今週のFOMCの予想

■FOMC

11月1日と2日の両日に渡り米国の政策金利を決定する会合である連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。

大方の予想では0.75%の利上げが発表されると思われます。

(出典:CME FedWatch)

もし今回0.75%利上げされたら、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は4回連続で米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)を0.75%という大きな刻み幅で引き上げたことになります。

これはFRBが断固とした態度でインフレ退治に取り組んでいることをシグナルしています。

■12月以降のシナリオ

さて11月2日には声明文の発表とともにジェイ・パウエル議長が記者会見に臨みますが見どころは「12月14日のFOMCはどうなる?」という点です。FRBは一度は「12月は手加減するかも」というシグナルを発したものの10月30日(日)のWSJの記事ではそのガイダンスが撤回されるような書きぶりになっています。言い直せば12月も0.75%というシナリオが浮上しているのです。

ちなみにFFレートの先物は0.50%の利上げというシナリオと0.75%の利上げというシナリオが「五分五分の確率」となっています。

(出典:CME FedWatch) 

■株はどうなる?

そこで「株はこの先、どうなる?」ということですが、このところ米国株は(ひょっとすると12月から利上げ幅が縮小されるかも)という淡い期待を織り込んで買い進まれていたので、そのぶんは剥げるリスクがあります。

つまり目先は下押すリスクがあるということです。

しかしその後は再び政策金利の引上げは最終局面に入っているという期待から株式は買われる可能性が大です。

その理由はここへきて今年のクリスマス商戦期間(=最近はネット通販の占める割合が増えてきたので配送に要する時間の余裕を持ち、11月1日をクリスマス商戦期間の開始日と捉えるエコノミストが増えています)が冴えないものになるのでは? という観測が急速い台頭しているからです。

この期間は小売業が大量のパートタイムを雇う時期です。しかし今年はクリスマス商戦が低調になるので雇用の伸びも低いという考え方が出てきています。

もしそのシナリオが現実のものとなればFRBは利上げのペースを減速すると予想されます。

いずれにせよ今後はそのような点に目配せしながら株式をトレードする必要があるということです。

■まとめ

まとめると11月2日のFOMCではもう一度0.75%の利上げが発表されるけれど、その次に関しては利上げペースの減速を匂わせるコメントは出ないリスクがあります。

この場合、最近の米国株の上げピッチが速かっただけに今週は少し下押すリスクがあるでしょう。

しかし1~2か月先を展望すれば景気指標の一段の悪化から再び利上げペース減速期待が台頭することが予想されます。それは株式にとって良い材料ですので今週下押した米国株は早い段階でまた上昇に転じると予想されます。