FXのEA(自動売買システム)は、危険というイメージを持っていませんか?EA(自動売買システム)は選び方や、活用するコツを知っておけば、リスクを抑えた運用ができます。この記事ではFX初心者やこれからEA(自動売買システム)を活用してFXのトレードをしたい方むけに、大損すると言われる原因や、活用して成功させるコツについて解説しています。
FXのEA(自動売買システム)とは
EA(自動売買システム)とはExpert Adviserの頭文字をとったもので、FXの画面を常に見ていなくても、あらかじめ設定したトレードルール基づいて自動的・機械的に売買を繰り返してくれます。
また設定したトレードルールに従って、人の感情を介さずに自動的・機械的に売買が繰り返されるため、売買タイミングに迷って利益確定や損切りのタイミングを逃す可能性がありません。
FXのEA(自動売買システム)は危険?
FXのEA(自動売買システム)は危険という噂を聞いて不安に感じている方もいるでしょう。確かにFX初心者が無知のままEA(自動売買システム)を使って取引した場合は危険かもしれません。
しかしコツを理解して取引することで、損をするリスクが減らせます。そのためFXのEA(自動売買システム)が必ずしも危険なものとはいえないでしょう。
FXのEA(自動売買システム)で大損する原因
FXのEA(自動売買システム)で大損する主な原因を5つ紹介します。損失を抑えるためにも、まずは危険の原因を理解しましょう。
完全に放置している
EA(自動売買システム)は一旦トレードルールを設定して運用を始めたら、完全に放置をしておいて良いわけではありません。
為替レートは景気や、要人発言、経済指標の発表といった要因で、トレンドが変動する変わる場合があります。そのため安定した利益を出していたEA(自動売買システム)であっても、完全放置しているといつの間にか大損しているかもしれません。
定期的にEA(自動売買システム)の実績などをチェックして、必要であれば見直しをしましょう。また要人発言や重要な経済指標発表後は、これまで通りのEA(自動売買システム)で問題ないか確認をすることも大切です。
高いレバレッジで取引通貨量が多い取引をしてしまう
高いレバレッジをかけると、少ない証拠金でも取引通貨量が多い取引をしやすくなります。取引通貨量が多いほど、1pips変動したときの損失額が大きくなるため、結果的に大損しやすくなるのです。
継続的に安定した利益が出せないうちは、1~3倍程度の低レバレッジで運用するよう心がけましょう。
裁量トレードを組み入れている
裁量トレードとは自身の判断で新規注文や、決済をすることです。EA(自動売買システム)での運用を追っていると、含み益が出ているため利益確定をしたり、含み損が出ているため損切りをしたりといった裁量トレードをしたくなるかもしれません。実際にEA(自動売買システム)で運用しているポジションを手動で決済できる場合もあります。
しかしEA(自動売買システム)で運用しているトレードに、裁量トレードで人為的に手を加えると、本来のEA(自動売買システム)の機能が発揮できずに、結果的に大損につながる可能性があります。
人為的に手を加えたほうが良いケースは、あくまでも運用するEA(自動売買システム)自体を見直すときです。基本的に自動売買の運用を始めたら、EA(自動売買システム)の運用しているポジションを裁量トレードで決済することは控えましょう。
損切りラインを間違えて設定している
損切りラインとは損失の拡大を防ぐために、含み損が出ているポジションを決済して損失を確定させることです。
損切りラインは、米ドル/円を1ドル100円で米ドルを購入した場合、99円まで円高になったら損切り。あるいは99円50銭まで下がったら損切りするというように損切りラインを設定します。
しかし例えば損切りラインを99円90銭などに設定すると、頻繁に損切りが発生して損失が積み重なり、結果的に大損につながるかもしれません。
逆に損切りラインを90円などに設定すると、まったく損切りラインに到達せず、損切りラインを設定する意味がありません。さらにこちらの場合は、急な経済指標で一瞬でも90円の損切ラインにタッチすると、損切りが発動してしまい大損になってしまう可能性もあるでしょう。
損切りラインはテクニカル指標やチャート分析で、適正な水準に設定することが大切です。
ギリギリの証拠金で取引をしている
証拠金とは取引に必要な資金のことを指します。1ドル140円のときに米ドル/円を、レバレッジ1倍で1,000通貨購入する場合、約14万円の証拠金が必要です。ただし14万円の証拠金が必要だからといって、FX口座に14万円入れておけば良いというわけではありません。
なぜならFXにはロスカットという仕組みがあるからです。ロスカットとはFXで一定以上の含み損が発生すると、損失の拡大を防ぐためにすべてのポジションを強制決済する仕組みのことをいいます。ただしロスカット制度があっても、入金額以上の損失が発生する可能性がある点はご留意ください。
ロスカットの基準はFX会社によって異なりますが、ギリギリの証拠金で取引をしているとすぐにロスカットが発生して、大損する可能性があります。ロスカットは各FX業者が定めた証拠金維持率を下回り、追加の証拠金を差し入れなかったときに発動します。証拠金維持率の計算方法は以下の通りです。
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100 |
証拠金維持率は必要証拠金が変わらない場合、FXで含み益が出るか、FX口座に資金を差し入れて必要証拠金を増やして有効証拠金を大きくすると証拠金維持率は高くなります。多くの場合、証拠金維持率は各FX業者のトレード画面で確認できるため、証拠金維持率はできれば200%程度になるよう、FXの口座管理を心がけましょう。
FXのEA(自動売買システム)の活用を成功させるコツ
