FXを始める前に知っておきたいFXの危険性/リスク6選|失敗を回避するコツも紹介

FXにはレバレッジという制度があるため、少額投資でも大きく利益を狙うことが可能です。しかしその制度ゆえに、大きな損失を被ることがあるのも事実。これが「FXは危険」と言われる理由です。また、FXは海外通貨の売買になるので、地政学的なリスクが高まります。

危険やリスクばかりが取り沙汰されるFXですが、事前にリスクを把握しておけば大きな損失を被ることは回避できます。そこで今回は、FXの危険性に迫りつつ、リスクを回避する方法を紹介します。

FX取引の危険性・リスクは何がある?

FX取引には次のようなリスクが潜んでいます。

  • 為替変動で損失が発生するリスク
  • 元本割れが起こるリスク
  • 金利変動で損失が発生するリスク
  • レバレッジ効果で大きな損失が発生する危険性も
  • 取引が成立しないリスク
  • 両建てでスプレッド(手数料)が利益を圧迫するリスク

6つのリスクを挙げていますが、要約するといずれも意図した取引ができずに損失を被るリスクがある、ということです。ただし、これらは後述するリスク回避の方法を知っていれば、リスクを減らして運用できる可能性が高まります。

為替変動で損失が発生するリスク

為替変動とは、自国の通貨と他国の通貨を変換する際の変換比率(為替レート)が変動することを言います。たとえば「1ドル=100円」で購入したのちに「1ドル=110円」になった場合、差額によって10円の利益が発生します。逆に「1ドル=90円」になった場合は、10円の損が発生します。

この変動は景気や金利などのさまざまな理由によって発生。為替レートはどちらに動くか分からないため、利益が出ることもあれば損失が出ることもあります。特に重要経済指標の発表時や、相場の閑散期には手仕舞いと考える投資家が多いため、相場が荒れやすい傾向にあります。こうした状況で、ポジションを保有していると大損失を被る可能性が高まります。

元本割れが起こるリスク

FXは銀行や保険商品のように元本保証はありません。あくまで投資なので、元本割れが起こるリスクを孕んでいます。

たとえばレバレッジのかけ過ぎや相場の急変、手数料負けなどによる元本割れが考えられます。

FXでは元手の数倍以上の取引ができるレバレッジという仕組みがあります。詳しくは後述しますが、レバレッジは最大25倍までかけられるので、大きな利益を狙うこともできますが、その分、損失額も大きくなるため、元本割れのリスクが高くなります。また、予想の反対に相場が急変した場合も元本割れを起こしやすくなります。

手数料負けとは、実質的な手数料であるスプレッド(売値・買値の差額)によるコストが利益よりも大きくなることを言います。スプレッドにより発生するコストは常に損失に反映されているため、スプレッドは口座開設や取引手数料など、ほかの手数料のように口座から引き落とされたりすることはありません。

そのため、スプレッドを計算に考慮せずに取引をしてしまうと、スプレッドにより発生したコストが利益を上回る「手数料負け」という現象が起きてしまうのです。場合によっては元本割れするほどの手数料負けを起こす可能性もあるので、取引の祭はスプレッドによる実質的なコストが発生することも念頭に置いておきましょう。

金利変動で損失が発生するリスク

FXでは為替変動のほかに、スワップポイント(金利差)によって利益を得られます。低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、金利差による利益を得るという仕組みです。「低金利売りと高金利買い」の通貨ペアを保有していれば、売買せずとも自動的にスワップポイントによる利益を得られるため、リスクのない投資方法だと思われる方もいるでしょう。

しかし、金利は各国の政策によって変動します。そのため、これまでスワップポイントによる利益が発生していたとしても、政策金利によっていきなりマイナスに転じることもあるのです。また、市場の混乱といった理由で、両方とものスワップがマイナスに転じるケースも考えられます。このようなことにより、損失が発生するリスクがあるということを覚えておきましょう。

