消費者物価指数の結果

消費者物価指数

8月10日(木)に発表された7月の消費者物価指数は前年同月比+3.2%でした。

(出典:セントルイスFRB)

変動の激しいエネルギーや食品を除いたコア指数は前年同月比+4.7%でした。

これらの数字はいずれも事前のコンセンサス予想より少し低かったです。それは今後の連邦準備制度理事会(FRB)の采配が余り変化しないことを示唆しています。

連邦公開市場委員会の予想

次の連邦公開市場委員会(FOMC)は9月20日に予定されています。市場参加者は90%の確率で現行のフェデラルファンズ・レート5.25~5.50%が堅持されると予想しています。つまり利上げは見送られるというのがコンセンサスになっています。

その次のFOMCは11月1日ですが、政策金利は動かないと考える市場参加者が6割、0.25%の利上げがあると考えるトレーダーが3割となっています。

もし波乱があるとすれば…

これらの予想にもし波乱があるとすればそれは原油価格だと思われます。

(出典:セントルイスFRB)

原油価格は2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したというニュースで一時120ドルを超える水準まで急騰しました。しかしその後戦局が膠着するにつれて一貫して下落してきました。米国のインフレが鎮静化したひとつの大きな理由は、このエネルギー価格の下落に求めることが出来ます。

その原油価格がここへきて7週間連続上昇していることは今後消費者物価指数の改善が難しくなることを示唆しています。

まとめ

7月の消費者物価指数は事前予想より少し良い前年同月比+3.2%でした。これはFRBのインフレ退治の仕事がおおよそ完成に近づいていることを感じさせました。9月の利上げは見送られると思いますし、11月もひょっとすると利上げは無いかも知れません。すなわち政策金利はもうちょうど良い水準まで到達しているのです。唯一懸念材料があるとすればそれは原油価格です。原油価格が急騰するというのは今後のメインシナリオではありませんけれど、注意を払う必要があると思います。