アメリカのマーケット展望【2024年1月度】

短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4600とします。

2023年のS&P500指数は年間上昇率+24.2%の4769.83で1年の取引を終えました。

これと一転して今年は年初から軟調なスタートとなっています。

大統領選挙のある年に年初から軟調な相場展開になるとそれは現職の大統領が負けることを示唆していると言われています。してみれば1月に入ってからの株式市場のスランプはバイデン候補の敗北を暗示していると考えられます。

大統領の人気は景気に大きく左右されます。いまアメリカの景気は良いです。すると本来ならバイデン大統領の支持率は高くなければおかしいです。しかし今回の好景気局面で米国の消費者はインフレに悩まされました。(バイデンの経済政策はいまひとつだな)と多くの有権者は感じています。

経験則的に現職大統領が負けるシナリオでは米国株の1年間の上昇幅は小さくなります。私は2024年の1年間を通したS&P500の上昇幅は+4.5%を見込んでいます。今年年末のターゲットは4984です。

もう少し詳しく1年間の相場の足取りを予想すれば、民主・共和の大統領出身政党が入れ替わるシナリオでは過去の平均値を当てはめると3月まで一本調子で下げ続け、3月半ばの最安値では年初から-6.45%にタッチすると言われています。これを2023年の12月引け値から起算すると3月瞬間安値ターゲットは4464になります。

そこからマーケットは鋭角的に切り返し、8月まで一気呵成に戻すことが通例です。過去の平均値を当てはめると今年の8月高値ターゲットは4994になります。

そこから再びマーケットは値を消し、9・10月と悪いマーケットになります。10月安値は過去の平均値を当てはめると4710が下値メドとなります。

そして大統領選挙の直前からマーケットは切り返し(=現職大統領が敗北する場合でも、マーケットは反発します)12月末は4984で今年の取引を終えるということになります。

米国経済の現況

米国経済は底堅く推移しています。1月5日に発表された12月の非農業部門雇用者数は21.6万人と予想の17万人を上回りました。平均時給も前月比+0.4%と予想の+0.3%を上回っています。つまり一部の投資家が期待していたような(連邦準備制度理事会は年初からどんどん利下げするぞ!)というシナリオは遠のいたのです。これを受けて10年債利回りも最近の安値3.77%から再び4.0%を超える水準に上昇してきています。これは株式にとって悪い材料です。

企業業績

1月12日(金)、メガバンクが相次いで第4四半期の決算を発表します。これを皮切りに米国は決算発表シーズンへと入っていきます。S&P500採用銘柄のボトムアップ・コンセンサス予想を見ると第4四半期は前年同期に比べて+2.5%程度のEPS成長が見込まれています。

注目ETF

1月から3月にかけて米国株が軟調だというシナリオに立てば今月は「売り」から入ったほうが得策だと思います。ARKイノベーションETF(ARKK)Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF(FAS)iシェアーズ・ラッセル2000 ETF(IWM)パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(QQQ)SPDR S&P500 ETF(SPY)を売り建てることが出来ると思います。