FX取引で、初心者なので新規注文を出すタイミングがわからなくて悩んでいるという人はいませんか?FXで新規注文のタイミングを見極める方法としては、チャートパターンの活用がおすすめです。
この記事では、主に使用されるチャートパターンを18種類ピックアップして、その形や特徴について解説しています。FX取引の勝率を上げたい、新規注文のタイミングが良くわからないという人はぜひ最後までお読みください。
FXのチャートパターンとは
FXのチャートパターンとは、典型的なチャートの値動きのパターンから、将来のトレンド転換や継続を予測する相場分析手法です。チャートパターンには、トレンドの転換を表す「反転パターン」と、トレンドの継続を表す「継続パターン」の2種類があります。
またチャートには月足、週足、日足、時間足などさまざまな時間足がありますが、どの時間足のチャートパターンを見れば良いのかは、取引手法によって異なります。取引手法別に主にすべき時間足は以下の通りです。
取引手法 | 取引時間の目安 | 主に利用するチャートの時間軸 |
スキャルピング | 数秒から数分 | 1分足、5分足 |
デイトレード | 数時間から1日、ポジションを翌日に持ち越さない | 5分足、15分足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 1時間足、4時間足 |
長期トレード | 数ヶ月~数年 | 日足 |
FXのチャートパターンを利用するメリット
FXチャートは全く同じ値動きをすることはありません。しかし長くチャートを見ていると、過去に同じようなパターンがあったり、この後紹介するような典型的な値動きが確認できたりする場合があります。こうした事例を蓄積しておくと、同じような値動きを見つけた段階で先回りして投資ができるようになり、トレード成功率や1トレードあたりの利益が上昇する可能性があります。
FXの代表的なチャートパターン【18選】
FX初心者が覚えておくべき代表的なチャートパターンは以下の18種類です。
- ヘッドアンドショルダー・トップ
- ヘッドアンドショルダー・ボトム
- ダブルトップ
- ダブルボトム
- トリプルトップ
- トリプルボトム
- ソーサートップ
- ソーサーボトム
- 上昇三角保ち合い
- 下降三角保ち合い
- 上昇ペナント
- 下降ペナント
- 上昇フラッグ
- 下降フラッグ
- 上昇ウェッジ
- 下降ウェッジ
- 上昇ボックス
- 下降ボックス
以下18種類の代表的なチャートパターンについてそれぞれ解説します。
ヘッドアンドショルダーズトップ
【反転パターン】
ヘッドアンドショルダーズトップは真ん中に大きな山があり、その両脇に肩(ショルダー)と言われる小さな山がある形で、別名、三尊(さんぞん)と言われます。また大きな山の両脇の高値は、ほぼ同じ価格を示す点が特徴です。
ヘッドアンドショルダーズトップは高値圏でネックラインを下回ったときに完成し、上昇トレンドが終わり、下降トレンドに向かう兆候であることから売りシグナルとなります。
ネックラインとは高値圏では安値のポイントを通るように引くライン、安値圏では高値のポイントを通るように引くラインのことを指します。
ヘッドアンドショルダーズボトム
【反転パターン】
ヘッドアンドショルダーズボトムは真ん中に大きな谷があり、その両脇に肩(ショルダー)と言われる小さな谷がある形で、別名、逆三尊(ぎゃくさんぞん)と言われます。また大きな谷の両脇の安値は、ほぼ同じ価格を示す点が特徴です。
ヘッドアンドショルダーズボトムは安値圏でネックラインを上に抜けたときに完成し、下落トレンドが終わり、上昇トレンドに反転する兆候であることから買いシグナルとなります。
ダブルトップ
【反転パターン】
ダブルトップは同じくらいの大きさの山が2つある形で、2つの高値がほぼ同じ価格を示す点が特徴です。ダブルトップは高値圏でネックラインを下に抜けたときに完成し、上昇トレンドが終わり、下落トレンドに反転する兆候であることから、売りシグナルとなります。なお後に紹介する、トリプルトップよりも山が少ない分、トリプルトップよりはトレンドが弱い傾向があります。
