FX自動売買は危険?おすすめしない?大損する原因や現実的に稼ぐコツを解説

FXの自動売買システム(EA)は、危険というイメージを持っていませんか?自動売買は選び方や、活用するコツを知っておけば、リスクを抑えた運用ができます。この記事ではFX初心者やこれから自動売買を活用してFXのトレードをしたい方むけに、大損すると言われる原因や、活用して成功させるコツについて解説しています。

FX自動売買(EA)は危険?おすすめしない?

FX自動売買は「おすすめしない」「危険」と言われることがあります。実際、FX自動売買がおすすめできない人もいます。例えば次のような人に、FX自動売買はおすすめできません。

  • 楽して大金を稼ぎたい人
  • 余剰資金が少ない人

FX自動売買は自身で注文や決済をする注文が省けますが、楽に大金が稼げるわけではありません。注文や売買は、あらかじめ設定したトレードルールに基づいて行われるため、トレンドが変わったり大きな値動きが生じたりすると、FX自動売買が機能せず、大きな損失につながる場合があります。FX自動売買は完全放置ではなく、定期的に見直しが必要なものと心得ておきましょう。

またFX自動売買は10前後のポジションを保有することもあるため、余剰資金が少ないとロスカットになり、大きな損失が生じやすくなる点には注意が必要です。 逆に上記に挙げる人でなければ、FX自動売買は必ずしも危険なものではありません。

FXの自動売買(EA)で大損する原因

FX自動売買は必ずしも危険なものではありません。ただし以下のようなケースで大損するリスクがあります。

  • 完全に放置している
  • 高いレバレッジで取引通貨量が多い取引をしてしまう
  • 裁量トレードを組み入れている
  • 損切りラインを間違えて設定している
  • ギリギリの証拠金で取引をしている
  • 詐欺まがいの自動売買ツールを利用している

FX自動売買の本来の機能を発揮して利益を狙うには、適切な運用を心がけることが大切です。

完全に放置している

FX自動売買は一旦トレードルールを設定して運用を始めたら、完全に放置をしておいて良いわけではありません。

為替レートは景気や、要人発言、経済指標の発表といった要因で、トレンドが変動する変わる場合があります。そのため安定した利益を出していた自動売買の設定であっても、完全放置しているといつの間にか大損しているかもしれません。

定期的に自動売買の設定の実績などをチェックして、必要であれば見直しをしましょう。また要人発言や重要な経済指標発表後は、これまで通りの設定で問題ないか確認をすることも大切です。

高いレバレッジで取引通貨量が多い取引をしてしまう

高いレバレッジをかけると、少ない証拠金でも取引通貨量が多い取引をしやすくなります。取引通貨量が多いほど、1pips変動したときの損失額が大きくなるため、結果的に大損しやすくなるのです。

継続的に安定した利益が出せないうちは、1~3倍程度の低レバレッジで運用するよう心がけましょう。

裁量トレードを組み入れている

裁量トレードとは自身の判断で新規注文や、決済をすることです。FX自動売買での運用を追っていると、含み益が出ているため利益確定をしたり、含み損が出ているため損切りをしたりといった裁量トレードをしたくなるかもしれません。実際に自動売買で運用しているポジションを手動で決済できる場合もあります。

しかし自動売買で運用しているトレードに、裁量トレードで人為的に手を加えると、本来の自動売買の機能が発揮できずに、結果的に大損につながる可能性があります。

人為的に手を加えたほうが良いケースは、あくまでも運用する自動売買の設定自体を見直すときです。基本的に自動売買の運用を始めたら、自動売買の運用しているポジションを裁量トレードで決済することは控えましょう。

損切りラインを間違えて設定している

損切りラインとは損失の拡大を防ぐために、含み損が出ているポジションを決済して損失を確定させることです。

損切りラインは、米ドル/円を1ドル100円で米ドルを購入した場合、99円まで円高になったら損切り。あるいは99円50銭まで下がったら損切りするというように損切りラインを設定します。

