
高利回り社債ETF自動売買の対象ETFは、iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)です。その名の通り年間配当率5%超えを誇る分配金がすごいETFです。
マネーハッチでは現地の税額30%を引かれた後の相当額が分配されるので実際の分配は4%前後となります。
1. 債券ETFとは?
債券ETFは、その名の通り債券を原資産としたETFです。債券の中でもこのETFの中身は国が発行元となっている「国債」ではなく、それぞれの会社が発行している「社債」で構成されています。
債券とは?
債券は、国、地方公共団体、企業、または外国の政府や企業などが一時的に、広く一般の投資家からまとまった資金を調達することを目的として発行するものです。 資金調達するために発行するという点では、株式と目的は同じですが、あらかじめ利率や満期日などが決められて発行される点がちがいます。債券を購入すると、定期的に利率分の利子を受け取ることができます。
そして、満期日を迎えると、額面金額である償還金を受け取ることができます。債券は、満期日に額面金額が返金されることが約束されていますので、株式等に比べ安全性の高い金融商品です。よって利子収入を目的に資産運用をすることができます。
しかしながら、債券にもリスクが無い訳ではなく、もし自分が保有している債券を発行している企業や国が「デフォルト」と呼ばれる債務を履行できない状態(倒産など)に陥った場合元本の返済および利払いができなくなる可能性があります。
債券のリスクについては、様々な評価機関が格付けと呼ばれる評価をしており、その格付けによって投資家は投資の判断を行う事が可能です。また、リスクが高い(格付けが低い)商品ほど利回りが高く償還までの価格の変動が激しいことも特徴です。
1-1. ハイイールド債の特徴
2007年からのiシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)のチャートをお見せしながら株との値動きの違いを少し説明します。
2008年のリーマンショック以降は80ドルから100ドルの間に収まっています。
リーマンショック時でも株式を原資産とするETFの場合は半分以下の価格になったのに対して、90ドルから65ドル程度の値下がりに留まっています。
1-2. 最低購入金額は約1,000円から
この銘柄は現在1口当たり87ドル程度(2017.6.23時点)です。
マネーハッチは0.1口から買い付けが可能ですから、約1,000円程度から買い付けがスタートします。
2. 中身は何で出来ているのか?
米ドル建てで発行された各国の高利回り社債(ハイイールド債)を選定して作られた指数に連動し、毎月配当が行われます。
世界の約1000銘柄のハイイールド債に分散投資がされており、デフォルトや元本割れリスクを軽減しながら高い利回りを目指すETFです。
2-1. 銘柄トップ10
信用格付けBBの債券が約50%でBが37%となっています。
下記の銘柄名を見ても日本人にはなじみがなくおそらく聞いたことがないような企業名が連なっています。ソフトバンクが買収をしたSPRINT(スプリント)などは有名です。
BBB以上の格付けは一般的には投資適格格付け、BB以下は投機的格付けといいます。
BB「信用力に問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある」。
(格付投資情報センターホームページより)
2018/03/05時点 iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETFファクトシートより
2-2. 業種別
高利回り社債では通信業が1位となっています。
2018/03/05時点 iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETFファクトシートより
3. 投資スタイル「高利回り社債ETF自動売買」徹底解剖
そもそも「投資スタイルって何?」という方は、入門ガイド~投資スタイル徹底解説~を一読いただくと理解が深まります。
3-1. リスク重視!高利回り社債ETF自動売買の投資スタイルは2種類
「高利回り社債ETF自動売買」と「高利回り社債ETF自動売買×2倍」です。
パラメーターは全く同じですが、一点だけ異なるものがあります。
それは買い付け時のレバレッジです。これによってパフォーマンスに変化がでます。
1口あたり1万円として計算すると
・「高利回り社債ETF自動売買」はレバレッジ1倍だから1万円で1口買い付け。
・「高利回り社債ETF自動売買×2倍」は1万円で2口買い付け。
これによって購入口数や再投資額などに変化が出てきます。
パラメーターの違いは買い付けレバレッジだけで、それ以外は全て同じです。
入門ガイドのおさらい
~投資スタイルがどのような自動売買をするのか?~
毎週月曜日に積み立て金額があれば、購入できる口数分だけ自動売買注文を発注します。自動売買注文の動きはこのようになります。
※1. 0.1口の買い付け口数が「×2倍」の場合には増えます。
※2. 再投資額は2ドルとなります。
これを毎週積み立て金額に応じて発注していくとこのようになります。
それぞれの自動売買注文が定期的に発注されていきます。
自動売買を可能にする投資スタイルの各パラメーターについての詳細は入門ガイドの投資スタイルの設定~7つのすごい特徴~でご紹介しています。
3-2. パフォーマンスの特徴 「とにかくリスクを小さく」
iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)を0.1口から買い付け手数料や両替手数料はゼロとして現物で保有した場合のシミュレーションと比較し、パフォーマンスの特徴をご覧いただきます。
現物積立の分配金は再投資するものとします。ラップやロボアドバイザーなどの場合、年間報酬が1%程度かかるようですので報酬を差し引いた額をベンチマークとしています。
マネーハッチによる投資スタイルの最大の特徴は円ベースに直した時の資産の変動幅が非常に小さいということです。
為替変動の影響を元本そのものに受ける現物積立と比較してマネーハッチの投資スタイルは非常に安定しているのが最大の特徴です。
円高のリスクを気にしないで投資スタイルによっては同じようなリターンまたはそれ以上のリターンを目指すことができます。
「比較対象とした「現物積立」のシミュレーション条件」
・0.1口からの買い付け可能とする。
・買い付け手数料なし、両替手数料なし、資産に対して年間報酬1%を日割りで計算。
・分配金は、米国の課税分30%を除いたものを発生日のドル円レートで円転し、再投資する。
・円転レートは米ドル/円の日足終値にスプレッド1銭を加味した値。
「マネーハッチのシミュレーション条件」
・ETF価格は、日足の終値を採用し、スプレッドを加味(銘柄によって異なるが0.1%~0.3%)した価格です。
・金利コストは、0.9%+Liborを毎営業日に円転して算出しています。(Liborは過去の実績を反映しています。)
・分配金は、米国の課税分30%を除いたものを発生日のドル円レートで円転しています。
・実現損益、評価損益、分配金および金利コストの円転レートは、米ドル/円の日足終値にスプレッド1銭を加味した値です。
4. 選ぶポイントと使い方のコツ
高利回り社債ETF自動売買は、上下の値動きと分配金でリスクを抑えながらコツコツ利益を積み増していくというスタイルです。
高利回り社債ETF自動売買×2倍のスタイルでも危なげなく安定したパフォーマンスを出しているのが特徴的です。
4-1.おススメは高利回り社債ETF自動売買×2倍!
2種類ともリスク重視に分類され、「とにかくリスクを取りたくない!」という方向けのスタイルではありますが、マネーハッチのメリットを十分に有効活用するのであれば2倍をお勧めします。
マネーハッチを始めたばかりの頃はおそらく積み立て金額も非常に小さいと思います。ある程度、積み立て金額も大きくなって、そろそろそんなにリターンはいらないからリスクを抑えたいなぁというときに使うのがお勧めです。