FXのEA(自動売買システム)の活用を成功させるために、何を心がけたら良いのでしょうか?成功のコツを3つ紹介します。
FXの知識を身につける
EA(自動売買システム)は基本的にトレードをお任せできる仕組みですが、EA(自動売買システム)そのものを選んだり、見直しをしたりするために最低限のFXに関する知識は必要です。
初心者がEA(自動売買システム)を始めるときは、まず以下のようなFXに関する知識を身につけましょう。
- FXの仕組み
- FXの専門用語
- ローソク足チャートの見方
- テクニカル指標の見方(特に移動平均線・ボリンジャーバンド、RSI、MACD)
こうした知識はFX業者の公式サイトだけでも身に着けることは可能ですが、まったく初心者の場合は解説が体系的に書かれている書籍がおすすめです。まず書籍を読んで、わからない単語や気になるところはインターネットや動画などで知識を深堀していくという勉強方法がおすすめです。
FX初心者がこれから勉強するときの手順について知りたい方は、以下の記事が参考になります。
初心者がFXを勉強する手順3ステップ|学習方法や成功するコツを紹介
長期で運用する
FXの裁量トレードは、頻繁にトレードをすることで短期間で大きな利益を狙うことも可能です。しかしEA(自動売買システム)は、あらかじめ設定したトレードルールに為替レートが到達したら、新規注文や決済が行われる「待ち」のトレードスタイルです。
したがって短期間で利益が狙える場合もありますが、基本的には長期での運用を前提とします。
ただし完全放置をするのではなく、定期的なEA(自動売買システム)の点検、見直しを心がけましょう。
急激なトレンドでEA(自動売買システム)が機能しなくなるということのないよう、要人発言や経済指標の発表スケジュールを確認して対策を立てておくことも大切です。
また長期で運用をするために、EA(自動売買システム)は余剰資金で運用しましょう。光熱費や家賃といった生活費を使って運用すると、損失が発生した場合に生活費を工面しなければならず、トレードどころではなくなってしまうでしょう。結果的に長期運用もできません。
実績のあるシステムを選ぶ
EA(自動売買システム)は、一定期間の収益率や収益額、勝率、最大ドローダウン※2)といった実績を、あらかじめ確認、比較して選ぶことができます。逆にこれらの数値が明らかになっていない新しいEA(自動売買システム)は、初心者は避けたほうが良いかもしれません。ただし実績があっても表示されている内容が、将来も続くとは限らない点には注意が必要です。
またEA(自動売買システム)はバックテストやフォワードテストが完了しているものを選びましょう。バックテストとは、過去のチャートからEA(自動売買システム)の有効性をテストする方法。フォワードテストとは実際の相場を利用してEA(自動売買システム)の有効性をテストする方法です。
一般的にEA(自動売買システム)の収益率や収益額、勝率、最大ドローダウン、バックテストやフォワードテスト実施の有無などは、EA(自動売買システム)を扱っている公式サイトで確認できます。
※2)最大ドローダウン…一定期間の累積利益のピークからの下落幅のこと
初心者におすすめのEA(自動売買システム)2選
初心者におすすめのEA(自動売買システム)を2つ紹介します。これからEA(自動売買システム)を使ってトレードしたいという方は、ご検討ください。
トライオートFX
インヴァスト証券のトライオートFXはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・自動的に売買が繰り返される自動売買サービスです。就寝中や仕事中でFXの画面を見ていなくても、常にトレードチャンスを狙い続けます。
トレードルールは1から設定することもできますが、「セレクト」という機能を利用すれば、投資の専門家などが作成したトレードルールの中から自身に合ったものを選んで、すぐに運用が始められます。
取引通貨の数は全部で20通貨ペア。米ドル/円や、ユーロ/米ドルといったニュースなどで情報を集めやすいメジャー通貨同士の通貨ペアも扱っているため次のような方におすすめです。
- FX初心者
- これからFX自動売買を使ってトレードをしたい
- 長期運用で少しずつ資産を増やしていきたい
- 仕事や家事で忙しく、あまりFXの画面に向かい合ってトレードをする時間がない
- メジャー通貨でリスクを抑えた運用をしたい
マイメイト
マイメイトはAIを活用したFXの自動売買サービスです。簡単な質問に答えるだけで、自身にあったエージェントというキャラクターが生成され、トレードを行います。エージェントは過去のトレードを学習してトレードに反映させる他、継続的に学習を継続します。
エージェントは1から作る必要はなく、エージェントの収益率や勝率といった実績を確認して、自身に合ったものを選ぶことですぐに運用が始められます。
マイメイトも選んだエージェントが、自身のトレードスタイルで常にトレードチャンスを狙う仕組みのため、次のような方に向いています。
- FX初心者
- これからEA(自動売買システム)を使ってトレードをしたい
- 仕事や家事で忙しく、あまりFXの画面に向かい合ってトレードをする時間がない
- 自身のトレードスタイルをEA(自動売買システム)に反映させたい
まとめ
FXのEA(自動売買システム)は、リスクがゼロではありません。しかし完全に放置することなく定期的に見直しを行う、レバレッジを低く設定する、裁量トレードを組み入れないと言った運用を心がければリスクを抑えられます。また十分な資金を用意して基本的なFXに関する知識を学習して、長期運用を意識すると成功しやすくなるでしょう。
今回紹介したEA(自動売買システム)のリスクや活用のコツを理解して、ぜひ自身にあったEA(自動売買システム)選びに役立ててください。