レバレッジ効果で大きな損失が発生する危険性も

レバレッジとは証拠金を担保に、その証拠金の数倍以上の取引ができる仕組みです。最大25倍のレバレッジをかけられる仕組みにより、小さな元手で大きな利益を狙うことも可能ですが、その分、マイナスに転じた場合の損失額も大きくなります。

上記の図のように100万円の証拠金でレバレッジ25倍の取引をした場合、1ドル101円に上がれば25万円の利益を得られますが、1ドル99円に下がると25万円の損失が出ます。しかし、同じ100万円の証拠金でもレバレッジ1倍、つまりレバレッジをかけずに取引した場合、1ドル100円が1ドル99円に下がったとしても1万円の損失で済みます。

レバレッジをかけられるのはFXの魅力の1つではありますが、リスクを考えずに大きくかけ過ぎて損失が出た際には大損をする可能性が高いということを留意しておきましょう。

取引が成立しないリスク

相場やシステムの状況によっては、希望するタイミングでの取引ができない可能性があります。たとえば次のようなケースです。

  • 通貨の取引量が少ない場合(流動性が低いケース)

通貨の取引量が少ないと少数の買い手と売り手でやり取りしなければいけないため、取引が成立しづらくなります。また、早朝など、時間帯によっても流動性は下がります。このリスクを回避するには取引量の多い通貨を選ぶ、また流動性の低い時間帯を避けるなどの対策が大切です。

  • 取引システムやネット回線がダウンした場合

システムやネット回線がダウンするなどのトラブルで注文が発注できないケースです。これらは避けようがないので、対応策としてFX会社のサポートに電話したり、複数のネット回線を用意したりしておくしかありません。

  • 為替レートの配信が止まった場合

政策変更や戦争、天災などが原因の相場急変等により、正常な為替レートの配信ができなくなった場合、レートの配信が止まり、発注ができなくなるケースもあります。配信が止まる頻度があまりに多い場合は、FX会社の変更も検討しましょう。

こうしたケースにより希望のタイミングで取引ができなくなると、特に損切りしたいときに大損するおそれがあるので注意が必要です。

両建てでスプレッド(手数料)が利益を圧迫するリスク

両建てとは同じ通貨で買いポジションと売りポジションを同時に保有する手法のことです。上手く利用できればリスクヘッジや税金対策に有効な手法ですが、次のようなデメリットがあることも抑えておく必要があります。

  • 手数料(スプレッド)が二重にかかってくる
  • スワップポイント“基本的”にマイナスになる

両建てした場合、双方のポジションでスプレッドが発生します。流動性が低いタイミングや相場が急変動するタイミングなど、売買のタイミングによってはスプレッドが広がるケースもあるため、取引コストが利益を上回る可能性も考えられます。

また、買いポジションと売りポジション、どちらのスワップポイントも受け取りになることはあり得ません。双方のスワップポイントの金額を合算するとマイナスになることもあり、両建てを長期間続けてしまうとスワップポイントを支払い続ける毎日を送ることになります。

FXの口座開設自体には危険性はない

これまでFXに関するリスクを紹介してきましたが、口座を開設するだけでそのリスクを被ることはありません。特に内閣総理大臣の登録を得て運営している国内FX会社の口座であれば、口座開設に費用が発生することもないので安心してください。

ただし、国内FX会社のなかには違法業者も紛れていることもあるので、登録業者か確認したうえで口座を開設するようにしましょう。

FXで失敗する人の特徴

FXで失敗する人には次のような特徴があります。

  • 損をしたくない気持ちが強い人
  • 勘で取引をする人
  • 一発逆転を狙っている人

FXで失敗する人に最も多い特徴の1つに「損切りできない」ことがあります。損切りとは、相場が予想と反する動きをした際に早めに損益を確定すること。特に初心者のうちは損をしたくない心理から「もう少ししたら相場が回復するかもしれない」という期待を持ってしまうため損切りが遅くなり、最終的にロスカット(強制決済)されて、損失が大きくなるケースが多々あります。

