金利差で利益を狙えます。

最大の特徴は次の2点です。

  • 自己資金よりも大きな金額の取引ができる
  • 売りから始められる

差金決済とは、現物の株式投資のように、売買の都度代金を受け渡すのではなく、決済時に生じた損益だけをやり取りする取引方法のことです。

FXの基礎知識について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
FXとは?仕組みや魅力・危険性について簡単にわかりやすく解説

FXで利益が発生する仕組み

FXの利益には「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」の2つがあります。

  • インカムゲイン
    インカムゲインとは、資産の保有によって得られる利益のことです。不動産を購入して他人に貸し出す不動産投資で得られる家賃収入は、代表的なインカムゲインです。その他、株式投資の配当金、投資信託の分配金などもインカムゲインです。
  • キャピタルゲイン
    キャピタルゲインとは、保有している資産価格が上昇し、売却することで得られる売却益のことです。不動産の建物や土地、株式、投資信託などを売却して得られる利益がキャピタルゲインにあたります。

FXにおいては、為替レートの値動きによって得られる為替差益がキャピタルゲイン、ポジションを保有することで毎日のように得られるスワップポイントがインカムゲインにあたります。

FXのリスク

FXではどのような要因で価格変動が起こるのでしょうか。FXのリスクについても知っておきましょう。

  • 価格変動リスク
    為替レートが、自身の予想と反対方向に価格が変動した場合に損失が生じるリスクのことです。為替レートは各国の金利や景気、地政学リスクなどさまざまな要因で24時間絶えず変動する可能性があります。
  • 信用リスク
    取引をしているFXの信用状況などの悪化により、顧客に損失が発生する可能性があります。またFX会社は注文に対するリスクヘッジとして銀行や証券会社とカバー取引を行いますが、カバー先の信用状況でも顧客に損失が発生する場合があります。
  • 流動性リスク
    主要国での祝日や市場の取引時間でスプレッドが拡大したり、取引成立が困難になったりするリスクのことです。流動性とは換金のしやすさのことで、換金が難しい状況を「流動性が低い」、換金がしやすい状況を「流動性が高い」と言います。
  • レバレッジ
    レバレッジをかけた分、損失が発生した場合の損失も大きくなるリスクのことです。レバレッジ1倍で1万円の損失が出たトレードを、仮にレバレッジ25倍で行ったとすると損失額は単純計算で25倍の25万円になります。

FXは「やめとけ」と言われる理由は?

FXをやっている、または、これから始めようとする場合、「やめとけ」と周囲から言われることもあるのではないでしょうか?その理由として、FXはレバレッジをかけることで大きな損失が出る可能性がある点が挙げられます。

しかしFXに関連する勉強をして、自身で定めたトレードルールを忠実に守っていれば、トレードの勝率は高まっていくでしょう。一方、トレードルールを定めずにギャンブルのような取引をする方や、生活資金までつぎ込んでしまう余裕のないトレードをしている方は、大きな損失を出す可能性が高く、FXは向いていないかもしれません。

FXはやめとけと言われる理由について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
「FXはやめとけ」と言われるのはなぜ?向いてる人・向いていない人の特徴も

FXの取引手法

FXには短期間でキャピタルゲインを狙う方法から、長期間にわたってインカムゲインを狙う方法までさまざまな取引手法があります。ここではFXの5つの取引手法について解説します。

 メリットデメリット
スイングトレード常にチャートを見ている必要がないトレンド転換で見直しが必要になる
デイトレード短期間のトレードを何度も繰り返して利益を積み重ねるため、短期間で大きな利益が狙える為替差損が重なると損失が大きくなる
スキャルピングデイトレードよりも短期間のトレードを何度も繰り返して利益を積み重ねるため、短期間でデイトレードよりも大きな利益が狙える可能性があるデイトレードよりもさらにリスクが高い
長期投資常にチャートを見ている必要がないトレンド転換で見直しが必要になる
システムトレード・常にチャートを見ている必要がない ・既に設定済みのものを選ぶことですぐに運用が始められる・相場の急変動に対応しきれないことがある ・取引手数料とスプレッドの両方がかかる場合がある