関連記事:ダブルトップとは?売るタイミングの見分け方や注意点
トリプルボトム
【反転パターン】
トリプルボトムは近い大きさの谷が3つある形で、3つの安値がほぼ同じ価格を示す点が特徴です。トリプルボトムは安値でネックラインを上に抜けたときに完成します。トリプルボトムが完成すると下落トレンドが終わり、上昇トレンドに反転する兆候を表すことから、買いシグナルとなります。
関連記事:トリプルボトムとは?ダブルボトムとの違いやネックラインについて
ソーサートップ
【反転パターン】
ソーサーとは英語で「お皿」という意味があり、お皿の形に似ていることからソーサートップと言われます。ソーサートップは、まず緩やかに上昇し、次第に上下にもみ合いが続きます。その後徐々に安値が切り下がり、最後に大きくネックラインを割ったときにソーサートップの形が完成します。ソーサートップは下落トレンドに反転する兆候を示しているため、売りサインとなります。
ソーサーボトム
【反転パターン】
ソーサーボトムは、まず緩やかに下落し、次第に上下にもみ合いが続きます。その後徐々に高値が切り上がり、最後に大きくネックラインを抜けたときにソーサーボトムの形が完成します。ソーサートップは上昇トレンドに反転する兆候を示しているため、買いサインとなります。
上昇三角保ち合い
【継続パターン】
過去の高値と高値を結んだ上値抵抗線がほぼ横ばいに推移し、安値が切り上がっているため、安値と安値を結んだ下値抵抗線が右肩上がりになっている形を上昇三角保ち合いと言います。最終的に上値抵抗線を上に抜けると上昇三角保ち合いが完成となり、上昇トレンドの継続を示すことから買いサインとなります。
下降三角保ち合い
【継続パターン】
高値が切り下がることから上値抵抗線が右肩下がりになり、下値抵抗線が横ばいになっている形を下降三角保ち合いと言います。最終的に下値抵抗線を下に抜けると下降三角保ち合いが完成となり、下落トレンドの継続を示すことから売りサインとなります。
上昇ペナント
【継続パターン】
上値抵抗線が右肩下がり、下値抵抗線が右肩上がりに向かい徐々に幅が小さくなることで三角形のペナント(細長い三角形の旗)を形成するチャートパターンがペナント型です。最終的に上抜けをすると上昇ペナントを形成し、上昇トレンドの継続を示すことから買いサインとなります。
下降ペナント
【継続パターン】
三角形のペナント(細長い三角形の旗)を形成し、最終的に下抜けをすると下降ペナントが完成します。下降ペナントは下降トレンドの継続を示すことから売りサインとなります。
上昇フラッグ
【反転パターン】
高値と下値がどちらも徐々に切り下がっていることから、上値抵抗線と下値抵抗線がどちらも右肩下がりの平行線となっている点が特徴です。平行線とチャートで形成される形がフラッグ(旗)に似ていることから、フラッグ型と言われ、最終的に上値抵抗線を上抜けすると上昇フラッグが完成し、再度価格が上昇に向かうため買いサインになります。
下降フラッグ
【反転パターン】
高値と下値がどちらも徐々に切り上がっていることから、上値抵抗線と下値抵抗線がどちらも右肩上がりの平行線となっている点が特徴です。最終的に下値抵抗線を下抜けすると下降フラッグが完成し、再度価格が下落に向かうため、売りサインになります。
上昇ウェッジ
【反転パターン・継続パターン】
上昇ウェッジは高値と安値が切り上がりながら、上値抵抗線と下値抵抗線どちらも右肩上がりに向かう形です。徐々に価格がもみ合いながらも、下値抵抗線の右肩上がりの角度の方が急になっているという特徴があります。上昇ウェッジは反転パターンと継続パターンどちらにも向かう可能性があり、上値抵抗線を上に抜けたら上昇トレンド継続として買いサイン、下値抵抗線を下抜けしたら下落トレンドへの反転を示すことから売りサインとなります。
下降ウェッジ
【反転パターン・継続パターン】
