FXにおける基本 – ルールと資金管理の重要性 –

はじめまして!私はインヴァスト証券の間瀬と申します。
銀行員の経験と、ディーラー業務の経験を活かして、投資家の皆様に少しでも有益な情報を発信すべく、
INVAST NAVIの記事を執筆する事となりました。

さて、今回はFX取引における基本の「き」とも言える2点。
「ルールの順守」「適切な資金管理」について説明します。
今回の記事の内容は、投資家の皆様からすると「当たり前」と思われるようなものですが、
「一番難しい」ことでもあると考えます。是非ご一読ください。

◇利小損大になってしまう理由

皆様は、日々のニュース等をもとに「相場は、今後こうなるだろう」と予想して新規の取引を行っていると思います。
実はこの予想の当たり外れよりも、その後の決済の取引が重要であり、強い投資家はそれをルールのもと行います。

人間は利益確定を急ぐ反面、損切りは遅々と行えず、損大利小の取引をする傾向にある事が行動経済学の論文※で指摘されていますが、
ディーラーからみて上手に取引をされる投資家は、指値や逆指値を設定して機械的に決済を行う事で人間の弱い部分をカバーしているように思えます。

また、ルールを設けていない投資家は、なかなか損切りができていないように思えます。
そのような投資家の注文を見ていると、利益を細かくとるため勝率は比較的高いようですが、損大利小の結果、トータルでは損失が発生しているように思えます。
「いつにエントリーして、どのタイミングで利益を確定する、または損切をする」という取引ルールを見つけることが、強い投資家への第一歩だと考えます。

※ Kahneman, Daniel, and Amos Tversky (1979) “Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk”

◇適切な資金管理を行うことが重要

図1

 

図1は今年8月23日のUSD/JPYチャートです。
証拠金維持率に余裕が無く、買い玉を保有していた投資家の方は、この時の大幅な下落でロスカットとなったのではないでしょうか。
ロスカットは投資家保護の観点からは重要です。一方で相場の一時的な調整局面では損失を確定させ、その後の収益機会を失うという側面もあります。
今回の場合も、9月にはUSD/JPY=108円を超える円安局面も到来しました。

昨今はSNSなどを介する要人発言により相場が突発的に変動しますが、それを事前に予想する事は困難です。
意図せぬロスカットを避ける為にも、適切な資金管理は重要であり、収益機会を失うリスクも低減できるのではと考えます。
「いくらまで下がったらロスカットされる」という点を意識して、証拠金維持率を高く保ちましょう。

 

◇投資家の属性別傾向

図2

 

図2はトライオートFXを利用していただいている投資家の、今年8月の取引において実現損益がプラスである投資家の割合を表したものです。
この時は、ルールに則り取引を行う自動売買取引に優位性が見られました。

自動売買取引は、過去の相場推移を参考にしたプログラムにより機械的な取引を行います。
人間の感情を除去できる点と、一定のルールに基づく取引を行うことができる点から、FX取引における有効な運用手段であると考えます。

しかし、自動売買取引が万能なのかといえば、そうではありません。
プログラムの想定する値幅から相場が大きく外れてしまった場合などは、
「相場が戻るまで耐えるのか?」「ポジションを一旦クローズし、新たな収益機会を求めるか?」等の投資判断も、
自動売買を運用していく上では重要なポイントとなります。

 

◇おわりに

今回お伝えした「ルールの順守」と「適切な資金管理」は、
裁量取引・自動売買取引、どちらのFX取引においても鉄則です。

「正解」はありませんが、それを追求し続けることでトレードスキルの向上が見込めます。

今後の取引に活かして頂けると幸いです。