FOMCの結果

連邦公開市場委員会

6月13・14日の二日に渡り開催されていた米国の政策金利を決める会合、連邦公開市場委員会(FOMC)が閉幕し米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)は現行の5.00~5.25%に据え置かれました。

それは過去1年以上に渡って行われてきた利上げが、今回初めてストップしたことを意味します。

しかし声明文ならびに経済予想サマリーは今後更に利上げが行われる可能性を示唆していました。

経済予想サマリー

今回のFOMCではFRBメンバーの経済予想を集計した経済予想サマリー(略してSEP)が示されました。

それによると今年末のFFレートのコンセンサス予想は5.6%となっており、前回のコンセンサスより0.5%も高くなっていました。

(出典:FRB)

またFRBメンバーの中で年内に利下げを予想する人はひとりも居ませんでした。

これはタカ派だと言えます。

次にGDPの予想を見ると2023年の数字が上方修正されています。

(出典:FRB)

さらに年末の失業率も3月の予想4.5%から今回は4.1%に下がっています。つまり雇用市場が強いことを示唆しています。

(出典:FRB)

FRBが注視するPCEコア指数は今年末の予想が3.9%になっています。

(出典:FRB)

記者会見

パウエル議長の記者会見で最も強調されたメッセージは「7月のFOMCはライブミーティングだ」ということです。ライブ(live=生きている)とはFRB独特の言い回しで「どちらにも転びうる」ことを意味し、今の時点で(次回も据え置こう)と腹を決めているわけでは全然ないことを強調しました。

投資戦略

今回のFOMCに先立ち、市場関係者は年内に1回前後の利下げがあることを織り込んでいました。そのシナリオはFRBにより完全に否定されたことになります。利下げがお預けになるということは株式にとって悪いニュースです。したがってしばらくの間はこの悪材料を消化する必要があると思います。