短期の相場見通し
S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4900とします。
1月のS&P500指数は去年の年末に比べて+1.59%でした。ウォール街では「1月の相場は1年の相場を暗示している」ということが言われます。その意味では1月相場が高かったことは今年の相場に対して少し安心できる展開だと言えます。
今年は年明け早々連日相場が安い日が続きました。これは主にアップル(ティッカーシンボル:AAPL)に対して悲観的な見方が台頭したことが指数を押し下げたからです。
しかしその後、アップル以外の主力ハイテク株、具体的にはマイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)、エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)、メタ・プラットフォームズ(ティッカーシンボル:META)、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)らがAIの材料を囃して買い進まれたため、指数が押上げられました。
実際、S&P500指数採用銘柄の業績を見ると上記の5銘柄の貢献が非常に大きいです。これらの5銘柄が残りの495銘柄を振り回しているとすら言えるでしょう。
1月31日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、米国の労働生産性の向上に関して「ひょっとしたらAIが長期に渡るサステイナブルな貢献をしているかも?」という言及がありました。現在のように物価が沈静化してきているにもかかわらず景気はきわめてしっかりしている背景には、どうやら労働生産性の向上が関与しているかもしれないというわけです。
この問題は半年や1年で結論が出ることではなく、数年に渡る観察が必要です。しかし前回米国経済がソフトランディングした1995年から2000年のインターネット・ブームの際にも労働生産性の向上が経済運営をやりやすくしたという事例があることから、今回もそうなるかも知れません。
米国経済の現況
米国経済は底堅く推移しています。2023年第4四半期のGDP成長率は年率換算+3.3%、その前の第3四半期は+4.9%ということで、成長は加速している印象があります。1月31日のFOMCでも地方連銀からの地元コミュニティへの聞き取り調査で足元の景気は加速しているという感触が報告されたそうです。
企業業績
上記のGDPパフォーマンスとはウラハラに、現在佳境を迎えている2023年第4四半期決算発表シーズンは波乱含みでスタートしています。これまでに発表された決算では、一株当たり利益(EPS)面でも、売上高面でも事前予想を上回る企業の割合は例年より低くなっています。
注目ETF
1月相場を無事に乗り切ることが出来たので、ここからはマーケットに対しもうすこし強気で臨むべきだと考えます。そこでSPDR S&P500 ETF(SPY)、パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(QQQ)、Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF(FAS)、iシェアーズ・ラッセル2000 ETF(IWM)、ARKイノベーションETF(ARKK)をロングしたいと思います。