アメリカのマーケット展望【2020年12月度】

■短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは3700とします。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

米国の大統領選挙は民主党のジョー・バイデンの勝利に終わりました。新型コロナワクチンの緊急使用承認は12月10日から15日の間に米国食品医薬品局から判断が示される予定です。

このように目先の不確実性要因はだんだん片付いてきてマーケットはそれに呼応するかたちで上昇してきました。

12月、1月は例年株式市場が堅調な月として知られているので目先は弱気に転じる必要は無いと思います。

■米国経済の現況

米国経済は予想以上に速いペースでV字回復してきました。下は失業率のチャートです。

(出典:セントルイスFRB)

しかし新型コロナ第三波がいま全米を襲っている関係で一部の州では再び外出制限を行うところも出てきています。その関係で米国の景気は腰折れするとの懸念も発生しています。

目先は①ワクチン承認による景気浮揚効果と②新型コロナ第三波による景気腰折れリスクが同時に到来するので景況感は急変しやすいと思います。

■企業業績

米国の企業業績はだんだん見通しが明るくなっています。第3四半期の決算発表シーズンは一部の企業を除き殆ど完了していますがEPSで84%、売上高で78%の企業がポジティブ・サプライズを出しました。これは極めて高い数値です。

今年通年のS&P500の一株当たり利益(EPS)は138.88ドル、2021年は168.9ドルが見込まれています。

四半期EPSの変化率は2020年第2四半期がボトムで、それ以降、明らかに改善基調となっています。

(出典:ファクトセット)

向こう12ヵ月のEPSに基づいたS&P500指数の株価収益率(PER)は21.7倍です。これは過去5年の平均である17.4倍より割高です。

■注目ETF

11月に続き12月・1月も米国の株式市場は強いと思われます。従ってここからはロング、すなわち「買い」から入るトレード戦略に徹するべきです。

SPDR S&P500ETF(コード:SPY)が最もトレードに適した流動性の高いETFです。この他パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(コード:QQQ)もロングするのに良いと思います。

さらにアグレッシブな投資をするならプロシェアーズ・ウルトラプロQQQ(コード:TQQQ)プロシェアーズ・ウルトラS&P500(コード:SSO)Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF(コード:FAS)などを買うやり方があると思います。