しかし例えば損切りラインを99円90銭などに設定すると、頻繁に損切りが発生して損失が積み重なり、結果的に大損につながるかもしれません。

逆に損切りラインを90円などに設定すると、まったく損切りラインに到達せず、損切りラインを設定する意味がありません。さらにこちらの場合は、急な経済指標で一瞬でも90円の損切ラインにタッチすると、損切りが発動してしまい大損になってしまう可能性もあるでしょう。

損切りラインはテクニカル指標やチャート分析で、適正な水準に設定することが大切です。

ギリギリの証拠金で取引をしている

証拠金とは取引に必要な資金のことを指します。1ドル140円のときに米ドル/円を、レバレッジ1倍で1,000通貨購入する場合、約14万円の証拠金が必要です。ただし14万円の証拠金が必要だからといって、FX口座に14万円入れておけば良いというわけではありません。

なぜならFXにはロスカットという仕組みがあるからです。ロスカットとはFXで一定以上の含み損が発生すると、損失の拡大を防ぐためにすべてのポジションを強制決済する仕組みのことをいいます。ただしロスカット制度があっても、入金額以上の損失が発生する可能性がある点はご留意ください。

ロスカットの基準はFX会社によって異なりますが、ギリギリの証拠金で取引をしているとすぐにロスカットが発生して、大損する可能性があります。ロスカットは各FX業者が定めた証拠金維持率を下回り、追加の証拠金を差し入れなかったときに発動します。証拠金維持率の計算方法は以下の通りです。

証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100

証拠金維持率は必要証拠金が変わらない場合、FXで含み益が出るか、FX口座に資金を差し入れて必要証拠金を増やして有効証拠金を大きくすると証拠金維持率は高くなります。多くの場合、証拠金維持率は各FX業者のトレード画面で確認できるため、証拠金維持率はできれば200%程度になるよう、FXの口座管理を心がけましょう。

詐欺まがいの自動売買ツールを利用している

流通している自動売買ツールのなかには、詐欺まがいのFX自動売買ツールもあります。

「短期間で200%の利益」など短期間で利益が狙える、あるいは「放置していても稼げる」「必ず稼げる」など楽に利益が狙えることを強調しているようなツールは避けたほうが良いでしょう。

また高額な自動売買ツールなら、高機能で利益が狙えると期待してしまうかもしれません。金額と機能や収益性は比例しないケースもあるため、慎重に比較検討してください。

FX自動売買で初心者が現実的に利益を出すコツ

FX自動売買は楽して大金を稼ごうとすると、うまくいきません。現実的に利益を狙うために、以下のポイントを押さえた運用を心がけましょう。

  • FXの知識を身につける
  • 長期な視点で運用する
  • 運用額を決定しておく
  • 実績のあるツールを選ぶ

FX自動売買で利益を狙うためのポイントを、それぞれ詳しく紹介します。

FXの知識を身につける

FX自動売買は基本的にトレードをお任せできる仕組みですが、自動売買ツールそのものを選んだり、設定の見直しをしたりするために最低限のFXに関する知識は必要です。

初心者が自動売買を始めるときは、まず以下のようなFXに関する知識を身につけましょう。

  • FXの仕組み
  • FXの専門用語
  • ローソク足チャートの見方
  • テクニカル指標の見方(特に移動平均線・ボリンジャーバンド、RSI、MACD)

こうした知識はFX業者の公式サイトだけでも身に着けることは可能ですが、まったく初心者の場合は解説が体系的に書かれている書籍がおすすめです。まず書籍を読んで、わからない単語や気になるところはインターネットや動画などで知識を深堀していくという勉強方法がおすすめです。

FX初心者がこれから勉強するときの手順について知りたい方は、以下の記事が参考になります。
初心者がFXを勉強する手順3ステップ|学習方法や成功するコツを紹介

長期的な視点で運用する

FXの裁量トレードは、頻繁にトレードをすることで短期間に大きな利益を狙うことも可能です。しかしFX自動売買は、あらかじめ設定したトレードルールに為替レートが到達したら、新規注文や決済が行われる「待ち」のトレードスタイルです。

