皆様、こんにちは。ゆったり為替です。
「今後の急激な相場変動にも備え、固定レンジを採用する場合は1000pips以上のレンジを設定」という依頼をいただき、ふさわしいと考えられる設定を公開させていただきます。
ゆったり為替は、1973年以降の長期チャートを見て相場を考えます。1973年とは、現行の変動相場制度が事実上採用された年です。
そして、実際には、1991年以降のチャートを使うことが多くなります。バブル崩壊前後で、円を含む為替レートの動きが劇的に変化したためです。
そのような「超長期派」の私にとって、今回の依頼は私の得意とするところです。以下、設定を確認していきましょう。
1.テクニカルから想定レンジを導く
採用した通貨ペアは、カナダドル円です。買いの取引で、注文を設定した範囲は60円~80円です。20円(2,000pips)もありますが、私にとっては通常です(むしろ、狭いくらいです)。
最初に、シミュレーション結果を確認しましょう。
1-1.シミュレーション
Goodの評価となっていますが、パッとしないといいますか、魅力に欠けるといいますか、「なぜこんな設定を採用したのだろう?」という印象になります。
この理由を知るために、長期チャート分析に移ります。
1-2.カナダドル/円の長期チャート
下は、カナダドル円の長期チャートです。丸を付けた部分は、2008年のリーマンショック後の大暴落です。
上のチャートを見ますと、為替レートの動きに特徴があることが分かります。例として、赤の補助線を引きました(下のチャート)。いわゆるサポートラインです。
概ね75円まで為替レートが下落すると、値動きが止まったり反発したりしている様子が分かります。
しかし、よく見ると、サポートラインよりも円高になっている場面が散見されます。そこで、安値は、リーマンショック時の68円を想定しておけば良いのでは?という考え方が可能です。
(しかし…後ほど解説しますが、68円の安値は採用しません。)
1-3.ペナント
もう一つ、別の視点からチャート分析をしましょう。ペナントです。下のチャートの通り、高値がだんだん切り下がり、安値はだんだん切り上がっています。
その結果、2本の補助線が最終的に交差する形になっています。これがペナントです。
為替レートは、最終的に、ペナントを上方向または下方向に抜けることになります。そして、抜けた方向に継続的に進みやすいと言われています。
今回の場合ですと、上のチャートの赤矢印部分です。ペナントを下方向に抜けていますので、円高警戒ということになります。
1-4.週足チャート
矢印部分を拡大してみましょう。週足チャートです。赤の線は、ペナントを作っている下側の線を示します。
為替レートは、ペナントを下方向に抜けました。教科書的には、この勢いで下落が進む可能性がありました。しかし、75円あたりで急ブレーキがかかり、狭い範囲で乱高下しました。
この期間、新型コロナウイルス問題を受けて、相場は大荒れでした。しかし、カナダドル円については、上下動は激しいものの、大きく下落したあとの値動きの範囲は限定的でした。
明確な理由は不明ながら、今まで見てきた2点で説明が可能です。
カナダドル/円のコロナ相場後の値動きが限定的だった理由
- 75円くらいに、20年近くも続くサポートラインがある
- ペナントの下側の線がレジスタンスラインとなって、為替レートの上昇を抑えた
1-5.月足チャートの補助線は強力
ゆったり為替は、月足分析を最も得意とします。分析で使うのは、ローソク足、そして補助線(サポートライン・レジスタンスライン)のみです。
月足の補助線は、大波乱があっても簡単には破られません。これが大きなメリットです。
2019年12月、認定ビルダープログラムにて、米ドル/スイスフランの取引設定を公開させていただきました。その時の取引範囲等は、以下の通りです。
取引設定
- 米ドル/スイスフラン=0.918~0.996の範囲で買い
当時、新型コロナウイルス問題が起きるとは想定していませんでした。この問題が起きて、相場は大波乱になりました。では、大波乱後の安値を確認してみましょう。
コロナショック後の米ドル/スイスフランの安値
- 米ドル/スイスフラン=0.91937(2020年3月9日)
月足チャートに影響を与えるような大きな波乱があっても、安値は0.918だろうと想定しました。それが正解だったということになります。なお、私のブログでは、トライオートFXを使って、豪ドル円の自動売買の公開トレードをしています。2016年から継続していますが、ピンチになったことは現時点でありません。月足チャートを使って取引設定を作ったからです。
超長期で取引を考える場合、月足チャートが有効だと考えています。
2.永遠の利食い_カナダドル円の取引範囲
以上の分析を踏まえて、取引の範囲を考えましょう。
2-1.取引設定の下限
先に、取引範囲の下限を考察しましょう。上の長期チャートを見ますと、安値はリーマンショック時の68円くらいかな、という感じに見えます。
実際の歴史的安値は、68円ではありません。60円です。1995年、阪神淡路大震災が起きました。その後に実現した円高記録です。
よって、今回の設定の下限は60円を採用します。
なお、「阪神淡路大震災後の円高記録は、25年も前の数字だ。その後の値動きを見れば、リーマンショック時の円高を想定しておけば十分だ。」という考え方も採用できます。
その場合は、想定する下限は68円あたりになります。
2-2.取引設定の上限
では、上限はどこにしましょうか。もう一度、カナダドル円の長期チャートを見ましょう。
リーマンショック前に、120円台という飛びぬけた数字を記録していますが、概ね75円~105円のレンジになっていると分かります。
また、90円あたりにも、相場の壁が何となく見えます。すなわち、為替レートが円安になっても、90円あたりまで来ると、なぜか反落してきました。
よって、設定の上限は90円未満が良かろう、と判断できます。今回は80円としました。
その結果、60円~80円の取引範囲となりました。とても広いです。しかし、私にとっては、通常の範囲です。
3.最も好きなのは「永遠の利食い」
私がこのような設定を好むのは、自動で永遠に利食いして欲しいからです。自分で相場の上下動を考えて取引するのも楽しいですが、「気づいたら資産が自動的に増えている」という方が大好きです。
それを実現するには、巨大な範囲に注文を出して、放置するのが選択肢になります。
では、カナダドル円が大幅円安になる場合には、どうしましょうか。それに備えた選択肢は、いくつかあります。
カナダドル/円が大幅円安になる場合
- 超円高が実現する時に、長期保有ポジションを持つ
- 円安になったら、他の通貨ペアを探す
超円高が実現したら、少しで構わないので、長期保有ポジションを持ちます。そして、歴史的円安水準になったら、ゆっくりと利食いします。
1,000銭を大幅に超える利食い幅になりますので、取引数量が小さくても大きな金額になります。
あるいは、カナダドル円に限定する必要はないので、他の通貨ペアを探します。こうして、長期的な成功を期待します。
私がトライオートFXで取引する際のキーワードは、「永遠の利食い」です。寿命があるので永遠はないですが、それくらい長期間、利食いを続けて欲しいです。
ブログ:FXゆったりトレード派
――――――――――――――――――――――――――――――
※上記ブログのリンク先の掲載内容は、インヴァスト証券株式会社が何ら保証するものではなく、一切の責任を負いません。