
短期の相場見通し
S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4360とします。
米国経済は好調で、賃金インフレもようやく落ち着いてきました。
そのようなことを踏まえて連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は先月のニューヨーク経済倶楽部のスピーチで「米国経済の現状に満足している」と述べました。
米国の政策金利はフェデラルファンズ・レートで、略してFFレートと呼ばれることもあります。現在の水準は5.25~5.50%です。最後に利上げがあったのは今年の7月です。パウエル議長が更なる利上げの必要性を強調していない以上、7月が最後の利上げだったと思って良いでしょう。
FFレートが水平飛行に入ったことで米国株は投資家から見直されると思います。
現在のS&P500指数の株価収益率は17.1倍であり過去10年間の平均(17.5倍)より割安です。
例年、11月、12月、1月は相場が良い月であることが知られています。ここは積極的に買い向かうべきでしょう。
米国経済の現況
先に発表された第3四半期GDP速報値は前期比年率+4.9%と予想を上回る強い数字でした。
一方9月のCPIは前年同期比+3.7%でした。これは未だやや高水準ではあるものの去年の6月の+9%に比べればずいぶん下がったという風にポジティブに捉えることも出来ます。
10月に長期金利が上昇したことを受けて住宅ローン金利や自動車ローン金利も上昇し、それが消費に影を落とすと見られています。10年債利回りは一時5.0%を超える水準まで上昇しましたが、今後景気にかげりが見えるに従って利回りは低下へ向かうことが予想されます。
企業業績
いま米国は第3四半期の決算発表シーズンの真っ只中です。
これまでS&P500指数採用企業の約半分が決算発表を終えており、EPSでは78%の企業が事前のコンセンサス予想を上回りました。これは過去10年の平均74%を上回っています。
次に売上高では62%の企業が事前のコンセンサス予想を上回っています。過去10年の平均は64%なのでこれは過去平均より悪いと言えるでしょう。
今後の業績に関しネガティブなガイダンスを出した企業は67%で、過去10年の平均64%を上回っています。
なおS&P500指数の四半期EPSは2022年の第4四半期、2023年の第1四半期、同じく第2四半期と3期連続で前年同期比マイナスが続きました。

(出典:ファクトセット)
しかし2023年第3四半期からは再びプラスに転じると見られています。
注目ETF
上に見たようにインフレが鎮静化することで長期金利が下がり、さらに企業業績もボトムを打って反転するのならば株式は買いです。今月から強気に転じたいと思います。
iシェアーズ・ラッセル2000ETF(IWM)は小型株のETFですがこのところこっぴどく売られていたので反発も大きくなることが予想されます。
パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1ETF(QQQ)はナスダック100指数のETFです。これもロングすべきだと思います。
SPDR S&P500 ETF(SPY)は米国を代表する大型株指数、S&P500指数採用銘柄に投資するETFです。トレーディングに好適だと思います。
テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLK)はテクノロジー関連株に投資するETFです。こちらも買いチャンスです。
一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド(XLY)はウォルトディズニー、スターバックスのような一般消費財の銘柄を組み入れたETFです。こちらも買い時だと思います。