FOMCの結果

■連邦公開市場委員会


3月22日、2日間に渡って開催されてきた連邦公開市場委員会(FOMC)が閉幕し連邦準備制度理事会(FRB)は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートを大方の予想通り0.25%引き上げ4.75~5.00%としました。

過去2週間に渡り銀行の破綻が相次いだわけですが、それらの銀行はいずれも杜撰な経営が破綻の原因を作ったのであり全米の銀行が同様の問題を抱えているという風にはFRBは考えていないことが示されました。つまり銀行の危機はもう収束したのです。

そこでFRBとしてはもう一度金利政策をインフレ退治にフォーカスを戻し、あと1回、5月にも0.25%の利上げを行うことがシグナルされました。

ただし、次に0.25%利上げした後は様子を見るという線が濃厚になっています。

■経済予想サマリー


FRBメンバーに対して行うアンケート調査を集計した経済予想サマリー(SEP)では2023年末のFFレートは前回の12月の調査の時と同じ5.1%というコンセンサス予想になっていました。

(出典:FRB)

なお市場参加者は5月に最後の利上げが行われた後、一転してそこから利下げが始まるというシナリオを持っている人が多いです。今回のSEPはそういう考え方を真っ向から否定した内容になっていました。

GDPに関しては2023年末の予想を0.4%とし、依然としてソフトランディングの可能性が残っている事が表明されました。

(出典:FRB)

失業率は2023年末の予想数字が4.5%とさらに低くなっており、景気が強く、賃金上昇の圧力が相変わらず強いということをFRBメンバーが考えている事が明らかになりました。

(出典:FRB)

最後にPCEインフレ予想ですが2023年末の予想数字が3.3%に引き上げられており、インフレ圧力が未だ根強く残っているという予想が明らかになりました。

(出典:FRB)

一部のいい加減に経営されてきた銀行が破綻したことで米国の金融コンディションは良い具合に若干のタイト感が出て、それがFRBのインフレ退治の仕事をやりやすくした……それが今回のFOMCのポイントだったように思います。