分配金ってなに?

株式の取引と同じように取引所でいつでも好きなタイミングで取引ができるETF。株式の配当と同じように、投資対象に配当や金利があれば「分配金」(株式の配当のようなもの)が貰えます。

ETFに投資するなら、この「分配金」にも注目しておきたいです。銘柄によっては、分配金がないものもありますが、継続的に分配金がある銘柄もあります。そこで今回は「分配金」に着目しご説明していきます。

1 初心者がETFを買う時は分配金にも注目!

ETFも個別株の投資と同様、安く買って高く売れば当然売買益が得られますが、そもそもETFは個別株に比べてると値動きが小さめなので、特に短期的なトレードで利益を狙うにはあまり向いていません。そうするとETFは中長期的な運用となってきます。そして中長期的な運用を考える上で見落としてはならないのは分配金なんです。

1 分配金とは

ETFには分配金があります。これは、株式で言えば「配当」、預貯金で言えば「利子」に似た性質のものです。ETFの多くは株や債券、不動産などに分散投資をしているので、こういった投資対象で「配当」や「利子」が生じれば、これらをETFを買ってる人達で山分けしてくれるんです。これが、『分配金』です。殆ど株の配当と言っていいですよね。

2 分配金利回りって何?

分配金利回りとは平たく言えばETFに投資した投資金に対し、過去1年間にどのくらいの分配金があったのかを示したものです。ご存知の方も多いと思いますが、株式の配当利回りと同じですね。

『分配金利回り』は過去1年間の分配金を任意の時点の基準価格で割って算出します。

<計算式>

  • 分配金利回り(%)=「過去1年間の分配金の合計」÷ 基準価格 × 100

過去1年間の分配金の合計が300円で、現在のそのETFの購入代金が1万円なら、分配金利回りは3%ということです。

2 分配金ばかりに目を向けてはいけない!

ここまでETFの分配金についてお伝えしてきましたが、分配金だけに目を向けてはいけません。いくら分配金があっても、買ってから値段から下がってしまい分配金以上の損失になっていたら意味がありません。これが価格変動リスクです。

また、何かしら突発的な事象、例えば、戦争やテロ、大規模な自然災害など、その状況によっても異なりますが、特に取引量が少ない銘柄は売るに売れないというケースもありえます。これが流動性リスクです。こういったリスクは株式でも債券でも程度の大小こそあれ、どういった金融商品にもあるリスクですが、できるだけこういったリスクを排除するような取引を心掛けましょう。

1 価格変動リスク

投資対象商品の価格が変動することによるリスクです。価格が「下落するリスク」だけでなく、価格の上下の「振れ幅」が大きいか小さいかを意味します。

もちろんETFにも価格変動があります。今後、価格が下落していくだろうというETFをわざわざ買う人はいません。

各国の経済状況や政治動向のニュースにも目を向けて、場合によってはチャート分析なども身につけておくと良いかもしれません。せっかくですから、分配金だけではなく、値上がり益も狙っていきましょう。

2 流動性リスク

流動性リスクは、売買が極端に少なくなることで取引が成立せず、売買したいときに売買できない可能性があるということです。ETFを取引する場合であっても、できるだけ取引量(出来高)が多い銘柄、又は純資産額が大きな銘柄を選ぶようにしましょう。

ETFの取引量(出来高)等の確認方法

  • モーニングスター(http://www.morningstar.co.jp/)を表示
    • ETF」タブの「ETFランキング」を選択し国内か海外かを選択
    • 月間出来高を確認

※出来高(=取引量)と売買代金(=取引されている金額)では、売買が頻繁におこなわれているかどうかがわかり、純資産額(購入されている金額)はそのETFにどのくらい資金が集まっているのかがわかります。

3 分配金が無い(見込めない)ETF銘柄もある

今回、分配金に着目したETFを購入についてお伝えしてきましたが、そもそも分配金が無い、あるいは見込めないETFもあるってことです。例えば、金や原油などの「コモディティ」を投資対象としたETF、また、株価指数の2倍・3倍の変動率で連動するレバレッジ型のETF、更に株価指数が下落するとその変動率分価格が上昇するというインバース型のETFなどです。

これらのETFは分配金はゼロと思って差し支えありません。したがって、こういったETF銘柄については分配金に着目した運用は見込めないのです。逆に、言い換えれば、金や原油などコモディティを原資産としたETFやレバレッジ型、インバース型のETFは値上がり益や、ヘッジ目的の運用に適しているということです。

※ヘッジ目的の運用:例えば日経平均に連動するETFを保有している場合に、何かしらの要因で日経平均株価が下落してしまいそうだという時に、日経平均に連動するETFの損失拡大に対して、インバース型のETFは日々の下落率分の利益がでるため、損失の急拡大をカバーすることができる。

4 まとめ

今回はETFの分配金に焦点を当ててお伝えいたしました。ETFの値動きだけでなく、今後は分配金や分配金利回りにも注目してはいかがでしょう?