したがって短期間で利益が狙える場合もありますが、基本的には長期での運用を前提とします。

ただし完全放置をするのではなく、定期的な自動売買の設定の点検、見直しを心がけましょう。

急激な相場の変動で自動売買が機能しなくなるということのないよう、要人発言や経済指標の発表スケジュールを確認して対策を立てておくことも大切です。

運用額を決定しておく

また長期で運用をするために、自動売買は余剰資金で運用しましょう。光熱費や家賃といった生活費を使って運用すると、損失が発生した場合に生活費を工面しなければならず、トレードどころではなくなってしまうでしょう。結果的に長期運用もできません。

FX自動売買は余剰資金で運用するのが原則です。余剰資金は、以下の式を使って計算します。

余剰資金=手取り収入―(生活資金※1+近いうちに使い道が決まっている資金※2)
※1 光熱費や家賃、食費、緊急資金(医療費、冠婚葬祭)など
※2 教育費や旅行代金など

余剰資金が把握できたら、次に自身のリスク許容度を確認します。リスク許容度とは、投資における損失がどれくらいまでなら許容できるかという度合いのことです。

ただし20万円の余剰資金がある方が、仮に10%である2万円までの損失なら許容できるからといって、安易に20万円分の取引をしてはいけません。

なぜならFXは一定の証拠金維持率を保っていないとロスカットになり、大きな損失を被る可能性があるからです。

例えばレバレッジ25倍で取引をした場合、20万円の証拠金があれば5万通貨の取引ができますが、この場合、自身の予想と4円分異なる値動きをするとすべての証拠金を失ってしまいます。

FX自動売買の場合、証拠金維持率は少なくとも200%に保つよう心がけてください。

1米ドル130円のとき、レバレッジ25倍で3万9,000通貨分の取引をすると約20万円が必要最低証拠金となりますが、この場合、証拠金維持率200%とするには約40万円の証拠金が必要です。

実績のあるツールを選ぶ

自動売買ツールは、一定期間の収益率や収益額、勝率、最大ドローダウン※2)といった実績を、あらかじめ確認、比較して選ぶことができます。逆にこれらの数値が明らかになっていない新しい自動売買ツールは、初心者は避けたほうが良いかもしれません。ただし実績があっても表示されている内容が、将来も続くとは限らない点には注意が必要です。

また自動売買ツールはバックテストやフォワードテストが完了しているものを選びましょう。バックテストとは、過去のチャートからツールの有効性をテストする方法のことで、フォワードテストとは実際の相場を利用して有効性をテストする方法です。

一般的に自動売買ツールの収益率や収益額、勝率、最大ドローダウン、バックテストやフォワードテスト実施の有無などは、ツールを扱っている公式サイトで確認できます。

※2)最大ドローダウン…一定期間の累積利益のピークからの下落幅のこと

初心者におすすめの自動売買ツール|トライオートFXとは

画像:インヴァスト証券

インヴァスト証券のトライオートFXはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・自動的に売買が繰り返される自動売買サービスです。就寝中や仕事中でFXの画面を見ていなくても、常にトレードチャンスを狙い続けます。

トレードルールは1から設定することもできますが、「セレクト」という機能を利用すれば、自身に合ったトレードルールを選んで、すぐに運用が始められます。

最低入金額に制限はなく、最低取引単価は1,000通貨と少額から取引が可能です。

取引通貨の数は全部で23通貨ペア。米ドル/円や、ユーロ/米ドルといったニュースなどで情報を集めやすいメジャー通貨同士の通貨ペアも扱っているため次のような方におすすめです。

  • FX初心者
  • これからFX自動売買を使ってトレードをしたい
  • 長期運用で少しずつ資産を増やしていきたい
  • 仕事や家事で忙しく、あまりFXの画面に向かい合ってトレードをする時間がない
  • メジャー通貨でリスクを抑えた運用をしたい

FX自動売買のおすすめの設定方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
FX自動売買をやってみた!トライオートFXの設定方法も解説

まとめ

FXの自動売買は、リスクがゼロではありません。しかし完全に放置することなく定期的に見直しを行う、レバレッジを低く設定する、裁量トレードを組み入れないと言った運用を心がければリスクを抑えられます。また十分な資金を用意して基本的なFXに関する知識を学習して、長期運用を意識すると成功しやすくなるでしょう。

今回紹介した自動売買のリスクや活用のコツを理解して、ぜひ自身にあった自動売買ツール選びに役立ててください。