■連邦公開市場委員会
6月15日に閉会した連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の利上げが発表され政策金利は1.5~1.75%になりました。連邦準備制度総資産の圧縮(QT)は、5月に発表したスケジュールを堅持し、粛々と進めてゆくことが確認されました。
■経済予想サマリー
声明文に添付された経済予想サマリー(SEP)ではまずフェデラルファンズ・レートの予想に大きな変動がありました。今年年末のコンセンサスは、3月の1.9%から今回は3.4%へジャンプしています。
次に年末のGDPの予想ですが3月のSEPで示された2.8%が1.7%に下方修正されました。
一方、失業率に関しては2023年と2024年の予想が大きく修正されています。
最後にPCEインフレに関しても5.2%に上方修正されました。
これらのことはFRBメンバーの予想がとりわけFFレートに関して市場参加者の予想にほぼ追いついたことを示しています。
次回、7月のFOMCに関しては0.50%ないしは0.75%の線を考えていることがほのめかされました。
■FRBがコントロールできない要因が物価を決めている
今回の記者会見でパウエル議長が繰り返し述べたことはインフレはFRBがどうすることもできない戦争とか中国での新型コロナの再燃などに左右される部分が大きくなっているということです。
そしてFRBが出来ることは需要に対して働きかけることであるということが強調されました。それは平たい表現に直せば多すぎる求人数を少し抑えるため金融コンディションを引き締めるというような手法になります。
もっといえば目先は金融引締めを前倒しすることが好ましいという意見にFRBは傾いているのです。
これは株式にとってはあまり歓迎すべき展開ではありません。