【初心者向け】FXの始め方は?基礎知識や少額取引の注意点を解説

FX初心者の場合、自身にどのような取引手法が合っているかわからない人というもいるのではないでしょうか?この記事では初心者向けに、FXを始める際に知っておくべき知識や、FXの取引手法の種類とメリット・デメリットについて解説しています。これからFXを始めたいと考えている人、まだ自身の取引手法がわからない人はぜひ最後までお読みください。

FXの始め方

細かい手順はFX会社で異なりますが、FXを始めるときは、次の手順で進めていきます。

  1. FX会社を選ぶ
  2. 口座開設を行う
  3. 口座に保証金を入金する
  4. 通貨ペアを選ぶ
  5. 新規注文を発注する

各手順について詳しく解説します。

①FX会社を選ぶ

まずは取引したいFX会社を選びます。FX初心者は少額取引ができるFX会社を選びましょう。これは、為替レートの値動きによって被る損失額は、少額取引のほうが少ないためです。

例えば米ドル円の通貨ペアで1ドル100円1万通貨を購入した場合、1円円高になると1万円の損失が生じます。しかし1ドル100円1,000通貨を購入して、1円円高になった場合の損失額は1,000円です。

その他、FX会社を選ぶ際は以下の内容を比較すると良いでしょう。

  • 最低取引単位が小さいものから選ぶ
  • スプレッドの狭いものから選ぶ
  • 取引ツールの使いやすさから選ぶ
  • 約定力の高いものから選ぶ

FX会社の選び方については、以下の記事でより詳しく紹介しているため参考にしてください。
FXを少額で始めるメリット・デメリット|少額取引に適したFX会社の選び方も紹介

②口座開設を行う

取引したいFX会社が決まったら、公式サイトから口座開設の申し込みをしましょう。所定の入力フォームに入力後、重要事項を確認し、必要書類を送付します。FXの口座開設で必要になる書類は、マイナンバー確認書類本人確認書類の2つです。

【マイナンバー確認書類】

  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • マイナンバー付き住民票の写し

【本人確認書類】

  1. マイナンバーカード
  2. 運転免許証
  3. パスポート
  4. 在留カード
  5. 外国人登録証明書
  6. 住民基本台帳カード
  7. 各種健康保険証
  8. 住民票
  9. 年金手帳
  10. 印鑑登録証明書

1~6は1点、7~8は2点必要です。

なおマイナンバーカードはマイナンバー確認書類、本人確認書類のいずれの役割も果たすため、マイナンバーカードがあれば必要書類は1点のみです。

口座開設後FX会社の審査を受け、問題なければ口座が開設されます。口座開設をスムーズにするために、申込フォームに誤りのないよう正確に入力しましょう。入力内容に不明な点があると、FX会社で確認が必要になり、口座開設までに時間がかかる可能性があります。

③口座に保証金を入金する

保証金とは自身のFX口座に預け入れておく資金のことで、取引をするうえでの担保の役割を果たします。

FXはレバレッジをかけることで、自己資金よりも多くの取引ができます。そのため万が一損失が発生しても決済ができるように、口座に一定の金額を預けておく必要があるのです。

FX口座に保証金を入金する方法は各社さまざまですが、「振込手数料無料」「スピーディに入金できる」など自身に合ったものを選びましょう。

【保証金の入金方法(一例)】

  • FX取引ツールの入金機能を利用する
  • インターネットバンキング
  • 銀行窓口
  • コンビニATM

④通貨ペアを選ぶ

口座を開設したら、通貨ペアを選びましょう。流通量が少ない通貨は価格変動が大きくリスクが高い傾向があります。そのため初心者は「メジャー通貨」と言われる流通量の多い通貨のペアで始めるのがおすすめです。

【メジャー通貨の通貨ペア】

  • ユーロ/米ドル(EUR/USD)
  • 米ドル/円(USD/JPY)
  • 米ドル/ポンド(USD/GBP)
  • 米ドル/豪ドル(USD/AUD)
  • 米ドル/カナダドル(USD/CAD)

通貨ペアの選び方についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
FX初心者におすすめの通貨ペア5選|選び方や取引成功のコツも説明

⑤新規注文を発注する

取引したい通貨ペアが決まったら、新規注文を発注します。発注方法はいくつかありますが、ここでは基本的な発注方法として、「成行注文」「指値注文」「ストップ注文」を紹介します。

