日本でも最近じわじわと人気が拡大しているETF。名前は知っているけどETFって何?なんでETFが良いの?という方に、今すぐにでもETFが始めたくなるETFのメリットを3つご紹介します。
1.そもそもETFとは
ETF(上場投資信託)は、取引所に上場し、株のようにマーケットが開いている時間ならいつでも取引ができる投資信託です。従来の投資信託は売買の申し込みが1日に1回しかできなかったため、急に相場が変動したり、今すぐこの価格で買いたい、といったようなニーズには応えることができませんでした。
1-1.ETFのマーケット規模
ETFは過去10年で最も成長した金融商品と呼ばれています。米国、ヨーロッパを中心に世界60以上の取引所で売買が行われ(もちろん日本の東証でも売買されています)、銘柄数も6000銘柄以上、その市場規模は3兆ドル(約300兆円)にも上ります。
1-2.ETFの仕組み
ETFは、これまでの投資信託と同様に、色々な銘柄に投資ができるように株などの金融商品を組み合わせ、かつ小額から取引できるようにした商品。株を始めとする金融商品は1購入単位が高額になるため、組み合わせてくれて小分けになっている投資信託は資産運用にぴったりなのです。更に株のように自由な取引が出来る柔軟性を加えたETFは、急な相場変動が起きて値段が急落、なんて時にもすぐ取引ができて安心。
1-3.ETFの種類
世界には、現在6000種類を超えるETFが存在します。基本的に全て指数に連動するように設計されているのですが、指数といっても私たちに馴染みの深い株価指数(S&P500、日経平均株価、ダウ等)だけでなく、国債、社債、不動産、金や原油といったコモディティ、様々な資産を対象にした指数が存在し、投資の幅をぐっと広げてくれる存在なのです。
2.ETFのメリット3つ
それでは、そんなETFのメリットを具体的にご紹介します。
2-1. 投資初心者でも簡単
投資をする時に最初にぶつかるのは、「そもそも何を選べばいいの?」という壁です。現在、世界には投資商品と呼ばれるものが無数に存在します。日本に上場している株だけ見ても3500銘柄。更に、投資信託や国債、外国株、金や原油といった商品、外貨・・・一体何がいいの?と途方に暮れてしまいがち。ETFは、そんな投資が初めての方にもおススメできる商品です。その理由とは・・・?
2-1-1 一生懸命勉強して銘柄を選ぶ手間と労力が不要
投資と言えば、最もポピュラーなのはやっぱり「株」。でも、あんなに安心!と思われていた企業が倒産したり、買収されたり、不祥事で株価が暴落したり・・・と難易度が高め。なんとかならないの?と言う方にETFならアメリカ株や日本株に丸ごと投資ができる銘柄や、セクターごとにまとめてくれている銘柄等、予めテーマによっていろいろな銘柄を組み合わせてくれているので、ひとつひとつ銘柄をつぶしていくのに比べ選ぶ手間をぐっと楽にしてくれています。
2-1-2 ほとんど全ての金融商品にETFを通じて投資可能
ETFには6000もの銘柄があり、ETFを通して様々な金融商品に投資をすることができます。例えば、投資対象として魅力的でも実際に現物を保有したら保管場所に困ってしまう純金や、先物で取引するとリスクの高い原油、気軽に手を出しにくい不動産などなど・・・自分では到底手出し出来ないようなアフリカの銀行株、なんてものにも投資が可能です。
2-2. 小額から始められる
ETFは、小額で始められる事も魅力の一つです。いくら「必ず儲かる」という信頼できる情報があったとしても、初期投資額が100万円だったらどうでしょう。ちょっと躊躇してしまいませんか?実際に株に投資をしようとすると、最小単位の取引でさえトヨタ自動車であれば60万、ユニクロで有名なファーストリテイリングだとなんと360万も必要になります。ETFは1万円前後から買えるように設定されているものが多く、まずは小額からお試しするのも可能です。
2-3. リスクが低く、リターンが出しやすい
いくら他の投資商品に比べて簡単でも、やっぱりリスクはつきもの。せっかく投資するなら上がる銘柄が良いですよね。実は、リスクの低さもETFの魅力の1つなのです。
2-3-1 投資先が全て開示されている
