「オリンピックや政策などでこれから日本の景気は良さそうだ」「株も長期的にはあがるだろう?」「さあ、投資をしようか?」
証券会社に口座開設してまず最初にすることは銘柄の選定です。
株式投資において銘柄選定は経験者にとっては楽しい時間でもありますが、初心者には「いったい何を買ったらいいの?」となりやすい部分でもあります。
一般的には、知名度があり投資家自身にもそれなりに身近な会社で、その会社の「売上げや利益の推移といった企業情報」と「株価の水準や取引量(出来高)などの相場状況」を同業他社とも見比べながら調べて、投資の判断をするのがいいと考えられています。
でも、これって投資初心者にはどこから順に何を調べたら良いか、また、どう評価して良いかもわかりませんよね。身近って言ったら「勤務先が一番身近なんですけど!」そんな銘柄選定に悩む初心者投資家におススメなのが日経平均連動型ETFです。
日経平均連動型ETFなら「これから日本の景気は良さそうだから日本株は上がりそうだ」というとき、ニュースも豊富で身近ですし、さらに個別株と同じようにいつでも取引ができるのに個別株のような倒産リスクが抑えられているんです。
そこで今回は特に初心者におススメの日経平均連動型ETFに焦点を当て、その概要や今後の相場予想について解説いたします。
1. 日経平均とは
「日銀の資産買い入れ」などニュースでも注目される日経平均連動型ETFですが、その前にまず日経平均株価(日経平均・日経225)についておさらいします。
1-1 日本を代表する225社の平均株価
日経平均を構成する銘柄は東京証券取引所1部上場銘柄から選ばれた日本を代表する225社の株価を平均したもので日経新聞社が選定・算出し公表しています。
米国ならNYダウ、おとなりの韓国ならKOSPI、ドイツはDAX、そして日本なら日経平均とどれもニュースで見聞きするその国を代表する株価指数ですよね。
1-2 225社の選定と見直し
日経平均を構成する225社は日経新聞社によって通常毎年1回10月始めに構成銘柄の見直されます。また、企業の合併や経営破たんなどで225社に満たなくなった場合でも臨時入れ替えがおこなわれ225社を維持するようになっています。
なお、現在の構成銘柄については日経新聞社のHPでわかります。
1-3 日経平均はどこで取引できる?
「日経平均」自体は日経新聞社が算出するただの数値になり「日経平均」それ自体は取引されていません。
でも、日経平均株価に連動する投資信託(インデックスファンド)やETF、日経225先物取引などを利用するという方法があります。
ただし、日経平均連動型の投資信託は好きな時間に取引ができるわけではない点、また日経225先物はハイリスクハイリターンなことと期限がある点が理由で、特に日経225先物については、あまり投資初心者にお勧めできません。
※225先物は少し研究してからはじめましょう。
そこで日経平均連動型のETFです。日経平均連動型のETFならコスト(信託報酬等)も比較的低く抑えられており、個別株と同じようにいつでも取引できます。
2. 日経平均に連動するETFの種類とおススメ銘柄
日経平均に連動ETFは2017年3月時点で8つあります。
【東証に上場する日経平均連動型ETFの一覧(2017年3月現在)】
銘柄コード | 銘柄名 |
1320 | ダイワ上場投信-日経225 |
1321 | 日経225連動型上場投資信託 |
1330 | 上場インデックスファンド225 |
1329 | iシェアーズ 日経225 ETF |
1346 | MAXIS 日経225上場投信 |
1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) |
1369 | DIAM ETF 日経225 |
1397 | SMAM 日経225上場投信 |
2-1 おススメは【1321】日経225連動型上場投資信託
投資家にとっては「日経平均に連動するETFなら1個あれば十分」なわけですが、そこは大人の事情。
日経平均連動型ETFの投資家ニーズは高く、複数の大手運用会社がこぞって組成・提供しているからですが、おススメは「【1321】 日経225連動型上場投資信託」です。
その理由は運用期間が長く純資産額が最大だからです。
純資産額が多く運用期間が長いということはもちろん日々の取引量も多く、流動性リスクや上場廃止リスク(繰上げ償還のリスク)も低いと考えられます。
3. 日経平均連動型ETFは今取引していいの?
