アメリカのマーケット展望【2024年4月度】

短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは5150とします。

4月15日は米国の確定申告の期限です。普通、納税を前にして米国の個人投資家は手元キャッシュを高めることをします。とりわけ去年の相場が良かった年は多額のキャピタルゲインが出ている人も多く、税理士から「追加でこれだけ納税しないといけません」という余り嬉しくないニュースをもたらされる人が多いのが通例です。

これが株式市場にとって何を意味するか? と言えば押し目があって買いを入れるチャンスでも、追加納税額が確定するまでは動けないということを意味します。従って米国株はやや軟調に推移するでしょう。

しかしだからと言って「全降り」するには及びません。あくまでも相場は横ばいからやや下向きという感じで推移すると思います。

米国経済の現況

米国経済はすこぶる好調です。3月28日に発表された第4四半期のGDP確定値は前期比年率換算+3.4%でした。

(出典:セントルイスFRB)

次に消費者物価指数に目を転じると、こちらは前年同期比+3.2%で推移しています。

(出典:セントルイスFRB)

つまり物価は経済再開直後のハイパー・インフレの水準からだいぶ下がって来たけれど、折からの好景気でこれ以上は下げ渋っているのです。

その関係で米国の成句金利であるフェデラルファンズ・レートは5.25~5.50%のままでずっと据え置かれています。

(出典:セントルイスFRB)

結論的には利下げの可能性がほのめかされるのは未だしばらく先になると思います。

企業収益

米国の企業収益は出直りつつあります。

(出典:ファクトセット)

注目ETF

これからサマー・ドライビング・シーズンに入るので原油価格には強気です。WTI原油連動ETF(USO)に注目したいと思います。ゴールドも良い動きをしています。SPDRゴールド・シェア(GLD)が狙い目です。ゴールドが動いている時はシルバーにも注目が行きやすいです。iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)が好適です。間接的にはエネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(WLE)、資本財セレクト・セクターSPDRファンド(XLI)も恩恵をこうむると思います。