【トレード手法別】FXのやり方|利用できる指標や向いている人の特徴も

FXは様々なトレード手法があるため、どれを選んで良いかわからない人もいるかもしれません。この記事ではFXの主なトレード手法や、各トレード手法に向いている人の特徴や、相性の良いテクニカル指標について解説しています。これからFXを始めたい初心者や、始めたばかりでどのようなトレード手法が自身に合っているか、やり方がわからない人は参考にしてください。

【トレード手法別】FX(外国為替証拠金取引)のやり方

FXのトレード手法は注文から決済までにかかる時間に応じて大きく4つに分けられます。また、あらかじめ設定した内容に基づいて機械的・継続的に売買を繰り返すシステムトレードという方法もあります。

  • スイングトレード
  • デイトレード
  • 長期投資
  • システムトレード
  • スキャルピング

以下、各トレード手法のやり方や利用できる指標、向いている人の特徴について解説します。

スイングトレード

数日から数週間というスパンでポジションを保有し、長期的に大きな利益を狙うトレード手法です。短期的な値上がり益を狙うトレード手法ではないため、常にFXの画面を見ている必要がありません。またポジションを保有することで営業日をまたぐたびに、ほぼ毎日スワップポイントが狙える可能性があります。

しかし、要人発言や、重要な経済指標の発表、戦乱や天災といった地政学リスクによって、大きなトレンド転換が生じることがあります。そのため為替に関連する情報収集を常に行い、トレード方針を点検することが必要です。

利用できる指標

スイングトレードで利用される主なテクニカル指標を紹介します。

  • 移動平均線
    一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだテクニカル指標のことです。短期の移動平均線と長期の移動平均線の向きや、ローソク足との位置関係などからトレンドを判断します。スイングトレードの場合、日足のローソク足チャートに200日のような長期移動平均線と、5・10・21といった短期の移動平均線を表示させる方法がおすすめです。
  • RSI
    相対力指数とも言われ、相場の「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」といった過熱感を判断するための指標です。RSIが70を超えると買われ過ぎ、30を下回ると売られ過ぎと判断します。
  • ストキャスティクス
    一定期間の最高値と最安値から、相場の「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を判断する指標です。ストキャスティクスが80を超えると買われ過ぎ、20を下回ると売られ過ぎと判断します。

向いている人の特徴

スイングトレードは毎日FXの画面を見て、相場を注視する必要がありません。そのため普段仕事をしている人や、主婦など忙しくてトレードをする時間がない人に向いています。また通貨ペアのうち、金利が高いほうの通貨を買い、金利が低いほうの通貨を売ることでスワップポイントが受け取れるため、少しずつ資産を増やしていきたい人にもおすすめです。

デイトレード

数時間から1日という期間ポジションを保有するトレード手法です。デイトレードはポジションを翌日に持ち越さないため、取引時間外のニュースなどで価格の乱高下にさらされるリスクが抑えられます。また短期間で大きな利益が狙える点もメリットです。しかし常に画面を見ながらトレードチャンスを監視する必要があり、副業でするには難しいというデメリットもあります。

利用できる指標

デイトレードで利用できる指標を3つ紹介します。

  • 移動平均線
    デイトレードでも移動平均線は利用できます。デイトレードの場合、75日や100日といった中期の移動平均線と5・10・20日といった短期の移動平均線の組み合わせがおすすめです。
  • MACD(マックディー)
    MACDラインとシグナルラインの2つの線の位置から、売買シグナルを判断する方法です。MACDのゼロラインより下でMACDラインがシグナルラインを下から上に抜けると買いサイン。ゼロラインより上でシグナルラインをMACDラインが上から下に抜けると売りサインと判断する使い方などがあります。
  • ボリンジャーバンド
    移動平均線とその上下2本ずつの標準偏差からなる5本の線で構成されるテクニカル指標です。高値圏の標準偏差(+2σ)にローソク足が近づいたときは売りシグナル、下値圏の標準偏差(-2σ)にローソク足が近づいたときは買いシグナルと判断します。

向いている人の特徴

デイトレードは大きな利益を狙える可能性がありますが、常に売買チャンスを注視しておく必要があります。また取引が活発な時間帯の方が、値動きが大きく、利益が狙いやすい傾向があるため、15時から21時の欧州時間や、21時から6時のニューヨーク時間にトレード時間を確保できる方に向いています。

関連記事:FXのデイトレードとは?メリットやデメリット・向いている人の特徴

長期投資

長期投資とは数週間を超える期間、ポジションを保有し長い期間をかけて大きな利益を狙うトレード手法です。長期的にスワップポイントが得られる可能性がある点も、スイングトレードと共通しています。スイングトレード同様、常に取引画面を注視する必要はありませんが、大きなトレンド転換が起こる可能性があるため、経済指標や要人発言、地政学リスクには注意を払っておきましょう。

利用できる指標

長期投資は次に紹介するテクニカル指標だけではなく、ファンダメンタルズ分析も組み合わせる必要があります。ファンダメンタルズ分析とは、各国の経済指標などの情報から相場を予測する分析手法のことです。ファンダメンタルズは経済ニュースや、新聞などで情報収集できるため、日頃から大まかなトレンドは押さえておきましょう。