下降ウェッジは高値と安値が切り下がりながら、上値抵抗線と下値抵抗線どちらも右肩下がりに向かう形です。徐々に価格がもみ合いながらも、上値抵抗線の右肩下がりの角度の方が急になっている点が特徴です。下降ウェッジも反転パターンと継続パターンどちらにも向かう可能性があり、上値抵抗線を上に抜けたら上昇トレンド反転として買いサイン、下値抵抗線を下抜けしたら下落トレンドへの継続を示すことから売りサインとなります。
上昇ボックス
【継続パターン】
上値抵抗線と下値抵抗線の間を上下に行き来するため、上値抵抗線と下値抵抗線ともに横ばいに推移し、長方形を形成することからボックスと言われます。ボックスで上値抵抗線を上に抜けると上昇ボックスが完成し、上昇トレンドの継続を示すことから買いサインとなります。
下降ボックス
【継続パターン】
ボックスを形成している場面で、下値抵抗線を下抜けると上昇ボックスが完成し、下降トレンドの継続を示すことから売りサインとなります。
FXでチャートパターンを利用する際の注意点
ここまで紹介したチャートパターンを完全に身につけても、以下2つの注意点を見落とすと、トレードの勝率は上がりません。
- 騙しが発生する場合がある
- 上位足の値動きも確認する
以下、FXでチャートパターンを利用する際の注意点について解説します。
騙しが発生する場合がある
騙し(ダマし)とは、ここまで解説してきたようなチャートパターンのセオリーとは反対方向に為替レートが動いてしまうことです。例えばボックスを形成している状態で上値抵抗線を上に抜けたら、上昇トレンドが継続することから買いサインと考えるのがセオリーです。
しかし、まれに上値抵抗線を上抜けしても、価格が反転してしまうことがあります。このようにチャートパターンは万能ではないため、過信をせずに万が一のときに備えて損切りの逆指値注文を入れるなどの対策を立てておきましょう。
またチャートパターンの他、MACDやRSIを使ったテクニカル分析も組み合わせて、売買タイミングを見極める方法も有効です。
上位足の値動きも確認する
チャートパターンを使ったトレードの場合、上位足のトレンドも必ず確認しておきましょう。
上位足とは、より長期のチャートのことを指します。例えば日足の上位足は、週足や日足、1時間や8時間足の上位足は日足、週足、月足などが相当します。
上位足の確認が必要な理由は、ある時間足で確認したチャートパターンでは下落トレンドを示していても、より上位足が上昇トレンドを示している場合、上位足の値動きに引っ張られてしまう可能性が高いからです。上位足と下位足のトレンドが合致しているかを確認した上で注文をすると、よりトレードの成功率は上がるでしょう。
取引手法別に主に使用するチャートの時間足と、確認しておきたい上位足は以下の通りです。
取引手法 | 取引時間の目安 | 主に利用するチャートの時間軸 | 確認しておきたい上位足 |
スキャルピング | 数秒から数分 | 1分足、5分足 | 30分足、1時間足 |
デイトレード | 数時間から1日、ポジションを翌日に持ち越さない | 5分足、15分足 | 1時間足、4時間足、日足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 1時間足、4時間足 | 週足、日足 |
長期トレード | 数ヶ月~数年 | 日足 | 週足、月足 |
まとめ
FX初心者でいつ新規注文をして良いのかタイミングがわからないという人は、チャートパターンの活用がおすすめです。多くのチャートパターンを覚えておくと、今後の値動きを予測して先回りしてトレードができることから、トレード成功率や1トレードあたりの利益アップにつながる可能性があります。ただしチャートパターンは万能ではありません。ダマしもあるため。万が一のために損切りの逆指値注文を入れたり、他のテクニカル分析も組み合わせたりするなどの対策を立てておきましょう。また上位足のトレンドを事前に確認しておくことも大切です。
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