  • 成行注文
    値段を指定せず、現在の価格で即座に注文する方法です。買いの成行注文を出した場合、すぐにエントリーできるため、利益が狙えそうなチャンスがきたときに即時に注文が出せます。
  • 指値注文
    現在よりも有利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。指値注文を出しておけばFXのチャートを見ていなくても自動的に注文が成立します。主に利益確定や新規注文で使用されます。
  • ストップ注文
    逆指値注文とも言われ、現在よりも不利なレートで買いたい(または売りたい)ときに為替レートを指定して注文する方法です。ストップ注文を出しておけばFXのチャートを見ている必要がありません。主に新規注文や損切り注文で使用されます。

⑥ポジションを決済する

ポジションとは新規注文をして、まだ決済していない契約の残高のことです。また保有しているポジションは、新規注文と反対の売買をすることで決済をします。つまり保有している買いポジションは売り注文、保有している売りポジションは買い注文を出すことで決済となります。

FXを始める際に知っておくべき知識

FXで利益を狙うためには、利益が発生する仕組みとリスクについても知っておく必要があります。FXはどのような利益があるのかということや、リスクの種類についても紹介します。

FXで利益が発生する仕組み

FXの利益には「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」の2つがあります。

  • インカムゲイン
    インカムゲインとは、資産の保有によって得られる利益のことです。不動産を購入して他人に貸し出す不動産投資で得られる家賃収入は、代表的なインカムゲインです。その他、株式投資の配当金、投資信託の分配金などもインカムゲインです。
  • キャピタルゲイン
    キャピタルゲインとは、保有している資産価格が上昇し、売却することで得られる売却益のことです。不動産の建物や土地、株式、投資信託などを売却して得られる利益がキャピタルゲインにあたります。

FXにおいては、為替レートの値動きによって得られる為替差益がキャピタルゲイン、ポジションを保有することで毎日のように得られるスワップポイントがインカムゲインにあたります。

FXのリスク

FXではどのような要因で価格変動が起こるのでしょうか。FXのリスクについても知っておきましょう。

  • 価格変動リスク
    為替レートが、自身の予想と反対方向に価格が変動した場合に損失が生じるリスクのことです。為替レートは各国の金利や景気、地政学リスクなどさまざまな要因で24時間絶えず変動する可能性があります。
  • 信用リスク
    取引をしているFXの信用状況などの悪化により、顧客に損失が発生する可能性があります。またFX会社は注文に対するリスクヘッジとして銀行や証券会社とカバー取引を行いますが、カバー先の信用状況でも顧客に損失が発生する場合があります。
  • 流動性リスク
    主要国での祝日や市場の取引時間でスプレッドが拡大したり、取引成立が困難になったりするリスクのことです。流動性とは換金のしやすさのことで、換金が難しい状況を「流動性が低い」、換金がしやすい状況を「流動性が高い」と言います。
  • レバレッジ
    レバレッジをかけた分、損失が発生した場合の損失も大きくなるリスクのことです。レバレッジ1倍で1万円の損失が出たトレードを、仮にレバレッジ25倍で行ったとすると損失額は単純計算で25倍の25万円になります。

FXの取引手法

FXには短期間でキャピタルゲインを狙う方法から、長期間にわたってインカムゲインを狙う方法までさまざまな取引手法があります。ここではFXの5つの取引手法について解説します。

 メリットデメリット
スイングトレード常にチャートを見ている必要がないトレンド転換で見直しが必要になる
デイトレード短期間のトレードを何度も繰り返して利益を積み重ねるため、短期間で大きな利益が狙える為替差損が重なると損失が大きくなる
スキャルピングデイトレードよりも短期間のトレードを何度も繰り返して利益を積み重ねるため、短期間でデイトレードよりも大きな利益が狙える可能性があるデイトレードよりもさらにリスクが高い
長期投資常にチャートを見ている必要がないトレンド転換で見直しが必要になる
システムトレード・常にチャートを見ている必要がない ・既に設定済みのものを選ぶことですぐに運用が始められる・相場の急変動に対応しきれないことがある ・取引手数料とスプレッドの両方がかかる場合がある

スイングトレード

数日から数週間というスパンでポジションを保有して、中長期的に大きな利益を狙うトレード手法です。長期間ポジションを保有することで、期間中はスワップポイントによる利益も得られます。

スイングトレードは長期的な値上がり益を狙う取引のため、常時FXチャートと向き合う必要はありません。しかし要人発言や、重要な経済指標の発表、あるいは戦争や天災といった地政学リスクで大きくトレンド転換する可能性があります。

