
高値圏でダブルトップというチャートパターンが登場した場合、下落トレンドに向かう兆候を表しています。FX取引している人の中には、チャートパターンを覚えたいけど、種類が多すぎて見分けがつかないと感じる人もいるのではないでしょうか?
この記事ではダブルトップ、及びよく似ていると言われているチャートパターンである、ヘッドアンドショルダーズトップやダブルボトムについて、比較をしながら解説しています。
ダブルトップとは

ダブルトップは同じくらいの大きさの山が2つ並び、2つの高値がほぼ同じ価格を示すという特徴があります。ダブルトップは高値圏でネックラインを下に抜けた時点で完成し、下落トレンドに転換する兆候を表しています。
ネックラインとは
ダブルトップにおけるネックラインとは、高値圏では安値のポイントを通るように引くラインのことです。
ダブルトップは何度か上昇を試みたものの、一回目の高値を更新できず、一旦下落したもののネックライン付近で押し目買いに支えられ、再度上昇したものの最終的に売り勢力が大きくなり、ネックラインを下抜けして下落に転じたことを表しています。
ダブルボトムとの違い

ダブルボトムは同じくらいの大きさの谷が2つ並び、2つの安値がほぼ同じ価格を示すという特徴があります。ダブルボトムは安値圏でネックラインを上に抜けた時点で完成し、上昇トレンドに転換する兆候を表しています。
ダブルトップはネックラインが高値圏で安値のポイントを通りますが、ダブルボトムはダブルトップを逆さにした形をしており、安値圏でネックラインが高値のポイントを通るという違いがあります。
関連記事:ダブルボトムとは?特徴や売買タイミング・騙しの回避方法をわかりやすく解説
ヘッドアンドショルダーズトップとの違い

ヘッドアンドショルダーズトップとは、真ん中に大きな山があり、両脇に肩(ショルダー)と言われる小さな山がある形を形成しています。ヘッドアンドショルダーズトップを形成する大きな山の両脇の高値は、ほぼ同じ価格を示すという点が特徴です。
ヘッドアンドショルダーズトップもダブルトップ同様、高値圏でネックラインを下に抜けることで完成し、下落トレンドに転換する兆候を表すものです。ダブルボトムが2度天井を打ってから下落しているのに対し、ヘッドアンドショルダーが3度高値をうかがって押し戻された後に下落していることから、ダブルトップよりも強力な下落トレンドの兆候になります。
ダブルトップのエントリータイミング
ダブルトップは高値圏で出現しネックラインを下抜けしたところがエントリータイミングになります。しかし上位足が下降トレンドに向かっているときにダブルトップのエントリータイミングでエントリーをしても、トレンドが転換して上昇に転じてしまう可能性があります。ダブルトップにエントリーをするときは上位足も高値圏にあるかを確認しましょう。
上位足とは、より長期のチャートのことを指します。例えば日足の上位足は、週足や月足、1時間や8時間足の上位足は日足、週足、月足などが上位足に相当します。
取引手法別に主に使用するチャートの時間足と、確認しておきたい上位足は以下の通りです。
取引手法 | 取引時間の目安 | 主に利用するチャートの時間軸 | 確認しておきたい上位足 |
スキャルピング | 数秒から数分 | 1分足、5分足 | 30分足、1時間足 |
デイトレード | 数時間から1日、ポジションを翌日に持ち越さない | 5分足、15分足 | 1時間足、4時間足、日足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 1時間足、4時間足 | 週足、日足 |
長期トレード | 数ヶ月~数年 | 日足 | 週足、月足 |
またエントリータイミングが早すぎて、ネックラインを下抜けしないうちに売りエントリーしてしまうと、再度、押し目買い勢力に捕まり、トレンド転換して上昇に向かう可能性があります。
ダブルトップの売りのシグナル
ダブルトップはネックラインを下に抜けたのを確認してから売りエントリーするのが基本です。
ダブルトップは1つ目の山で高値を付けたところで売り圧力に押され下落し、ネックラインにタッチしたところで押し目買いが入り再度上昇、その後再び売り圧力に押されたことを表しています。
ダブルトップでネックラインを下に抜けるということは、売り圧力の方が優勢になったことを意味しているため、そのまま下落する可能性が高いことから、ネックラインを下抜けしたところが売りシグナルになるのです。
売りシグナルを逃してしまうと、思った通りの値動きをしたにも関わらず利確してもほとんど利益が得られなかった、せっかくチャートパターンを形成したのにトレンド転換してしまったなどチャンスを逸してしまいます。
ダブルトップの注意点

ダブルトップを始めとしたチャートパターンは必ずしもセオリー通りの値動きになるとは限りません。このようにチャートパターンのセオリーとは反対の値動きを示すことを、騙し(ダマし)と言います。自分がエントリーした方向とは反対に値動きすることから、ダマしにあうと損失が発生する可能性があります。
騙しにあわないために、チャートパターンだけではなく、その他のテクニカル指標も組み合わせて売買ポイントを見極めましょう。先に述べたように、上位足のトレンドも確認しておくことも大切です。
また重要な経済指標の発表があると、内容次第では、チャートパターンのセオリーを全く無視した値動きを示します。重要な経済指標の発表スケジュールは把握して見落とすことがないように心がけましょう。
まとめ
ダブルトップは同じくらいの大きさの山が2つ並んだチャートパターンです。ダブルトップは高値圏でネックラインを下に抜けた時点で完成し、下落トレンドに転換する兆候を現しています。ダブルボトムやヘッドアンドショルダーズトップと似ていますが、ダブルボトムは上昇トレンドを表し、ヘッドアンドショルダーズトップはダブルトップよりも強力な下落の兆候を示すシグナルです。
FXでは数多くのチャートパターンがあるため、すべて一度に活用するのは難しいかも知れませんが、少しずつ使い方を身につけていきましょう。
チャートパターンの使い方に自信が持てずに不安な人は、予めプログラムされた内容に基づいて自動的に売買を繰り返す、インヴァスト証券の「トライオートFX」の活用を検討してみましょう。必ず利益が出ることを約束するものではありませんが、自分でFX取引をするのは不安という人はトライオートFXを活用してみることをおすすめします。