アメリカのマーケット展望【2022年5月度】

■短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4500とします。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

4月の米国株は連邦準備制度理事会(FRB)高官が入れ代わり立ち代わりタカ派発言をしたことを嫌気し軟調に推移しました。

市場参加者は5月4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利上げがあると予想しています。

現在のフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)は0.25%~0.50%ですので、下のチャート(黄)に見られるように0.50%の利上げとなるとFFレートは0.75%~1.00%になるわけです。

(出典:CME FedWatch)

その次の6月15日のFOMCでは上に述べた0.75%~1.00%のFFレートがさらに一気に0.75%引き上げられ、1.50%~1.75%になると見られています。

(出典:CME FedWatch)

ちなみにFRBが2回連続して0.50%以上の大きな利上げをしたことは最近では例がありません。

つまり今市場参加者が織り込んでいるシナリオは、やや悲観的過ぎるのです。

■米国経済の現況

米国経済は好調ですが4月28日に発表された2022年第1四半期のGDP(速報値)は-1.4%と予想外に弱かったです。

(出典:米国商務省)

これは輸入の増加(=GDPを計算する際、引き算されます)と在庫の積み増しが少なかったこと(=去年のサプライチェーンの乱れで事業主は既に多くの在庫を手当て済み)が原因です。米国の消費者の懐具合は温かく消費が腰折れするリスクは小さいです。

■企業業績

2022年第1四半期決算発表シーズンは「可もなく不可もなく」という感じでスタートしています。

EPSで事前予想を上回った決算は過去平均より僅かに多い感じです。

売上高では過去平均とまったく一致するサプライズ比率でした。

つまりこれまでのところ決算が相場を突き動かす要因になっているとは言いにくいのです。

■注目ETF

4月のマーケットが軟調すぎた関係で目先は自律反発が入りやすいです。

米国を代表する株価指数であるS&P500に投資するSPDR S&P500 ETF(コード:SPY)、さらにナスダック100指数に投資するパワーシェアーズQQQ信託シリーズ(コード:QQQ)、小型株指数であるiシェアーズ・ラッセル2000ETF(コード:IWM)の三つが魅力的です。

加えてエネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(コード:XLE)SPDRゴールドシェア(コード:GLD)にもチャンスがあると思います。