また、FXは「なんとなく今が買い時(売り時)」で利益が出るほど甘い世界ではありません。ビギナーズラック的に運が良ければ利益が出ることもあるでしょうが、そんなラッキーは長く続きません。全世界からトレーダーが集まるFXでは投資のプロも参戦しています。そうした人たちと戦っていくためには勘や運ではなく、知識や技術に裏付けされた根拠を基に取引する必要があります。

さらに、「FXで一発大儲けしてやろう」と考えている人も要注意。FXでは元本である証拠金に対して最大25倍の取引を行えますが、少しの値動きで損失が大きくなる危険性があります。損失が大きくなればロスカットされる可能性が一気に高まります。また、FX会社が定める証拠金維持率を下回った場合は追加で証拠金を入金しなければいけない追証リスクもあるので、FX取引に慣れて、余剰資金ができるまでは少額取引を心がけるようにしましょう。

FXの危険性・リスクを上手に回避する3つのコツ

これまで紹介してきたFXのリスクは、次のコツをおさえることで回避できる可能性が高まります。

  • 損切り・利確ラインを決めておく
  • 強制ロスカットラインを把握しておく
  • 余剰資金で取引する

特に「利益が出ていても損失が出ていても、一定のラインで決済する」というルールはとても重要です。特に初心者は相場の動きに感情的になることが多く誤った判断を下しがちです。FXで重要なのは冷静な判断力なので、事前に一定のラインを決めておき、そのラインに従って淡々と取引を行いましょう。

損切り・利確ラインを決めておく

特に初心者の場合はチャートの上下に感情を揺さぶられてしまうため、誤った判断を下しがちです。相場は急に乱高下することもあるため、感情に左右された取引をしてしまうと、損失を大きくする可能性が非常に高くなります。そのため、利益が出ても損失が出ても「ここで確定する」というラインを決めておきましょう。

一定のラインを決めておくことで、大きな利益は出づらくなりますが、大きな損失を被ることも回避できます。ちなみに利確と損切りラインの比率のことをリスクリワードと言います。

強制ロスカットラインを把握しておく

証拠金以上の損が出ないようにしてくれるロスカットは投資家の強い味方とも言える存在ですが、一度ロスカットされるとその損失は簡単には取り戻せません。意図しないトレード結果になるため、現在、保有しているポジションにおいて、どの程度の損失がでるとロスカットになるかを把握しておくことが大切です。

また、FXにおいてはレバレッジが醍醐味でもありますが、ハイレバレッジでトレードした場合、1回の取引でロスカットされる可能性もあります。そのため、慣れるまではレバレッジをかけない、もしくは2~3倍程度の少ないレバレッジでトレードを行いましょう。ハイレバレッジを避ければ、損失が出たとしてもロスカットされる確率を抑えられます。

余剰資金で取引する

FXをはじめ、投資は余剰資金を使って行うのが基本です。生活費や貯蓄費から資金を捻出してしまうと、損失が大きくなったときに生活や将来設計が立ちゆかなくなります。特にこうした必要資金で投資をはじめてしまうと、「絶対に負けられない」という感情が働くため、損切りが遅れたり、無謀な賭けに出たりするケースもあります。

家族がいる場合は、家族の生活にも影響が及ぶことになり、最悪の結果を招きかねないため、必要資金とは別で余剰資金が確保できる場合にのみトレードを行いましょう。

まとめ

登録業者であれば、FX口座を開設するのにこれといった危険性はありません。リスクが発生するのは取引を開始してからです。しかし、そのリスクも事前に把握して、対策を取っていれば最小限に抑えられる可能性があります。。そのため、まずはFXのリスクとその対策法の理解が必須。「一発大儲けしてやろう」と考えるのではなく、少ないレバレッジで安全な取引を心がけましょう。