
FXはリスクが高いので少額からスタートしたいと考えている人は多いかもしれません。実際、FXは少し余裕を持って2万円から5万円の資金があれば取引は可能です。この記事では、少額でのFX取引を始めたい人のために、少額でのFX取引のメリットとデメリットについて解説しています。また最後に、少額取引に適したFX会社の選び方についても解説しています。少額でのFX取引を検討している人は参考にしてください。
FXを少額で始めるメリット
FXを少額で始めるメリットは主に以下の4つです。
- 必要資金が少ないため手軽に始められる
- 大きな損失を防止できる
- 少額取引を通じて「実践知識」が身につく
- ポジションを複数持ちやすい
各メリットについて詳しく解説します。
必要資金が少ないため手軽に始められる
FXはリスクが高いというイメージを持つ人は多いかもしれませんが、以前よりも少ない取引単位で取引ができるようになっています。そのため、手軽に始められるうえ、少額で経験を積むという使い方にも活用できます。
大きな損失を防止できる
FXで取引する金額を少額にしておけば、仮に損失が発生したとしても、そもそもの取引額が少ないので損失は限定的になります。
少額取引を通じて「実践知識」が身に付く
FX取引でも少額取引であれば、大きな損失は発生しないので、何度でも取引に挑戦できます。FXの知識を身につけるには、本やインターネットなどでの情報収集も有効ですが、トレードの実践に勝るものはありません。
また、少額なので心理的な抵抗を感じること無く、自分なりの考え方を数多く検証できます。さらに、取引の流れや自分の負けパターン、勝ちパターンの把握など、少額取引を通じて豊富な実践知識が身につきます。
ポジションを複数持ちやすい
FXでは買いポジションや売りポジションを持つと、決済をするまで自由に資金を使えなくなります。
例えば、有効証拠金が50,000円手元にある状態で、1ドル125円で1,000通貨、レバレッジ25倍で購入したとします。この場合必要証拠金は5,000円なので、購入すると有効証拠金は5,000円減少して、45,000円になります。
この5,000円は、決済をしない限りは自由に資金を使えません。ただし、このケースでは1,000通貨と比較的少額で取引をしているので、有効証拠金が少なくてもポジションを保有できています。少し極端ですが、理論上あと9つは同じポジションを持てるということです(5,000円×9=45,000円)。
このように、少額で取引をすると有効証拠金が少なくても、複数のポジションを持つことができます。
複数の価格帯のポジションを持つことは、分散投資の効果があります。また、複数のポジションを持てることで、複数の国の通貨に分散投資をすることも可能です。
投資において分散投資はリスクを軽減する効果があると言われています。複数ポジションを持つことで、FXでも一定の分散投資効果を働かせることができます。
FXを少額で始めるデメリット
一方で、FXを少額で始めるうえで考えられるデメリットを3つ紹介します。
- 狙える利益は少ない
- 損益額も小さいためトレードに緊張感があまりない
- ロスカットされやすい
狙える利益は少ない
10,000通貨を購入して10,000円の利益が出る取引に対して、1,000通貨分しか購入していなければ当然利益も10分の1の1,000円になります。
少額投資のFXは、トレードの経験を積むことはできても、大きな収益には繋がりにくいでしょう。
損益額も小さいためトレードに緊張感があまりない
取引額が少額だと、損益が小さいためトレードに緊張感が生まれない可能性があります。少額だからといってトレードが雑になっては、肝心の実践知識に繋がっていきません。
トレード額が少額のときは、利益額ではなく、利益率を重視してトレードするなどの工夫が必要です。
ロスカットされやすい
少額でトレードできると、複数のポジションを持てるので、ポジションを増やしてしまいがちです。売りポジション、買いポジションいずれのケースも保有しているポジションが偏っていると、為替レートが上下したときのインパクトも相応に大きくなります。
ロスカットにも繋がりやすいので、少額トレードをするときは過度に多くのポジションを持つことは避けましょう。また、高レバレッジのトレードもロスカットに繋がりやすいので、有効証拠金が少ないときは、レバレッジの低いトレードをおすすめします。
FX初心者はいくらから始めるべき?
FXはレバレッジを利用すると、少ない自己資金で始めることができます。米ドル/円で1ドル130円のときに、1,000通貨をレバレッジ25倍で購入すると、5,200円あればトレードはできる計算です。
少額トレードでもリスクを抑えたい人は、レバッジを10倍にすると必要資金は13,000円になります。
ただし、仮に5,200円で米ドル/円の為替ポジションを持っていたとしても、有効証拠金も5,200円になっていると、FX会社によっては、下落した瞬間にロスカットになってしまうかもしれません。FX口座には、少なくとも保有しているポジションにかかる必要証拠金の3倍程度の資金(有効証拠金)は入れておきましょう。
実質、FX初心者が始める場合、米ドル/円、為替レート130円のときに1,000通貨での取引なら、目安として少し余裕を持って2万~5万円位の資金は用意しておきたいところです。
少額取引に適したFX会社の選び方
FX会社のなかには、少額取引に適している会社もあります。少額取引ができるFX会社選びのポイントは次の4つです 。
- 最低取引単位が小さいものから選ぶ
- スプレッドの狭いものから選ぶ
- 取引ツールの使いやすさから選ぶ
- 約定力の高いものから選ぶ
最低取引単位が小さいものから選ぶ
FXの最低取引単位とは、取引に必要な最低取引通貨の単位のことです。
例えば、最低取引単位1,000通貨であれば、1,000通貨単位で購入することができます。
米ドル/円の通貨ペアで、1ドル100円のとき、最低取引単位10,000通貨なら100万円から取引が可能。最低取引単位1,000通貨であれば、10万円から取引が可能になります。
つまり、最低低取引単位が小さいFX会社の方が、少額で柔軟な買い付けが可能ということになります。
少額のFX取引をするときは、最低取引単位が小さいFX会社を選びましょう。
スプレッドの狭いものから選ぶ

スプレッドは通貨の売値と買値の差額のことで、FX取引の実質的なコストにあたります。少額のFX取引は、取引額が少ないため、利益も少ない傾向があります。少しでもFXトレードの利益を残すために、スプレッドはなるべく狭いFX会社を選びましょう。
取引ツールの使いやすさから選ぶ
少額でFX投資をするときは、取引ツールが使いやすいFX会社を選びましょう。
使いやすい取引ツールの事例としては、下記が挙げられます。
- わかりやすいアイコンを使っていて、各ボタンがどのような機能を持っているのかがすぐにわかる
- 少ないステップで売買ができる
- 自分の使いやすい画面にカスタマイズできる
- チャートやテクニカル指標が充実している
- 経済ニュースが充実している など
約定力の高いものから選ぶ
投資家が希望通りの価格で約定できる力のことです。約定力が無いと、自分が希望する金額よりも高値、あるいは安値で約定してしまう可能性があります。少額でのFX取引は利益が少ない傾向があるので、FX会社の約定力は重要な問題です。
投資家が希望した金額で約定できる確率のことを約定率と言います。少額でのFXは約定率の高いFX会社を選びましょう。
まとめ
少額でのFX取引は十分可能です。FXを少額で始める場合、もともとの投資資金が少ないので損失が出ても少額である、何度でもトレードに挑戦できるので実践知識が身につく、といったメリットがあります。一方、投資資金が少ないので、利益が少ない、つい投資への緊張感が薄れてしまうといったデメリットもあります。少額FX取引のメリットとデメリットを理解して、自分にあったFX会社を選びましょう。