
■短期の相場見通し
S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4300とします。

目先の節目は5月上旬につけた4238.04の高値です。これを超えると株価の足取りが軽くなる可能性もあります。その反面、歴史を紐解くと6月は経験則的にあまり株式市場は冴えないことが多いです。

つまり株式市場的には今はあまり多くのものを望めない局面だと言えます。
■米国経済の現況
一方、米国経済の現況はすこぶる良いです。新型コロナワクチンの接種は順調に進捗し、これまでに米国民の約半分が少なくとも1回目の注射を済ませています。
注射を済ませた国民はシッピングモールに繰り出しています。行楽も再開しはじめています。
夏のドライブ・シーズンを迎え、全米平均レギュラー・ガソリン価格は1ガロン当たり3ドルの大台に乗せています。

ガソリンの消費が捗ると自ずと原油に対する需要も上向きます。

経済再開に際して突然需要が増えた関係で財の供給が追い付かないミスマッチが随所で発生しています。このようなボトルネックが素材や労働力の価格を一部押し上げる原因となっています。
現時点ではこれは一過性の問題だと考えられており、物価はいずれ鎮静化すると見られています。
失業率は6.1%まで改善してきました。

つまり全体として経済指標は改善しており新型コロナ発生が引き起こした経済の非常事態はノーマルに戻ったと形容しても誇張ではありません。
■企業業績
2021年第1四半期の決算発表シーズンはS&P500採用企業の86%がEPSで事前のコンセンサス予想を上回りました。ガイダンスを引き上げる企業が相次ぎ、来期以降の予想数字もじりじり上昇しています。2021年のS&P500の一株当たり利益(EPS)のコンセンサス予想は188.54ドルとなっています。これは去年に比べると+34.2%成長ということになります。

■注目ETF
経済再開で原油価格も上昇中ですのでまずWTI原油連動ETF(コード:USO)に注目したいと思います。
一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド(コード:XLY)に組み込まれている銘柄も恩恵をこうむると予想されます。
好景気で長期金利が上昇すると貸付け利ザヤ拡大への期待から銀行株が買われます。金融セレクト・セクターSPDRファンド(コード:XLF)が恩恵を受けます。
エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(コード:XLE)は石油株などのエネルギー関連銘柄を多く組み込んでいます。
最後にSPDRゴールドシェア(コード:GLD)もタイムリーだと思います。