また長期投資で利用できるテクニカル指標は以下の通りです。

  • サポートライン
    サポートラインとは下値支持線と言われ、これ以上は下がる可能性は低いと考えられる目安になる線のことです。サポートラインを下に抜けたらトレンド転換が起こり、売りサインと判断します。
  • レジスタンスライン
    レジスタンスラインとは上値抵抗線と言われ、。これ以上は上がる可能性は低いと考えられる目安になる線のことです。レジスタンスラインを上に抜けたらトレンド転換が起こり、買いサインと判断します。
  • フィボナッチ・リトレースメント
    フィボナッチ比率に基づいた100.0%、76.4%、61.8%、50.0%、38.2%、23.6%といった水準を使って、トレンドの継続や、反発、反落のポイントを見極めるテクニカル指標です。

向いている人の特徴

長期投資は常にFX画面を見ながらトレードをする必要がありません。そのため仕事や家事で忙しく、頻繁にトレード画面に向き合うことが難しい人や、スワップポイントで長期的に資産を増やしていきたい人に向いています。

システムトレード

システムトレードはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、自動で機械的・継続的に売買が繰り返されるトレード手法です。忙しくてトレード画面を見ることができない人でも、24時間トレードチャンスを監視し、売買チャンスを逃しません。

ただし急な相場変動には対応できない、注文や決済時に手数料とスプレッドが重複してかかる場合がある点には注意が必要です。

利用できる指標

システムトレードは売買シグナルを見つけるために、あらかじめ用意されているテクニカル指標の中から使いたいものを選べる場合があります。どのテクニカル指標を選べるかは、システムトレードの種類によって異なります。これまで紹介してきたテクニカル指標は選べることが多いため、ここではこれまでに紹介しておらずシステムトレードに活用されやすい代表的なテクニカル指標を紹介します。

  • 一目均衡表
    ローソク足と5本の補助線(基準線・転換線・遅行線・先行スパン1・先行スパン2)から相場の動きが一目でわかるチャートと言われています。先行スパン1と2によって形成される「雲」を下から上に抜けると買いシグナル、上から下に抜けると買いシグナルと判断します。
  • RCI
    順位相関係数のことで、一定期間の時間と価格に順位をつけて両者にどれくらい相関関係があるかをもとに「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を判断します。例えば期間を10日と設定した場合、10日間連続で為替レートが上昇していれば+100に近づき、下落し続ければ-100になります。
  • パラボリック
    パラボリックは放物線という意味がありますが、放物線のようなラインをチャートに表示し、相場のトレンド転換を見るテクニカル指標です。

向いている人の特徴

システムトレードは24時間トレードチャンスがあれば、注文や決済を行うため、忙しくてトレード画面にゆっくり向き合うことができない人に向いています。またあらかじめ用意されたトレードルールの中から選んですぐに運用が始められるため、初心者にも向いています。

スキャルピング

数秒、数分という短い時間で何度も売買を繰り返して、利益を積み上げていくトレード手法です。最も大きな利益が狙える可能性がありますが、瞬時に損切りの判断ができないと大きな損失が生じるおそれがあるため、リスクが高いトレード手法と言えます。

利用できる指標

スキャルピングで利用できるテクニカル指標としては、これまでに紹介した指標のうちボリンジャーバンド、MACD、RSI、サポートライン、レジスタンスライン、移動平均線などがあります。

なお移動平均線をスキャルピングに利用する場合は、5・10・20日といった短期の移動平均線を使用するのが一般的です。

向いている人の特徴

スキャルピングは短時間で何度も取引をするため、判断力、決断力が求められます。またデイトレード同様、取引が活発な時間帯に取引をした方が、利益が狙いやすいため、欧州時間やニューヨーク時間にトレードできる時間を確保できる人に向いています。

FXを始める手順

FX取引を始める場合は、以下の手順で進めていきます。口座開設をしたいFX会社を見つけたら、申込フォームに必要事項を入力し、重要事項などを確認した後に必要書類を提出。FX会社の審査後、問題なければ口座開設ができます。必要書類は、基本的にマイナンバーカードがあればそれだけで口座開設できますが、詳細はFX会社に確認をしてください。

  1. FX会社を選ぶ
  2. 口座開設を行う
  3. 口座に保証金を入金する
  4. 通貨ペアを選ぶ
  5. 新規注文を発注する
  6. ポジションを決済する

申込フォームの内容に誤りや虚偽があると、確認する手順が必要になるためスムーズに取引が始められない場合があります。また口座はFX会社一社につき一口座しか開設できないため、過去にFX口座を開設していて、重複申請になった場合も確認作業で取引開始が遅れるため注意しましょう。

FXを始めるために必要な資金

FXを始めるために必要な資金は、FX会社の最小取引単位によって異なります。例えば1ドル140円、最小取引単位1万通貨、レバレッジ25倍とした場合、最低5万6,000円あれば取引できます。さらに最小取引通貨1,000であれば10分の1の5,600円から取引が可能です。

最小取引単位はFX会社によって異なりますが、概ね数万円から10万円あれば始められます。

関連記事:FXはいくらから始められる?必要資金の目安と少額資金のメリット・デメリット

まとめ

FXは様々なトレード手法があり、相性の良いテクニカル指標や、向いている人の特徴が異なります。FXトレードをする目的や、各トレード手法の特徴を理解して、自身に合ったものを見つけるときの参考にしてください。

どのトレード手法が自身に合っているのかわからないという人は、システムトレードを検討してみましょう。インヴァスト証券の「トライオートFX」は、あらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・継続的に売買が繰り返されます。またAIを活用したシステムトレード「マイメイト」はAIが過去のトレードを学習して、学習内容をトレードに反映させる仕組みです。どちらも1から自身で設定する必要はなく、あらかじめ用意されているシステムトレードの中から自身に合ったものを選ぶことで運用を始められます。