スイングトレード

数日から数週間というスパンでポジションを保有して、中長期的に大きな利益を狙うトレード手法です。長期間ポジションを保有することで、期間中はスワップポイントによる利益も得られます。

スイングトレードは長期的な値上がり益を狙う取引のため、常時FXチャートと向き合う必要はありません。しかし要人発言や、重要な経済指標の発表、あるいは戦争や天災といった地政学リスクで大きくトレンド転換する可能性があります。

スイングトレードは常にFXチャートと向き合う必要がないため、仕事や家事で忙しく投資に時間をかける余裕がない人に向いています。またスワップポイントを利用して、ゆっくり時間をかけて資産を増やしたい人にもおすすめです。

デイトレード

数時間から1日という短い時間、ポジションを保有する取引です。ポジションを翌日に持ち越すことはありません。1日に数回売買する場合もあるため、短期間で大きな利益が狙えますが、価格が想定外の方向に動いた場合は損失が大きくなる可能性があります。

デイトレードはキャピタルゲインで利益を狙う取引手法のため、為替レートが頻繁に動く欧州時間や、ニューヨーク時間にトレードできる時間が確保できる人に向いています。

関連記事:FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴

スキャルピング

数秒や数分といったきわめて短い時間、ポジションを保有する取引です。1日に何度も売買をして利益を積み重ねるため、大きな利益が狙える可能性があります。しかし頻繁に行われるトレードで利益を出す必要があるため、リスクが高い取引手法です。

スキャルピングは瞬時に利益確定、損切りの判断が必要になるため、判断力、決断力がある人に向いています。

関連記事:FXのスキャルピングとは?メリットやデメリット・成功するやり方

長期投資

数週間を超えるスパンでポジションを保有し、長期間にわたって大きな利益を狙う取引手法です。ポジションを保有している期間中はスイングトレード同様、スワップポイントも狙えます。長期投資もスイングトレードと同様、常時FXチャートに向き合う必要はありませんが、トレンド転換に注意する必要があります。

長期投資も頻繁に売買するものではないため、忙しくてFX取引に時間を割けない人に向いている取引手法と言えるでしょう。

システムトレード

システムトレードとはFXの売買が自動でできる仕組みのことです。あらかじめ設定した内容に基づいて機械的・継続的に売買を繰り返します。自身の就寝中や仕事中も要件を満たせば自動的に注文・決済を行うため、24時間トレードチャンスを逃しません。ただし相場の急変などに対応できないケースがあり、定期的に自動売買の設定を見直す必要がある点には注意が必要です。また取引手数料とスプレッドが重複してかかる場合があります。

システムトレードの設定は自身で1から行う必要はなく、あらかじめ用意されている設定から選べるタイプもあるため、初心者に向いている取引手法と言えます。

初心者がFX取引を始める際の注意点

初心者がFX取引を始める場合の注意点は、以下の通りです。

  • 余裕資金で取引を始める
  • 低レバレッジで取引を始める
  • 証拠金は余裕を持って入金する
  • 損切りラインを事前に決めておく
  • 分析方法の勉強をする
  • デモトレードを利用する

各注意点について詳しく解説します。

余裕資金で取引を始める

FXは余裕資金で取引することが大切です。

どれだけFXの知識を身につけて、テクニカル分析を使いこなせたとしても、トレードの勝率を100%にすることはできません。損失が出る可能性も考えて、身の丈にあわない金額の取引はしないよう心がけてください。

余裕資金で行わなければならない点は、FX取引をするほとんどの方に言えることですが、とりわけ初心者はFXのリスクを低く見積もってしまいがちです。

光熱費や保険料、生活費など、日常生活を送るうえで欠かせないお金までFXに投じるのは、絶対に避けてください。

低レバレッジで取引を始める

FX初心者は低レバレッジの取引から始めましょう。

例えば証拠金が14万円あった場合、レバレッジ1倍であれば米ドル/円で1ドル140円のときに1,000通貨の取引ができます。しかしレバレッジ25倍とした場合、14万円の証拠金で2万5,000通貨分の取引が可能です。

