アメリカのマーケット展望【2022年1月度】

■短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは4800とします。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

12月のS&P500指数の月次パフォーマンスは+4.4%で2010年以来の高い上昇幅でした。1月は経験則的にマーケットが強いことが知られているので1月末までロングのバイアスを堅持したいと思います。

1月12日には12月の消費者物価指数の発表があります。コンセンサス予想は前月比+0.4%です。

また1月26日には連邦公開市場委員会(FOMC)が控えています。これらの材料に米国10年債利回りがどのように反応するか注意深く見守りたいと思います。

(出典:セントルイスFRB)

■米国経済の現況

米国経済は2021年に引き続き2022年も好調が予想されます。+4.0%前後のGDP成長率が見込まれています。足下の経済は新型コロナのオミクロン変異株が荒れ狂っている関係でやや減速した印象を受けます。しかし2月までにはそれは終息すると予想されており、再び経済は加速すると予想されます。

目下の心配のタネはインフレです。足下の消費者物価は前年同期比+6.9%で推移しています。

(出典:セントルイスFRB)

今年はだんだんインフレが鎮静化し、年末頃までには2.5~3.0%程度に収まるはずだと大半の市場参加者は考えています。もちろん物価がなかなか沈静化しない場合、株式にとってマイナスになることが懸念されます。したがって今年は物価にも注意を払いたいと思います。

■企業業績

2021年の企業業績は素晴らしい伸びを記録しました。

(出典:ファクトセット)

これは2020年が新型コロナの影響で落ち込んだことの反動であり、今年は前年比較が苦しくなることもあり去年のような急成長は見込めません。

それでもアナリスト・コンセンサスである+9%が実現するのなら、それは長期で見た平均(+5%)よりも良い数字だと言えます。

■注目ETF

1月は季節的にマーケットが強い月として知られています。また年初は小型株に相場の物色が回ってくることも多いです。したがってiシェアーズ・ラッセル2000ETF(コード:IWM)をロングする戦術を考えたいと思います。もちろん米国を代表する株価指数であるS&P500に投資するSPDR S&P500 ETF(コード:SPY)、さらにナスダック100指数に投資するパワーシェアーズQQQ信託シリーズ(コード:QQQ)も候補に入れることが出来ると思います。

好景気、高インフレのシナリオに立てば原油価格も堅調が予想されます。その場合、WTI原油連動ETF(コード:USO)、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(コード:XLE)なども良いと思います。