スイングトレードは常にFXチャートと向き合う必要がないため、仕事や家事で忙しく投資に時間をかける余裕がない人に向いています。またスワップポイントを利用して、ゆっくり時間をかけて資産を増やしたい人にもおすすめです。

デイトレード

数時間から1日という短い時間、ポジションを保有する取引です。ポジションを翌日に持ち越すことはありません。1日に数回売買する場合もあるため、短期間で大きな利益が狙えますが、価格が想定外の方向に動いた場合は損失が大きくなる可能性があります。

デイトレードはキャピタルゲインで利益を狙う取引手法のため、為替レートが頻繁に動く欧州時間や、ニューヨーク時間にトレードできる時間が確保できる人に向いています。

関連記事:FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴

スキャルピング

数秒や数分といったきわめて短い時間、ポジションを保有する取引です。1日に何度も売買をして利益を積み重ねるため、大きな利益が狙える可能性があります。しかし頻繁に行われるトレードで利益を出す必要があるため、リスクが高い取引手法です。

スキャルピングは瞬時に利益確定、損切りの判断が必要になるため、判断力、決断力がある人に向いています。

関連記事:FXのスキャルピングとは?メリットやデメリット・成功するやり方

長期投資

数週間を超えるスパンでポジションを保有し、長期間にわたって大きな利益を狙う取引手法です。ポジションを保有している期間中はスイングトレード同様、スワップポイントも狙えます。長期投資もスイングトレードと同様、常時FXチャートに向き合う必要はありませんが、トレンド転換に注意する必要があります。

長期投資も頻繁に売買するものではないため、忙しくてFX取引に時間を割けない人に向いている取引手法と言えるでしょう。

システムトレード

システムトレードとはFXの売買が自動でできる仕組みのことです。あらかじめ設定した内容に基づいて機械的・継続的に売買を繰り返します。自身の就寝中や仕事中も要件を満たせば自動的に注文・決済を行うため、24時間トレードチャンスを逃しません。ただし相場の急変などに対応できないケースがあり、定期的に自動売買の設定を見直す必要がある点には注意が必要です。また取引手数料とスプレッドが重複してかかる場合があります。

システムトレードの設定は自身で1から行う必要はなく、あらかじめ用意されている設定から選べるタイプもあるため、初心者に向いている取引手法と言えます。

少額でFX取引を行う際の注意点

初心者がFX取引をするときは少額から取引することをおすすめしますが、注意点もあります。少額取引の注意点についても確認しておきましょう。

得られる利益は少ない

同じ条件でトレードをした場合、少額取引のほうが損失額を抑えられますが、その一方で得られる利益も少なくなります。

米ドル円の通貨ペアで1ドル100円、1万通貨を購入した場合、円安で101円になれば1万円の利益になりますが、取引を1,000通貨で行った場合の利益額は1,000円です。

初心者のうちは少額で取引をしてその間にチャート分析やファンダメンタルズ分析を勉強して、トレードの勝率が上がってきた段階で取引額を増やすことを検討してみると良いでしょう。

ロスカットされやすい

ロスカットとはFX会社が定めた水準を保証金(証拠金)が下回り、追加保証金を一定期間内に差し入れなかった場合などに、現在のポジションがすべて強制決済される仕組みのことです※。

ロスカットは本来、投資家の損失拡大を防ぐためのものですが、実行されると多くの保証金を失ってしまいます。少額取引だからといってFX口座にある保証金も少額だと、ロスカットが起こりやすいため注意が必要です。

レバレッジを低くするか、保証金の金額を増やして取引をするように心がけましょう。

※追加保証金のルールがないFX会社もあります。

まとめ

FX取引は初心者でも口座開設に手間がかからず、すぐに始められます。ただしさまざまな取引手法があるため、各取引手法の特徴やメリット・デメリットを理解することが大切です。また各取引手法を理解するうえで、利益の仕組みやFXのリスクについても理解しておく必要があります。どのような取引手法が自身に合っているのか迷ったときは、今回ご紹介した内容を振り返ってみてください。

初心者なのでFXでのような取引手法が自身に合っているかわからない人は、システムトレードを検討してみましょう。インヴァスト証券のシステムトレード「トライオートFX」は、あらかじめ設定した内容に基づいて、機械的・継続的に売買を繰り返します。

また、エージェントというキャラクターが過去のトレードを学習し、学習内容をトレードに反映させるAIを活用した「マイメイト」というシステムトレードもあります。「トライオートFX」「マイメイト」はいずれも既に設定してあるものから選ぶだけでシステムトレードを始められるため、初心者で取引手法に迷っている方は検討してみましょう。