雇用統計の結果について

■非農業部門雇用者数


2月3日(金)に発表された1月の非農業部門雇用者数は予想18.5万人を大幅に上回る51.7万人でした。但し例年この時期は過去の数字や季節調整の改訂が行われるため、アップサイドのサプライズは大幅に割り引いて考えるべきでしょう。

(出典:労働省労働統計局)

内訳的にはレジャー&ホスピタリティ産業が12.8万人の新規雇用を生みました。これは過去平均の8.9万人を上回る強い数字です。特にレストラン・バーは9.9万人の新規雇用を創出しました。レジャー&ホスピタリティ産業全体での雇用は新型コロナ前のピークより未だ-2.9%低い水準にあります。

その他、雇用が強かったのはプロフェッショナル&ビジネスサービスで8.2万人、政府部門で7.4万人、ヘルスケアで5.8万人などでした。

■失業率


1月の失業率は予想3.6%に対し3.4%でした。これは過去53年で最も低い数字でした。

(出典:労働省労働統計局)

■平均時給


1月の平均時給は+10¢でした。

(出典:労働省労働統計局)

これは最近のトレンドよりやや上昇が衰えたと言えます。

■今後の連邦準備制度理事会の動き


以上をまとめると1月の雇用統計は予想外に強かったと言えます。市場参加者の大半は連邦準備制度理事会(FRB)が今年3月にも利上げ打ち止めを宣言し、しばらく政策金利を横ばいに保った後、年末にかけて利下げに転じると考えています。しかし今回のデータを見た限りではむしろもっと金利を引き上げる必要を感じさせました。

いま株式の投資家の間では慢心が広がっています。仮に次の物価統計で落胆すべき数字が出た場合、市場が急落するリスクもあると思います。ここは欲張らず慎重な投資態度を堅持すべきです。