9月6日(金)、8月の米国の雇用統計の結果が発表されました。
非農業部門雇用者数
8月の非農業部門雇用者数は予想16万人に対し結果14.2万人でした。
なお6月の数字は17.9万人→11.8万人へ、7月の数字は11.4万人→8.9万人へと下方修正されています。それらと合わせて今回の数字を考えると雇用は一段と減速したと言えます。
失業率
8月の失業率は予想4.2%に一致する4.2%でした。
7月の4.3%に比べると少し失業率が改善したので、失業率がスパイラル的に上昇するリスクはいまのところ回避できているように思われます。
平均時給の増減
8月の平均時給は14¢の上昇でした。
この数字は予想外に強かったと思います。パウエル議長は前回の連邦公開市場委員会(FOMC)で「もう賃金がインフレを押し上げるリスクは去った」と発言しましたが、実際にはまだ賃金は上昇しているわけです。
まとめ
これらのことを総合すれば来る9月18日のFOMCでは−0.25%の利下げが行われることがほぼ確実だと思われます。
一部の市場参加者が想定していた−0.50%の引き下げは上のデータを見た限りでは必要ないと思います。
ただし9月6日にクリストファー・ウォーラー理事は「今後経済統計が一層悪化した場合に限ってもっと断固とした措置を講ずる必要もある」とスピーチし、11月以降に−0.50%の利下げをする選択肢だけは確保するカタチになりました。
今回の雇用統計は米国経済がハチャメチャになっていることを示していません。じわじわと、整然とした減速が進行しているだけです。景気が突然失速するような兆候はいまのところ無いです。 そうなのであれば9月18日のFOMCでいよいよ政策金利のベクトルが下向きになれば、市場はそれを好感し、マーケットは出直る公算が高いです。