■非農業部門雇用者数
先週発表された4月の非農業部門雇用者数は予想18万人に対し結果25.3万人でした。
(出典:労働省労働統計局)
但し2・3月の数字が下方修正されたので過去3か月の平均値を取ると大体予想通りの数字だったと言えます。
■失業率
4月の失業率は予想3.6%に対し結果3.4%でした。
(出典:労働省労働統計局)
失業率は過去最低水準であり米国経済がまだじゅうぶん強いことを印象付けました。
■平均時給
4月の平均時給は+16¢でした。
(出典:労働省労働統計局)
これは今年に入って一番高い伸びでした。このことから賃金インフレ圧力は引き続き強いことが確認されました。
■連邦準備制度理事会の次の一手
先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)は0.25%の利上げを発表し、政策金利を5.00~5.25%にしました。今後については経済指標を見ながら判断してゆくことが確認されました。つまり今回のFOMCは特別タカ派でもハト派でもない、自然体のスタンスが強調されたということです。
そのメッセージにてらして上に述べた今回の雇用統計は、まだまだ緩和に転じることはできないと痛感させる内容でした。
■投資ストラテジー
市場参加者は早ければ7月、遅くとも9月にはFRBが利下げに転じることをフェドファンズ先物の取引価格に織り込んでいます。しかし足元の経済統計は利下げを正当化するほど弱い数字ではないため期待の先走りを感じさせます。それは利下げが無かった場合、市場は落胆させられることを意味します。今年の夏は一進一退の展開になることが予想されます。