買いポジションで保有したとすると、1円円高になったときの損失額は、1,000通貨の場合は1,000円ですが、2万5,000通貨のときは2万5,000円となります。

レバレッジをかけて通貨量を増やしてしまうと、利益が大きくなりますが損失額も相対的に大きくなるため注意が必要です。

トレードの勝率が低いうちは、レバレッジは高くても5倍程度に留めておくことをおすすめします。

証拠金は余裕を持って入金する

FX会社が定めた証拠金維持率を下回った状態のままにしておくと、ロスカットされてしまいます。

初心者のうちはトレードの勝率が低いため、損失で証拠金を減らしてしまうケースが多いかもしれません。常に余裕を持った証拠金維持率を保つよう心がけましょう。FX会社が定めている証拠金維持率を下回りそうなときは、追加で証拠金を差し入れる必要があります。

一般的に証拠金維持率は、FXの取引画面に表示されています。余裕を持った証拠金維持率とは、トレード手法にもよりますが、スキャルピングやデイトレードであれば300%、スイングトレードや長期トレードであれば1,000%が目安です。

損切りラインを事前に決めておく

初心者はトレードをする前に、損切ラインを事前に決めておきましょう。損切りとは、損失覚悟で現在保有しているポジションを決済することで、損切ラインとは損切りをするときの為替レートのことを指します。

FX初心者は含み損を抱えると、根拠もなく反転を期待して放置してしまう傾向があります。運よく反転することもありますが、明確な根拠を持っていないため、放置した結果さらに含み損を増やしてしまいがちです。

FX上級者でもトレードの勝率を100%にすることはできません。仮に反対方向に為替レートが動いた場合、いくらまで含み損が出たら決済をするかあらかじめ決めておき、含み損の拡大を防ぎましょう。

分析方法の勉強をする

FXのチャートを見ていると、買いサイン・売りサインを示す場合があります。

買いサインや売りサインを見つけるときに役立つのがテクニカル指標です。しかし各FX会社は、さまざまなテクニカル指標を用意しているため、自身に合ったものや使いやすいものを見つけなければなりません。

さまざまなテクニカル指標の特徴や使い方など、分析方法を勉強して、実際のトレードに活かすことでトレードの勝率が高まっていくでしょう。

ただしテクニカル指標はセオリーとは異なる動きをする「だまし」もあり、万能な指標はありません。だましに遭う確率を避けるためには、複数のテクニカル指標を組み合わせることが大切です。

デモトレードを利用する

新たに勉強した分析方法を実戦で試したいときは、デモトレードを利用しましょう。デモトレードとは、仮想の資金を使って実戦と同様のトレードができる機能のことです。

デモトレードは仮想の資金のため、トレードで失敗しても、自身のお金を失うことはありません。

ただしデモトレードは、失敗しても自身のお金がなくならないため「実験的なトレード」ばかりしてしまい、トレード経験につながらない場合があります。

デモトレードの取引であっても、損切ラインを定める、売りサイン・買いサインに基づいた判断をするなど実戦同様に取り組むことが大切です。

まとめ

FX取引は初心者でも口座開設に手間がかからず、すぐに始められます。ただしさまざまな取引手法があるため、各取引手法の特徴やメリット・デメリットを理解することが大切です。また各取引手法を理解するうえで、利益の仕組みやFXのリスクについても理解しておく必要があります。どのような取引手法が自身に合っているのか迷ったときは、今回ご紹介した内容を振り返ってみてください。

初心者なのでFXでのような取引手法が自身に合っているかわからない人は、システムトレードを検討してみましょう。インヴァスト証券のシステムトレード「トライオートFX」は、あらかじめ設定した内容に基づいて、機械的・継続的に売買を繰り返します。

既に設定してあるものから選ぶだけでシステムトレードを始められるため、初心者で取引手法に迷っている方は検討してみましょう。