アメリカのマーケット展望【2024年5月度】

短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは5200とします。

4月の米国株は中東における地政学リスクの影響で軟調に推移しました。シリアのダマスカスにあるイラン領事館にイスラエルがミサイルを撃ち込み、ちょうどそのとき領事館にいたイランのイスラム革命防衛隊コッズ軍のモハンマド・レザ・ザヘディ将軍が殺されました。その報復として4月12日イランは300機にも及ぶドローン、弾道ミサイル、巡航ミサイルをイスラエルめがけて発射しましたが、ダメージを与えることは出来ませんでした。その後イスラエルもイランのイスファハーンにある軍事施設への攻撃を行いました。しかしこれらの攻撃は効果的でなかったので世界のマーケットはすぐにそれを忘れました。

去年の10月後半から今年3月にかけて米国株は半年間押し目らしい押し目も作らず一気呵成に上昇してきた関係で相場は息切れしやすい状態でした。そこへ上に述べたような地政学リスクが襲ったので株式市場はちょうどよい小休止を経験したわけです。過熱感が取れた分、米国株はまたここからサマーラリーを迎えることが出来ると思います。したがって再び強気の相場観に戻したいと思います。

米国経済の現況

米国経済は好調です。インドなど一部の元気な新興国を例外とすれば米国経済は世界の国々の中でもトップ集団の成長を記録中です。インフレが気になるところですがここへきて全米平均レギュラーガソリン価格が1ガロン当たり$3.60付近で足踏み状態になっており、手の付けられないエネルギー価格の高騰はどうやら避けられそうな見通しです。

すると景気が良くてインフレが今後鎮静化に向かうのであればこれはいわゆるソフトランディングシナリオに他なりません。

米国ではソフトランディングが実現することは極めて珍しいです。前回ソフトランディングしたのは1990年代半ばであり、あのときはドットコムブームで株式市場は極めて好調でした。いまはAIがブームになっており、当時と同じく労働生産性は大幅に改善するだろうと言われています。

企業収益

2024年第1四半期の決算発表シーズンはちょうど折り返し地点に達しています。これまでに決算発表を済ませた銘柄のうち77%がEPS面で事前予想を上回っています。これは過去10年の平均より少し良いです。売上高面では60%の企業が事前予想を上回っています。これは過去10年の平均より少し悪いです。しかしその主な理由はこのところのドル高が原因です。海外売上比率の高い企業の売上高が為替の関係で小さく見えているわけです。これはあまり心配に及ばないと思います。大雑把に言えば米国を代表する株価指数であるS&P500採用企業のEPSは去年から今年にかけて約+10%、今年から来年にかけて約+14%の成長が見込まれています。

(出典:ファクトセット)

つまり企業業績はしっかりしているわけです。

注目ETF

上に述べたように米国株は4月のスピード調整を済ませ再び騰勢に転じています。サマーラリーが期待できるわけです。そこで銘柄ですが4月21日から開始されている「トライオートCFD」の米国NQ100(ナスダック100)、米国S500(S&P500)、米国D30(NYダウ)、米国R2000(ラッセル2000)、イギリス100(UK100)をロングしたいと思います。

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