これまでの投資信託は、ETFのようにいろいろな銘柄を組み合わせテーマ別に買いやすくしていたのは同じなのですが、実際に何に投資しているかは、運用報告会等のタイミングでしか開示されませんでした。極端な話、最初に言っていた銘柄と全然違う商品に投資されて損した!なんてこともあり得たのです。(実際にそんな悪質は業者は多くありませんが)
ETFは、全ての銘柄が毎日リアルタイム公開され、中に組み込まれている銘柄に変更があった時でもすぐに知る事が可能。何に投資しているか、どれくらいの割合なのか、を始め様々な情報が分かるので安心です。
iシェアーズの個別銘柄ページ
https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/products/239665/ishares-msci-japan-etf
細かいパフォーマンスやリターン、配当、投資銘柄の詳細などが見れます。
2-3-2. マーケット時間中ならいつでも売買できる
最初にもご説明しましたが、ETFは上場している投資信託です。上場してると、例えば、3.11のような大きな災害が起きて株価が大暴落した時に、上場していればリアルタイムで売ることができますが、1日1回しか取引ができない投資信託では翌日にならないと売り注文が成立しないため、その分リスクを抱えてしまうことになります。
このチャートのように、翌日になると更に大きく下がってしまう状況でも、投資信託のように売買が制限されている場合売りたくても売れず資産がどんどん減って行き、気付いたら10%以上資産が目減りしていたなんてことも・・・いつでも売買出来る事は実はとても大切なことなのです。
2-3-3. コストが安いためリターンを出しやすい
これまでの投資信託といえば、銀行窓口や証券会社で勧められることが多かったかと思います。このモデルで販売される投資信託や保険は、実際の取引手数料以外に仲介している金融会社に販売手数料を支払うことになります。となると、利益を出そうとした場合この販売手数料以上に儲けなければならなかったということ。一方、直接市場で取引できるETFであれば、その仲介手数料が必要なく、取引手数料もネット証券なら数百円で済むのでハードルが下がります。
2-3-4. 分散投資でリスクを軽減
ETFは、例え1つ1つの銘柄について詳しく理解していなくても、アメリカが良さそうと思えばアメリカに丸ごと投資できるS&P500を、アップルを始めとするハイテク企業が上がる、と思えばセクター丸ごと投資できる銘柄を選ぶことができるのですが、これは投資の世界では「分散投資」とも呼ばれます。
いろいろな銘柄に少しずつ投資しているので、例えその中の1社が倒産しても影響は限定的。1社に集中投資するよりもリスクが低くなりますよね。とても理にかなった仕組みになっています。
3.ETFのデメリット
ここまで、ETFのメリットについてご紹介してきましたが、ETFにデメリットは無いのでしょうか?結論からいえば、初心者にとってはデメリットよりもメリットの方が圧倒的に多いと言えるのですが、1つだけ注意が必要な事があります。
3-1.人気のない銘柄は解約されてしまう
ETFは投資信託同様、解約といって株が倒産するのと同じように、売れない銘柄が消滅してしまう事があります。とはいえ株と違ってその時の価格で払い戻しされるだけなので株より傷は浅いのですが、10銘柄まとめて解約、なんて事も実際に起きているので注意が必要です。
3-2. ETFのデメリットを回避するためには?
解約は人気のない銘柄に起きるので、対策としては、有名なプロバイダーが設定している、出来高の多い銘柄おまたは預かり資産が多いものの中から投資銘柄を選ぶとこのリスクを回避することができます。
4.まとめ
いかがでしたか?今話題のETFは、日銀の金融政策のツールとしてだけでなく皆さんにとっても魅力的な資産運用のツールであることがおわかりいただけたかと思います。投資を始めてみたい、でもまとまった資金はないし選ぶのも難しそう・・・という方にはもってこいです。また、投資は早く始めれば始めるほど将来より大きな資産を形成できるとされています。