雇用統計は良かった 平均時給の伸びが鈍化

■非農業部門雇用者数

先週金曜日発表された2月の非農業部門雇用者数は予想40万人に対し67.8万人と良好でした。

(出典:労働省労働統計局)

また過去の数字も上方修正されています。

■失業率

2月の失業率は3.8%でした。新型コロナ移行で最も低い数字でした。

(出典:労働省労働統計局)

■平均時給

2月の平均時給は僅か1¢の上昇にとどまりました。

(出典:労働省労働統計局)

■労働力率

2月の労働力率は62.3%で、じりじりと上昇してきています。

(出典:労働省労働統計局)

■人種別失業率

2月の人種別失業率は白人を除いていずれも改善を見ました。

(出典:労働省労働統計局)

■学歴別失業率

2月の学歴別失業率ではとりわけ中卒の失業率の改善が目をひきました。

(出典:労働省労働統計局)

■連邦準備制度理事会の次の一手

さて、3月16日の連邦公開市場委員会(FOMC)ですが既にほのめかされた通り、連邦準備制度理事会(FRB)は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートを0.25%引き上げ、0.25~0.50%とすると予想されます。

ウクライナで戦争が起きているので世界経済はショックを受けています。とりわけエネルギー価格の上昇は消費の減退を招くリスクがあります。3月6日の時点で全米平均レギュラー・ガソリン価格は1ガロン当たりちょうど$4.00となっています。この水準では消費者が遠出を控えるなど、需要減につながる生活防衛行動に出やすいです。言い換えれば、とつぜんガソリン消費が落ち込むリスクもあるということです。

景気がつんのめるリスクがある以上、FRBは「戦争がおきているから」という理由で普段より慎重なスタンスで臨むべきです。

このような理由からFRBは今回の利上げこそ公約通りやるとしても、「次回以降矢継ぎ早の利上げを繰り返す」というメッセージを出すことは控えると思います。