アメリカのマーケット展望【2021年1月度】

■短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは3800とします。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

米国株式市場は11月3日に実施された大統領選挙の直前から上昇を開始し、現在も上昇モメンタムを維持しています。

1月は株式市場が強い月として知られています。とりわけナスダックのパフォーマンスが良いことが知られています。このため今月も強気で臨みたいと思います。

■米国経済の現況

新型コロナ第三波の影響で足下の景況感は暗転しています。新型コロナワクチンは承認されたのですが一般市民に行き渡るのは5月以降になると言われています。それまでは外出を控える必要があります。

そういうこともあり今年のクリスマス商戦期間はカード会社などの速報を見る限り予想(+3.6%から+5.2%)されていたよりやや悪い売上(+2.4%)だったようです。ネット通販はほぼ予想通りだったのですが実店舗は市民が外出を控えた関係で苦戦しました。

議会は9000億ドルの追加景気支援策をようやく可決し、12月28日にトランプ大統領が署名することで法案が成立しました。これにより高額所得者を除く国民ひとりひとりに600ドルが配られることになります。

折から米国の消費者は新型コロナで外出を控え、出費を抑え、クレジットカードなどの負債を返済し、貯蓄に走りました。したがって今回支給される600ドルもかなりの部分は貯蓄に回されると予想されます。これは将来、新型コロナの脅威が完全に去ればいずれ消費に回ってくると思われますが、目先、景気浮揚効果は限定的の筈です。

こうした流れをうけて米国10年債利回りは0.94%前後で推移しており、低位安定しています。これは株式にとって支援的です。

(出典:セントルイスFRB)

■企業業績

コンセンサス予想によると2021年のS&P500指数の一株当たり利益(EPS)は前年比+21%で成長すると見られています。

(出典:ファクトセット)

過去10年の平均が+10.0%なので2021年はその2倍のペースで業績が伸びると予想されているわけです。もちろん、これは新型コロナの影響でEPSが落ち込んだ低い位置からのリバウンドなのでそれは割り引いて考える必要があります。

セクター別では工業が+78.0%、消費循環が+58.9%、素材が+29.6%、金融が+20.9%、ITが+14.5%、コミュニケーション・サービスが+13.7%、ヘルスケアが+10.7%、消費安定が+6.1%、公益事業が+4.9%、不動産が+4.6%で成長すると予想されています。

なお1月半ばから2020年第4四半期の決算発表シーズンがはじまります。

■注目ETF

12月に続き1月も米国の株式市場は強いと思われます。従ってここからはロング、すなわち「買い」から入るトレード戦略に徹するべきです。

SPDR S&P500ETF(コード:SPY)が最もトレードに適した流動性の高いETFです。この他パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(コード:QQQ)もロングするのに良いと思います。

さらにアグレッシブな投資をするならプロシェアーズ・ウルトラプロQQQ(コード:TQQQ)プロシェアーズ・ウルトラS&P500(コード:SSO)Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF(コード:FAS)などを買うやり方があると思います。