新興国投資ならETF!おすすめ銘柄7選

新興国市場(エマージング市場)といえば、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)、さらには中東、北アフリカなどに注目が集まっており、新興国への投資は欠かせない選択肢の一つとなってきました。とはいえ、どの国のどの資産に投資すれば良いのか選ぶのは難しいですよね。でもETFなら新興国全体、BRICsなどの地域また各国単位など、投資目的に応じて国・地域そしてアセットクラスを選ぶことができるのです。これから新興国への投資を考えている人に、新興国投資にもっとも適した金融商品ETFを詳しくご紹介いたします。

1.新興国投資の魅力

日米欧をはじめとする先進国が低成長に入って久しい中、今後の経済成長が期待される新興国への投資が注目を集めました。はじめはBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)、そして最近はベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン、中東、北アフリカなどが注目されていますが、新興国投資の魅力は何といってもハイリターンとポートフォリオのリスク分散効果の2つに集約されます。

1-1.ハイリターン

新興国は先進国に比べ人口の伸びが高いとともに労働人口の平均年齢が若く、産業構造の変化が進むことで高い生産性が期待されています。また、安い人件費などもあり海外からの投資対象となりやすく、それが成長を促進させることにも繋がります。過去のデータを見ても新興国の経済成長率は先進国を上回っていることから、新興国への投資は高いリターンが期待されます。

1-2.ポートフォリオのリスク分散効果

分散投資の方法は、アセットクラス、国・地域、通貨の3つがあり、アセットクラスの分散とは株式、債券、不動産、コモディティといった異なる資産へ分散を指します。このアセットクラスと国・地域を掛け合わせて分散することで、全体として資産価値の変動を抑えリスク軽減を図ることができると考えられています。この資産が先進国だけに偏っていると不況時の影響を直接的に受けやすい等のリスクが高まりますが、新興国へ分散することで、そのリターンを得るだけではなく、先進国の成長鈍化リスクなどを補う効果を期待できます。

2.ETFで投資するメリット

新興国への投資方法といえば、米国や現地の取引所に上場されている株や債券、現地の不動産、新興国の資産クラスが組み込まれた投資信託か新興国株や債券の指数連動するETFなどが挙げられます。そんな中でETFのメリットはどんな点にあるのでしょうか。

2-1.ETFは何より保有コストが安い

新興国株や債券等に投資しようとする場合、個人が直接海外市場に投資するには流石にハードルが高く、インデックスファンドで投資するのが一般的です。中長期で投資する際には信託報酬などのコストが気になりますが、インデックスファンドは一般の投資信託の半分以下となっています。ETFは、そのコストの安いインデックスファンドよりもさらに安くなっているのです。長期投資を考える場合、信託報酬が安い方が投資家にとって当然有利ですね。

2-2.投資先、対象資産が豊富にある

海外ETFには新興国単独から複数市場に跨、また中国、インドなど国単位、さらに債券や不動産など選択肢が豊富にあります。新興国資産のみで資産を築こうということには賛成しませんが、長期投資には欠かせないマーケットとなっています。

3.新興国ETFおすすめ銘柄7選

新興国の株式、または債券に連動する代表的なベンチマークと、それに連動する日本国内上場のETFおよび海外取引所上場のETFをご紹介します。決して短期のキャピタルゲインを期待するものではありませんので、ローリスクの運用を目指すならポートフォリオの10%程度、ミドルリスクなら20%程度の資産配分でイメージしてください。海外ETFは外国株式を取り扱っている証券会社であれば一般口座、NISA口座のどちらでも購入可能です。

3-1.新興国株式市場に投資する銘柄

国内ETFは信託報酬は安く長期保有に向いていますが、純資産規模からも分かるように、海外ETFのバンガード・エマージング・マーケッツETFは信託報酬が低く人気があります。

※上記は2017/3/15現在の数値です。購入時の手数料等は金融機関により異なります。

  • MSCIエマージング・マーケット・インデックス

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社が算出している、新興諸国26ヶ国をカバーしている株価指数。多くの投資信託、ETFがこの指数をベンチマークとしている。

  • MSCIエマージングマーケットInvestable Market Index(IMI)

全23ヶ国の新興国株式市場への投資を目的とした指数で、MCSIエマージング・マーケット・インデクッスとの違いは、指数に小型株を含むこと。

  • FTSEエマージング・インデックス

FTSE社が算出している新興国21ヶ国の株式で構成される新興国株式指数。投資可能時価総額の96%以上をカバーし、計953銘柄で構成される。MSCIエマージング・マーケット・インデックスとの違いは、韓国が含まれずUAEとパキスタンが含まれること。

3-2.新興国債券に投資する

※上記は2017/3/15現在の数値です。購入時の手数料等は金融機関により異なります。

4.新興国投資の注意点

新興国への投資はハイリターンが魅力ですが、当然、相応のリスクがあります。先進国の低成長、低金利が続く中で、新興国には経済成長への期待により投資資金が集まりやすい反面、例えば、米国の利上げなどをきっかけに投資資金が流出するということが過去にもありました。いつ何が起こるかは分かりませんが、代表的リスクはあらかじめおさえておきましょう。

4-1.カントリーリスク(政治的リスク)

新興諸国は経済成長の反面、政情不安やテロなど地政学的リスクがつきまといます。また、金利が高い国は物価も高く貧富の差の拡大にも繋がるため、国内情勢にも暴動や時としてクーデーターによる政権交代なども起こり得ます。これらは、新興国投資する上では覚悟しておかなければいけませんが、新興国全体や地域単位に投資するETFであればそのリスクは分散され大幅に軽減されます。

4-2.流動性リスク

新興国は先進国に比べ市場規模が小さいために価格変動が大きくなりやすく、また売買量が少ないために売りたい時に売れないということも起こり得ます。これを流動性リスクと呼びますが、どのような資産クラスにも当てはまるリスクです。ETFならばデータが全て開示されていますので、純資産額や出来高を確認し、同じカテゴリでトップクラスのものを選ぶことで、流動性リスクを低くすることができます。

4-3.為替リスク

新興国のみならず海外投資には必ずついて回るリスクで、これを嫌がるために海外投資を避ける方もいるのが事実です。例えば、投資した国の株価が上昇しても通貨が下落してしまうこともよくあります。円に交換するタイミングによっては、外貨ベースでは利益を得て資産全体は増えたのに円換算したら元金を下回るということも起こり得ます。

<為替レートの変化による計算例>

  • 投資金100万円を1ドル120円で米ドルに交換→8,333ドル
  • 8,333ドルを投資して10,000ドルに増えた
  • 1ドル80円で円に交換→80万円

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

BRICsブームは下火となりましたが、世界の投資マネーはハイリターンを求めてインドネシア、ベトナムなどの東南アジアをはじめ中東、北アフリカなど次の経済成長国へと向かっています。単一の国に投資するのはリスクを考えると難しいですが、新興国全体、地域全体にリスクを分散できるETFならポートフォリオの一部として組み入れるのに最適ではないでしょうか。ただし、全資産を新興国への投資に振り向けるような冒険は控えたほうが良いでしょう。