アメリカのマーケット展望【2024年6月度】

短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは5350とします。

2022年11月末にChatGPTが無料公開されセンセーションを巻き起こして以来、S&P500指数は+32%上昇しました。AI相場は主にエヌビディア、マイクロソフト、アルファベット、アップルなどの大型株に駆動された相場であり、この期間に上記4社がS&P500指数に占める割合は21%から32%に増えています。言い直せば現在の米国株の強気相場はごく一握りの大型株に駆動されているのです。

なかでもエヌビディアの上昇率は570%であり指数を押し上げるのに貢献しました。しかし同じ期間ウォール街のアナリスト達のエヌビディアの向こう12ヶ月の予想EPSは620%上昇しており、株価は単に予想引き上げに歩調を合わせているだけだという風にも理解できます。

5月22日に発表されたエヌビディアの第1四半期(4月期)決算はEPSが予想$5.60に対し$6.12、

売上高が予想245.9億ドルに対し260.4億ドル、売上高成長率は前年同期比+262.1%という非の打ち所がない内容でした。第2四半期の売上高も予想266.2億ドルが新ガイダンス274.4〜285.6億ドルへ引き上げられました。

カンファレンスコールでは大手クラウド企業が引き続きAI向け投資を積極的に行っており需要が供給より大幅に上回っていることが説明されました。H200とブラックウェルに対する引き合いも好調です。データセンター売上高のうち45%はそれらの大手からの発注が占めています。クラウド業者が同社のGPUに1投資すれば、それをインスタント・ホスティングというカタチでトレーニングならびにインファレンスへの需要を抱える企業に貸し出せば向こう4年間に渡り5の売上を確保することができます。つまり大手ハイテク企業のAI投資はちゃんとリターンを生んでいるのです。

確かに現在の米国株の相場は偏っており、これは市場参加者を不安にさせる原因と言えます。しかしイノベーションがAIを中心として生まれている以上、その関連銘柄だけが突出するのはある程度仕方ありません。同様のことは1990年代のドットコムブームの際にも見られ、投資はシスコシステムズなどのインターネットのインフラストラクチャを司る企業が先導役を果たしました。

米国経済の現況

第1四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率+1.3%、同個人消費は+2.0%、コアPCEは+3.6%でした。これらの数字は「GDP、個人消費は僅かに衰えが見えるもののまだまだ強く、インフレは少し改善した」と評価できます。言い直せば大筋では堅調な米国経済に異変は見られないわけです。

債券の投資家は連邦準備制度理事会(FRB)が米国の政策金利であるフェデラルファンズレートを年内1回程度引き下げるということを折り込み始めています。それは利下げ期待が大幅に後退したことを意味します。その関係で長期金利は再び上昇しはじめており株式バリュエーションにとってアゲンストの風が吹き始めています。しかし全体としては我慢出来ないほど金利環境が悪化したとは言えないです。

企業業績

2024年第1四半期決算がほぼ出揃いS&P500指数採用銘柄のEPS成長率は+6%でした。決算発表シーズン開始前はこれが+1%程度の予想だったので、実際に決算シーズンを終えた時点では予想より結果は良かったというわけです。来期以降も四半期EPS成長率は良い感じで伸びるというコンセンサスになっており、現在は典型的な業績相場の真っ只中と言えます。

注目CFD

ここまで書いてきた通り米国株は業績の伸長を伴った「中身のある」上昇をしている最中です。従って米国D30(NYダウ)、米国NQ100(ナスダック100)、米国S500(S&P500)、米国R2000(ラッセル2000)は今まで通りロングで良いと思います。一方日本225(日経225)は日本の長期金利が手のつけられない上昇局面に入っているため用心したほうがいいと思います。

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