いくら個別株に比べて日経平均連動型ETFの倒産リスクや価格変動リスクが低めだとはいってもやはりタイミングが重要です。
下落相場時に保有してしまい含み損を抱えてずっと塩漬け状態というより、上昇相場時にできるだけ安値で買って含み益が出ているという方がいいですよね。
それでは現在の日経平均はどうでしょうか?
テクニカル的な観点で日経平均は長期上昇トレンドにあると見ています。
3-1 日経平均株価は長期下降トレンドから上昇トレンドに転換
下のチャートは、日経平均株価の月足チャートです。
【日経平均株価 月足チャート1】
日経平均は1989年末に40,000円近くまで上昇しバブルが崩壊。サブプライムローン問題やリーマンショックなどにより7,000円割れまで下落します。
このチャートで一番のポイントは、「トレンドライン」という線の引き方です。
→FXや株の売買でトレンドラインをどう使うのか?ラインの引き方と売買の仕方
実は、1989年に日経平均は高値をつけているのですが、多くの資産株は1986年頃から1987年頃に最高値をつけて既にピークアウト。
1989年の上昇は、実は買える株があまり無い状態の中で買われたのは多くの小型株になっています。
そしてその後日経平均はこの青色の下降トレンドを示すラインとそれを平行移動させたラインで示した巡航速度で下落してきたということです。
3-2 バブル崩壊以後の長期下降トレンドの終焉
しかしながら日本は大きな震災を乗り越え、アベノミクスのフォローの風に乗って株価も上昇基調になっています。
実際、日経平均は既に青い下降トレンドラインを上回り、現在は緑色で示した上昇トレンドラインとそれを平行移動させたラインで示す巡航速度での長期上昇トレンドに入ったと考えられます。
3-3 数年後には日経平均は20,000円割れでは買えない可能性
アベノミクスで一時は2万円台まで上昇してきた日経平均です。日経平均7,000円割れの印象もある投資家の方は、「もうこれ以上は上がらないんじゃないの?」と思われるかもしれません。
確かにチャート分析的な観点から言えば、21,000円前後で上値が抑えられそうな印象はあります。
【日経平均株価 月足チャート2】
しかし、相場自体が上昇トレンドにあり、トレンドラインの引き方と売買の仕方でお伝えのとおり上昇相場で高値の目処として意識されやすい水準(ここでは21,000円)を相場が上回ると今度はその水準(21,000円)が下値の目処として意識されて下値支持線(サポートライン)になりやすいというのがチャート分析のセオリー中のセオリーです。
長期上昇トレンドと考えられる日経平均が上値抵抗線(レジスタンスライン)となる21,000円台を超えてしまうと、今度は21,000円が下値支持線(サポートライン)になって20,000円以下には下がりにくいということです。
したがって、長期的な視点で日経連動型ETFを検討されていらっしゃる方にとって、現在の日経平均は仕込みどきだと考えられます。
3-4 日経連動型ETFなら分配金も期待できる
ここまでは日経平均の値動きや価格水準とトレンドについての話でした。さらにETFなら価格変動による利益(=キャピタルゲイン)だけではなく、分配金による利益(=インカムゲイン)も期待できます。
以下は【1321】日経225連動型上場投資信託の過去5年間の分配金の実績です。(1口あたり)
決算日 | 分配金額 |
2016年7月8日 | 269円 |
2015年7月8日 | 230円 |
2014年7月8日 | 199円 |
2013年7月8日 | 187円 |
2012年7月8日 | 146円 |
4. まとめ
長期上昇トレンドにあると考えられる日経平均。投資初心者が長期的な観点で投資を始めるには日経平均に連動するETFはとても身近で取引しやすい魅力的な金融商品だと思います。
是非、今後の価格動向や分配金もチェックしてみてくださいね。