アメリカのマーケット展望【2024年3月度】

短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは5200とします。

市場参加者はリスク・テーキングの姿勢を高めています。それはAI関連株だけでなくバイオ株、暗号通貨、日本株などにも広がっています。しかし物色は広範ではなく、選別色が強いです。その意味では過熱感のあるグループは偏っていると言えると思います。

過去の経験則では大統領選挙の年の1月と2月の相場が堅調だった場合、3月もそのモメンタムが維持されるケースが多かったです。従って今月も強気のスタンスを崩さないほうが良いと思います。

米国経済の現況

米国経済は堅調に推移しています。実質GDP成長率のチャートは経済がソフトランディングする可能性が高い事を示唆しています。

(出典:セントルイスFRB)

一方、物価も2022年の夏のピークから比べればだいぶ鎮静化しました。直近ではやや改善が足踏みしている様相を呈しています。

(出典:セントルイスFRB)

連邦準備制度理事会(FRB)は余り利下げを急ぐ素振りを見せていません。目先、政策金利は現行の5.25~5.50%が堅持されると予想されます。

企業収益

2023年第4四半期の決算発表シーズンは普段よりほんの少し悪い出来だったと形容できると思います。それでも四半期ベースでのS&P500指数のEPSは前年同期比プラス圏に浮上してきており、今後、前年比較は容易になることが予想されます。

(出典:ファクトセット)

注目ETF

いまはAIというハッキリとしたテーマを中心として相場が組み立てられています。AIの中心銘柄はマイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、メタ(META)、アルファベット(GOOG)、アマゾン(AMZN)などの大型株であり、その意味でパワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(QQQ)、プロシェアーズ・ウルトラプロQQQ(TQQQ)が恩恵をこうむることは容易に想像できます。加えてSPDR S&P500 ETF(SPY)も好適なETFと言えます。もし物色が小型株にも広がると思うのならiシェアーズ・ラッセル2000 ETF(IWM)、ARKイノベーションETF(ARKK)などをロングする戦術が考えられます。