アイシェアーズ・シルバー・トラストについて

アイシェアーズ・シルバー・トラスト(ティッカーシンボル:SLV)はNY証券取引所に上場されている銀価格に連動することを目指した上場型投信(ETF)です。実際に信託銀行の金庫に銀を保有することで銀価格そのものと同じ動きをするように設計されています。

同社は普通の投信が株券を保有しているのに対し、銀というコモディティーを組み入れている関係で多くのETFが依拠している1940年投資会社法ではなく、1936年米国商品取引所法に基づいた商品設計となっています。それが実際に我々の日常のトレードに与える影響としては、同ETFは「絶え間なく売出し行為が行われている」という扱いになることで、スポンサーであるアイシェアーズのブランドを展開している資産運用会社、ブラックロックはこのETFの広告宣伝などの面で制約を受けることを意味します。ただそのような制約が同ETFのパフォーマンスに与える影響は軽微だと思います。

2021年10月22日現在の純資産は132.8億ドルです。

銀は金同様、インフレ・ヘッジの投資先と考えられています。いま米国ではここ数年の平均を上回るペースでインフレが進行しており、投資家はインフレ・ヘッジの機会を求めています。

(出典:セントルイスFRB)

2020年は新型コロナで安全資産への逃避が起こり、銀価格は年間で+27%の上昇を見ました。銀の生産会社などがスポンサーになっている業界調査団体、ザ・シルバー・インスティチュートが1年に1回出している「ワールド・シルバー・サーベイ」は今年の銀価格の予想を27.3ドルと見ています。

(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)

去年は新型コロナに伴う外出禁止令の影響で銀山の操業も一時停止し、供給は一時3万1千トンを割り込みました。銀の供給の8割が銀山から新たに掘り出される銀であり、リサイクルの比率は19%です。

(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)


国別で言えばメキシコが世界で最大の銀の供給国です。それにペルーと中国が続いています。

(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)


一方、需要を見るとジュエリー、銀器、工業向け銀の消費が落ち込みました。


(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)

差し引きでは銀の供給が消費を上回り、2010年以来最大の余剰が生じました。

(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)

その需給バランスは下のチャートの水色で示した部分になります。実需ではマイナスになったわけです。しかしそれを補って余りあるほどETF(橙色)が買い越しとなりました。

(出典:ワールド・シルバー・サーベイ)

このチャートからもわかるようにETFからくる需要が全体の需給関係に最もインパクトのある要因となっています。そしてETFの買いはトレーダーがインフレの先行きに対してどのような相場観を持つか? にかかっています。

このところ銀価格は長期で横這いの展開となっており休養し、エネルギーを蓄積した状態になっているという風にも考えられます。

トライオートETFでは以下のような銘柄を取り扱っています。

銘柄名ティッカー取引所
TOPIX連動型
上場投資信託
1306東京証券取引所
日経225連動型
上場投資信託
1321東京証券取引所
(NEXT FUNDS)
日経 ダブルインバース
上場投信
1357東京証券取引所
(NEXT FUNDS)
日経平均レバレッジ
上場投信
1570東京証券取引所
Iシェアーズ
MSCI ACWI ETF
ACWIナスダック
Direxionデイリー
米国金融株ブル3倍ETF
FASNY証券取引所
Iシェアーズ
中国大型株ETF
FXINY証券取引所
SPDR
ゴールドシェア
GLDNY証券取引所
ウィズダムツリー
欧州ヘッジド・
エクイティ・ファンド  
HEDJNY証券取引所
iシェアーズ
iBoxx米ドル建て
ハイイールド社債ETF
HYGNY証券取引所
Iシェアーズ・
ラッセル1000
バリューETF
IWDNY証券取引所
Iシェアーズ・
ラッセル2000 ETF
IWMNY証券取引所
iシェアーズ
iBoxx米ドル建て
投資適格社債ETF
LQDNY証券取引所
パワーシェアーズ
QQQ信託シリーズ1
QQQ  ナスダック
SPDR
S&P500 ETF
SPYNY証券取引所
プロシェアーズ・
ウルトラS&P500
SSO  NY証券取引所
プロシェアーズ・
ウルトラプロQQQ
TQQQ  ナスダック
WTI
原油連動ETF
USO  NY証券取引所
バンガードFTSE
エマージング
マーケッツETF
VWO  NY証券取引所
エネルギーセレクト・
セクターSPDRファンド
XLENY証券取引所
金融セレクト・
セクターSPDRファンド
XLFNY証券取引所
資本財セレクト・
セクターSPDRファンド
XLINY証券取引所
テクノロジーセレクト・
セクターSPDRファンド
XLK  NY証券取引所
生活必需品セレクト・
セクターSPDRファンド
XLP  NY証券取引所
公益事業セレクト・
セクターSPDRファンド
XLU  NY証券取引所
一般消費財セレクト・
セクターSPDRファンド
XLYNY証券取引所
S&P500
恐怖指数連動ETN
VXXCBOE BATS
ARK
イノベーションETF
ARKKNY証券取引所
iシェアーズ・
シルバー・トラスト
SLVNY証券取引所

一番下の3銘柄が今回新規で追加された取扱銘柄になります。Iシェアーズ・シルバー・トラストはコモディティーを原資産とするETFという意味でSPDRゴールドシェア、ならびにWTI連動型ETFにもっとも近いです。